今回はクリスティーナ・アギレラさんの歌声・歌い方についての分析です。
話し声の特徴
地声・話し声の音域は普通〜やや高めくらいの音域。
音域的に普通〜やや高めくらいの声帯だと考えられます。(*英語圏の女性は日本の女性とは違い低く話す傾向があります)。
話し声の声質はバランスよくしっかりと鳴る声質。
息も流れやすく、声帯もしっかりと鳴るようなバランスのいい声質。どちらかと言えば「鳴りやすい」タイプと言えるのかもしれません。
カリッとエッジボイスっぽく声帯を鳴らして話すのは英語圏の声帯の使い方です。
持っている声帯
普通〜やや高めの音域・バランスよく鳴りやすい声質
歌声の特徴【発声方法】
チェストボイス(地声)低中音域は地声(チェストボイス)。
息系の声質から鳴り系の声質まで使いこなしています。
どちらかと言えば、やや声帯がしっかりと鳴るような鳴り系の声質を使うことが多いです。とは言え息の倍音から鳴りの倍音のコントロールまでハイクオリティでトップクラスです。
基本的には鳴りやすい声帯でしょうから、息系の発声でもカラッとしたエッジ感があるのも特徴です。
共鳴は下方向(咽頭共鳴)をしっかりと保つ響きの作り方が多いですね。
クールなニュアンスや太い、深いニュアンスを作っています。
地声
比較的鳴り系の地声域です。高音部分はファルセットで綺麗に抜いています。
こちらは比較的息系の地声域。カラッとしたエッジ感と綺麗な息の流れです。
ミドルレンジ(地声)
地声の中高音発声。
非常にパワフルな唸るようなニュアンスが特徴的です。
声帯に一定の閉鎖感を作り出してそこに強い息の圧力をかけることでパワフルな高音域を生み出しています。ベルティングボイスと呼ばれるような強い鳴りの発声です。
強い声帯の鳴りと息の圧力で若干声帯が割れているようなジャリ・ガリっとしたような倍音を含んでいます。
さらに唸るようなニュアンスはそれに加えて仮声帯部分(咳払いなどで使う声帯とは別の部分)を鳴らしてガラガラ・ゴロゴロしたような唸りのニュアンスを生み出しています。
ここまで強い鳴りの声を美しく・かっこよくコントロールできる人は、日本人にはそうそういないと思えるほどの迫力のある声です。
ミドル
強い高音部分になるとガラッとした声帯の鳴りと唸るようなニュアンスが出ています。
圧倒的にパワフルな高音域。
ファルセット(裏声)
高音域は裏声(ファルセット)。
非常に綺麗なファルセットを使いこなすのもアギレラさんの魅力ですね。
スポンと抜けるような綺麗な息の流れのファルセットを自在に使いこなしています。
かなり大きな声量・響きで美しく鳴っています。
ファルセット
ファルセットの鳴り自体も非常に大きな美しい鳴りです。
歌い方
共鳴や音色
特徴的なのはやはり咽頭共鳴(下方向への響き)です。
深い響きを保ったままの高音域はパワフルさを生み出す要因です。
もちろん鼻腔や口腔への共鳴(上方向への共鳴)もしっかりとあるので、綺麗な抜けをしています。
ビブラート
楽曲にもよりますが、綺麗なビブラートをコントロールしています。
フレージング・歌い回し
低音域帯から高音域帯へのコントラストが特徴的です。
特に高音域帯のパワフルな発声は低音域帯とのダイナミクスの差で大きな感動を生み出しますね。
静と動の落差のある歌い方です。
ピッチ感やリズム感を非常によく高い歌唱力を持っています。
どういう練習をすればクリスティーナ・アギレラさんのように歌えるか
クリスティーナ・アギレラさんのように歌うポイント
ポイント
太いパワフルな発声を身につける
深い響きを身につける
これが重要でしょう。
太いパワフルな発声を身につける
太いパワフルな発声を身につけるにはグッグトレーニングでのトレーニングが最適です。
このトレーニングは喉を開くようにして強い鳴りの高音域を開発するのに最適なトレーニングです。
声帯だけをしっかり閉鎖してそこに強い息の圧力をかけるようにして発声しましょう。
アギレラさんの場合、強い鳴りと同時にハスキーっぽい倍音(ジャリ・ガリ)を含んでいるのですが、こういう独特の割れ感は持っている声帯によるところが大きいでしょう。
唸るようなニュアンスについてですが、これに関しては比較的誰でも低音域帯ではできると思います。
咳払いをするような痰を切るようにすればできますね。
これをパワフルな高音域帯でするのが非常に難しいのですが、これはパワフルな高音域帯を自在にコントロールできているのでできる芸当ですね。
なので唸りを練習するのではなく、強い高音域を自由にコントロールできるようになることを練習すれば唸りのニュアンスもできるようになるはずです。理屈の上ではそうですが、とは言え、、、、という感じですがね。
深い響きを身につけるには
深い響きとは下方向(咽頭や胸の方向へ)への響きですね。
これは喉の開き方や特に喉仏の位置が重要になってきます。喉仏の位置をコントロールすることで、例えば高音域でも深い響きの声を作ることができるのです。
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