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声や歌について

喉を締めてもいい場合もある?【高音発声の練習の道筋について】

投稿日:2018年7月16日 更新日:

今回は高音発声における「喉を締めてはいけない」という教えについての考察とそれを踏まえた上での高音発声練習の道筋について書いていきたいと思います。よく「喉を締めてはいけない」だったり「喉に力を入れてはいけない」だったりする教えがありますよね。それは当然そうなのかもしれませんが、その『言葉の捉え方』が重要だと思っています。高音が苦手な人(特にもともと声が低い人)が、その言葉を鵜呑みにするとなかなか大変かもしれません。

スポーツなどでもそうですが、『良い教え』が全ての人に当てはまることはありえません。そうであれば、野球のピッチャーはみんな同じフォームになっていくでしょう。そうでないのは体が人それぞれ違うからですね。つまり個性があるからです。当然喉や声も同じですね。大多数の人に当てはまるので『良い教え』なのかもしれませんが、あなたに当てはまるとは限らないのですね。この「喉を締めてはいけない」という教えも、人によっては・捉え方によってはという問題がつきまとっていると考えています。

今回はそんな高音発声における「喉を締めてはいけない」という点について書いていきたいと思います。

「喉を締めてはいけない」という教えについて

その言葉通りの意味ですが、主に高音域での話が多いですね。高音域が苦手な人が、高音域を頑張って発声するときに喉を締めてしまうことが多いです(喉を締めると声帯を締めるのは別物ですよ)。

当然喉を締めたりすると苦しい聞き辛い発声ですし、魅力的な高音には程遠いです。そんな時に「喉を締めてはいけない」「喉に力を入れてはいけない」と教えられるのですね。別に逆説を唱えるつもりはないのです。

言ってることは基本的に正しいですし、異論はないのです。しかし、高音が苦手な人がこの言葉を鵜呑みにすると高音域を手に入れるのに時間がかかるかもしれませんし、望むような高音は得られないかもしれないということは大いにあり得るということです。

もちろんその教えが「目的への近道になる人もたくさんいるでしょうが、遠回りになる人もいるはず」ということです。

先に答えを教えることがいいことなのか?

何事でもそうですが、先に答え(ノウハウ・極意・成功体験・正解の方法など)を教えると『答えが目的になってしまい、本当の目的を果たせない』ことがあります。特に「こうしてはいけない」という禁止系の答えはこの傾向があると思います。

例えば

「頭のいい人・成績のいい人は教科書やノートにマーカーを使わないとかカラフルにしない人が多い」とかいう成功体験がありますね。その方法を真似してみると頭が良くなったり成績が良くなったりするでしょうか?

この方法のミソは「マーカーなどをしないことでアクセントだけを学んだり記憶したりするのではなく全体を網羅して学ぶことができるから成績が良くなる」のですよね。

つまり全体を隅々まで学習することがこの方法の目的であり、マーカーしないことが目的ではないですよね。隅々まで勉強しない人がこの方法を真似してマーカーまでしなかったら余計に効率を落とすことになるかもしれませんよね。

話が脱線してしまいましたが、同じようなことがスポーツでも何でも起こりうるし、ボイストレーニングでも同様のことが起こりうるということです。

「高音を出したい」→「高音を出す方法は?」→『喉を締めてはいけないという教え』→「なるほど!絶対喉を締めない」→「全然出せない」みたいな流れになる可能性が大いにあり得ます。

なぜこうなるのか?ということを次の段落で書いていきたいと思います。そのためにはなぜ喉が締まるのかということについて考える必要があります。

『なぜ喉が締まるのか』を考える

なぜ喉が締まるのかを考えることが重要です。

なぜ喉が締まるのか

声帯を自由にコントロールできない=高音を出すだけの調整が声帯だけではできない=喉の周りの筋肉や舌を使ってなんとか出そうとする=喉が締まる』のです。

つまり喉全体が声帯を助けようとするのですね。喉と声帯の動きが同じ動きをしてしまうのです。

これがコントロールできる人だと声帯のみを締められる=声帯と喉を切り離して動かすことができるのです。

詳しくはこちら

歌うとき喉が締まってしまう理由は『声帯コントロール能力がない』から

今回は歌うときに『喉が締まる理由』について詳しく書いていきたいと思います。歌において喉が締まる状態になってしまう人は多いのではないでしょうか?特に高音発声は喉が締まるという方も多いと思います。 それで ...

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これを踏まえずに言葉を鵜呑みに考えてしまうと、高音が苦手なは力を抜こう抜こうとしながら高音の練習をします。当然ですよね。喉が締まっている・余計な力が入っているのであれば力を抜こうとアプローチしますし、そう教えられることも多いでしょう。こうなると脱力を最優先にしてしまうのですね。

脱力を最優先にしてしまうと

力を抜こう抜こうと考えながら練習するということは脱力を『最優先においた練習』です。つまり、「苦しい高音になった場合にできる限り力を抜こうとする」ということです。

そうすると当然高音は弱々しい発声になることが多いです。まだ声帯と喉が感覚的に切り離されていない状態なので、喉の緩めにひっついて声帯もゆるまっちゃいます。

このような状態で高音を出そうとするのですから、弱々しい高音の練習にしかならないことが多いです。その結果強い高音は手に入れにくいのですし、強くないどころか到底使えない高音かもしれません。

もちろんこういう脱力を最優先に考えた練習方法がいい人もいます。『喉を脱力しろ』という教えが広まるのはもしかしたらそういう人の方が多いからかもしれませんね。

脱力論が刺さる人

僕の考えではもともと持っている声帯が普通〜高めな音域を持っている人ほど脱力論は刺さりやすい』と考えられます。

なぜなら換声点の位置が高めにあるのでミックスボイス的な発声(一定の声帯閉鎖を必要とする発声)の必要性が声が低い人に比べると少ないからです。つまり『ピッチを高くするために必要な声帯を締める度合いが小さくて済むので、地声(普段持っている声)との声質の差が大きくならないので脱力を優先させても弱々しく感じない』から脱力論が刺さるのですね。

そこから強く鳴らしたいからと声帯を締めるという練習をしたときも締める度合いが少なくても済むので練習の成果が出やすいかもしれません。

しかし声が低い人はどうでしょう?

脱力論が刺さらない人

これが声が低い高音が苦手な人が脱力を優先すると、もともと持っている声との落差も大きくなり弱々しい印象の声になります。というか実際に弱々しくなるでしょう。

それをひたすら練習することで弱々しい高音を癖付けてしまい、『喉も締まらないが声帯も締まらないという高音』の完成となってしまうかもしれませんね。そしてそこから締めようにも声が低い人は声帯が大きい・長いのでその脱力練習で身につけた薄々高音を強く鳴らすのにも苦労するわけです。

当然個人個人声帯は違うのですが、違うがゆえに『喉を締めるな』を鵜呑みにすると危険だということがあるのです。

高音域は喉を締めてから声帯と喉を切り離していくアプローチもあっていい

上記内容を考えると高音域のトレーニングは、喉に力が入ってもいいから声帯を締めて、そこから喉の締まりを切り離していくようなアプローチをとってもいいのです。

最初から力を抜こうとするのではなく、苦しくても強い声でその音域まで出してそこから脱力を身につけるようなアプローチです。このアプローチをとった方がいい人もいるはずです。一概には言えませんが、特に声が低い人は。脱力ばかり考えると伸び悩んだり、成長しなかったり。

ただこういうアプローチは危険だとか喉に悪いと言われたりします。確かに練習中は聞き辛い声の練習になります。張り上げたり締めたり苦しそうな感じになったり。人に聴かせられるものではないかもしれませんね。

でも本当に喉に悪いんですかね? 野球部員だったり剣道部員だったりの声を出すスポーツなんかでは、毎日叫ぶように声出してる人もいると思うんですけどね。それでものど壊さない人の方が多いはずです(慣れですね。慣れ=成長)。それに比べば高音トレーニングは可愛いもののように感じます。

レッスン中、聞き辛いから力を入れるなっていうボイストレーナー達の要望的なものが定説として広まったのではなかろうか。とかも考えられます。まぁでも練習するのは個人責任でお願いします。

注意

まぁどういう道を辿ったにせよ最終的には『脱力してかつ鳴る高音』を目指すと思います。声が低い人でも脱力を優先させた方が上手くいく人もいるはずです。ただ、何をベースに練習してくかということが成果のスピードや質に大きく関わることもあるということですね。

まとめ

高音域の練習は「締めてから脱力」というアプローチをとった方がいい人もいるということです。そういう人の場合は「脱力してから締める」のは難しいアプローチで、成長しにくい道筋のように思えます。

もちろん本文で述べたように「脱力してから締める」というアプローチがいい人もたくさんいるはずです。重要なのは個人個人違うということです。

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