今回はマイケル・ブーブレさんの歌声について書いていきたいと思います。
マイケルブーブレさんと言えば、洋楽の最高峰にいる存在と言っても過言ではないほどの実力の持ち主ですよね。世界的に有名なシンガーですね。
何と言っても歌唱力の高さ!本当に素晴らしい。
どういう声質・声の出し方か
地声・話し声はやや低めの音域で、太く響く声質
地声や話し声の音域はやや低めの音域ですね。
音域的にやや低めくらいの音域帯の声帯を持っているような印象を受けます。
声質は鳴りが強い声質ですね。息よりも声帯の鳴りが先行する鳴り系の声質です。
共鳴が非常にしっかりとしており、咽頭共鳴(下方向への響き)や鼻腔共鳴(上方向への響き)がかなり強い(よく鳴る)です。
歌声は美しい低音ボイス中心
チェストボイス低中音域は地声。
息が流れやすいサラリとした発声から鳴りの強い声質まで自在に使いこなしています。
声質的にもともとは鳴り系の声質を持っているので、声帯の鳴りがしっかりとした発声を柱にして息の成分を使い分けているような印象を受けます。特徴的なのは何と言っても深みのある咽頭共鳴。
美しく綺麗に響かせています。
地声
ミドルレンジ
中高音域(≒ミックスボイス)。
主に強い高音を歌うミックスボイスとファルセットっぽく抜くミックスボイスの2種類を使い分けています。
強い高音は声帯の鳴りの成分を強めてそこに綺麗に息を流すことでバランスのいいミックスボイスを作り出しています。
息の流れもスムーズなので美しい鳴り系のミックスボイスを生み出しています。
強い鳴りの中高音
ファルセット的に使うミックスボイスは柔らかな薄い声帯閉鎖でファルセット的なニュアンスを出しています。
ただ、完全なファルセットほど声帯が切り替わっていないのでミックスボイス的な発声と言えるでしょう。
柔らかい鳴りの薄い中高音
ファルセット
高音域はファルセット。
そこまで多く使うことはないので聴ける機会が少ないのですが、非常に綺麗な抜けるようなファルセットを使い熟しています。
息の倍音成分の多い澄んだ音色のファルセットです。
ファルセット
このフレーズのファルセットも綺麗なのですが、この曲の2番のサビのファルセットは極上の美しさです。
どういう歌い方か
共鳴や音色
マイケルブーブレさんは上下に共鳴のコントロールを持っています。
特に下方向への響きはとても深く綺麗な低音域を聴かせてくれます。
また、鼻腔への共鳴も非常に上手いので、高音成分の抜けも非常にいいです。この上下の共鳴をコントロールすることで低音が光るジャズテイストの曲からポップスまで歌いこなしています。
綺麗な上下の共鳴
ビブラート
ビブラートは楽曲次第で美しくコントロールしています。
フレージング・歌い回し・歌唱力
マイケルブーブレさんの特徴として一番すごいところは「ピッチ」が良すぎるところです。
音程のハマり方が機械並です。ライブでも。あのピッチの正確性が、世界中を魅了している部分の一つですね。
特に音の出だしや、音の変わり目のハマり方が機械です。オートチューン(ピッチ補正ソフト)でピッチ修正しているみたいなピッチ感です(褒め言葉として)。
もちろんしてませんよ。ライブで歌ってもいつ歌ってもあれですから。
また、リズム感、ダイナミクス、フレージング、様々な要素が素晴らしいレベルです。
フレージングに少し癖があるように、聞こえますがあれもピッチの流れの良さが生んでいますね。
どういう練習をすればマイケルブーブレさんのように歌えるか
これがわかれば誰も苦労はしませんね。
しかし、分析して近づく近道を見つけることはできます。
マイケルブーブレさんのように歌うポイント
ポイント
ピッチ・フレージングを研究する
咽頭共鳴を身につける
この二つが重要だと考えます。
では、書いていきたいと思います。
ピッチ・フレージングを研究する
マイケルブーブレさんはピッチ感がものすごくいいです。
絶対音感を持ってるかどうかは知りませんが(持ってるからってピッチがいいとは限りません)本当に良すぎます。
特に注目すべきは音と音のつなぎ目だったり、言葉と言葉のつなぎ目で音程が変化するときの滑らかさが尋常ではありません。
例えば「ド」から「レ」に移行する場合、
プロの歌手でもその境目には微妙な音程の時間がその切り替わりの場所に存在します。これは人間なので当然です。機械や楽器で出しているわけではないので。
ただ、彼はこの切り替えの微妙な音程の場所が限りなく少ないと思われます。
音がバチっと切り替わります。もちろんマイケルも人間なので細かく波形で見ると音程の切り替わる時間は存在するはず。しかし、おそらくその時間が短く、聞く分にはバチっとはまっているようにしか聞こえないという感じでしょうか。
もう一つ、あのピッチ感を生み出している要因に、一息で歌っているということがあると思われます。
要は歌っている間中、息がずっと流れているということです。フレーズごとに一息で歌うことによって、音が止まるのを防ぎ、流れをスムーズにしている感じです。
いや、まぁ普通の人がこれを意識しても、あんなピッチにはなりませんが。肝心なのは音の切り替えだと感がています。いかにスパッと綺麗にかつ滑らかに切り替えるかが重要です。
鼻腔共鳴は当たり前。さらに咽頭共鳴、下に響く共鳴を身につける
鼻腔共鳴は英語圏では当たり前ですね。マイケルブーブレさんはそれにプラスして下への響きがとても綺麗です。
かなり低い音も、フランクシナトラさんのような響きで歌いますね。
咽頭や胸の方へ響かせるには喉仏の位置が重要です。喉仏の位置が上がってしまうと、低い響きは綺麗に響きません。なので喉仏を下げた状態で歌えるように練習しましょう。
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