声や歌について

「地声」の定義や考え方について|地声とミックスボイスの発声の違い

投稿日:2018年12月11日 更新日:

今回は「地声とは」というテーマについて書いていきたいと思います。

実はこの地声という言葉もミックスボイス同様に難しい言葉なのです。線引きが難しいのはもちろん、「これを地声」と定義することも、言葉として深く考えれば考えるほどにわからなくなってきます。

 

当然ながら人の数だけ声がありますから、もはや綺麗に線引きできる定義なんてないのかもしれませんね。ぼやけた感覚の世界なのですね。

ですが、地声とミックスボイスの違いを考えると、地声というものが見えてきますね。

 

ココがポイント

この二つの最大の違いは声質を最大限まで息っぽくした場合

  • 限りなく、息っぽくできるのが地声(ヒソヒソ話に近い状態にできる)
  • どうしても一定の閉鎖を必要とし、息っぽくできないのがミックスボイス(声帯を締めて高音を鳴らすので、息っぽくできるが限界がある)

です。

 

ではそんな地声について書いていきたいと思います。

地声とは

Wikipedia参照

日本語の地声 (じごえ)は文字通り「地の声」であり、元来は「普段平素で喋るときの声」といった意味である。 歌唱においては胸声あるいは実声に似た意味で使われるがその場合、声区的に用いられることが多い。 また、歌唱のために調整された声に対して声区に関係なく「地声」という場合があり、これには「喉声」(生声などともいわれる)に近い意味合いがあり、「喉が狭い、デックンされていない」ことを指す。

 

コトバンク参照

人間の音声の分類用語。生理学,音声学音楽学などでその概念定義に差がある。普通,人の音域のうち低音域の胸声を意味し,高音域の頭声すなわち裏声に対するものとされるが,胸声,頭声とも共鳴の場所は同じである。地声は声帯筋の緊張により起きるもので,声帯は全長全幅にわたり振動する。これに対して裏声は輪状甲状筋の収縮のために輪状甲状関節が移動し,声帯は前後に引張られて声帯全長の一部のうち内縁の一部が振動する。ただし,音楽的な発声においては,地声と裏声の境を判然としないように移行することもあり,その境の部分を中声ともいう。また地声は音楽としての発声 (歌声) によらない会話などの発声 (話し声) をいうこともあり,さらに,男声において特殊な発声による特に高音域の裏声に対して,単に普通の音楽的な発声をいうこともある。その他洋楽のベルカントの発声に対して邦楽的な発声をさしていうこともある。

 

と書かれています。

まぁなんだか難しく書かれていて、難しく考えすぎるとよくわからなくなってしまいますね。

 

声区的に使われる場合と、普通の話し声として使われるものと意味的に区別しないといけないということですね。

さらには裏声的な発声に対して、そう出ない場合をいう場合もあったりと、実は意味が広いですね。

 

ここでは発声的な区別としての「地声」について書いていきます。

 

声帯の使い方から「地声」について考える

声帯の使い方

定説では

  • 地声は声帯の全体を使う発声
  • 裏声は声帯の一部を使う発声
  • ミックスボイスはその中間(裏声よりも使う部分が多い)を使う発声

とされています。

 

  • 地声は声帯の全体を使うから主にその声帯の低い音になる(弦を太く使う)
  • 裏声は声帯の一部を使う発声だからその声帯の高い音になる(弦を細く使う)
  • ミックスボイスはその中間(裏声よりも使う部分が多い)を使う発声だから中音域の音になる

と考えることができます。

これが声区と声の種類の考え方ですね。

 

声区についてはこちらの記事にも書いています。

換声点をなくすトレーニングと自分に合う音域・声区の見つけ方

今回は換声点や声区、音域について焦点を当てて書いていこうと思います。 人は持っている声帯によって出せる範囲の音域(魅力的な音域)は決まっています。また、音域帯によって使われる声帯の部分・声の種類も違っ ...

続きを見る

 

地声とミックスボイスの違い

地声とミックスボイスの声帯の使い方の違いはわかりましたね。

 

でもそれが実際の歌や声ではわからないと感じますよね。これ実際に難しい問題なのですね。そもそも一つの声帯から出る声なので、そこまで声質に変化はないでしょうし、人によって声帯は様々だからです。

なので正確には「その本人が地声と言えば地声。ミックスボイスと言えばミックスボイス」というのが真の答えかもしれません。(哲学的になってしまいました。)

 

なので、地声のつもりでミックスボイスを出している人も当然いるでしょうし、ミックスボイスのつもりで地声を出している人もいるでしょう。

 

ですが、個人的には区別の仕方があります。持論ですね。

 

ココがポイント

それが冒頭で述べた

  • 限りなく、息っぽくできるのが地声(ヒソヒソ話に近い状態にできる)
  • どうしても一定の閉鎖を必要とし、息っぽくできないのがミックスボイス(声帯を締めて高音を鳴らすので、息っぽくできるが限界がある)

これです。

息と声帯閉鎖の関係性についての記事はこちら

息と声帯閉鎖の関係|声の個性を作る重要な要素

今回は「息と声帯閉鎖」の関係について書いていきたいと思います。 「息」と「声帯閉鎖」というのは声に大きく関係しているものです。   声質を作り出している大きな要素の一つです。 今回はそんな「 ...

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なぜこう言えるのか。

 

息っぽくしていくと違いがわかる

息っぽくするというのは声帯の閉鎖を弱めていくということです。これが大前提で考えていきましょう。

地声というのは声帯の全体を使っているので、低い音が出せます。声帯の全体を使う声で閉鎖を弱めていくと当然全体的に閉鎖しなくなってくるので最終的には限りなく息に近い声になります。

裏声というのは声帯のほんの一部を使っているので、高い音が出ます。そもそも裏声というのは声帯の一部を使っている時点で息っぽい発声になります。

声帯のほんの一部を使っている状態で、閉鎖を弱めていくと当然その一部が閉鎖しなくなってくるので最終的には限りなく息に近い声になります。

ミックスボイスというのは声帯の何割かを使う(ここでは仮に半分とします。)ので、中高音域が出せます。声帯の半分を閉鎖させた上で出す声なので、息っぽくしていくことは難しいのです。もちろんできますが、ある一定の閉鎖は薄く残るのです。完全な息っぽさにはならないのです。

なぜか? 一定の閉鎖の上で成り立っている声=ミックスボイスという前提があるからです。ほどいた瞬間に地声と化します。(ただし、ハスキーボイスは例外)

 

 

もちろん息の成分が多いミックスボイスは存在しますが、薄い閉鎖の膜のような音の上に成り立っている声なのです。(だから地声のように聞こえる)

 

なのでミックスボイスの声の出し方で思いっきり息を吐くのと、地声の状態で思いっきり息を吐くのでは、実質口から出てくる息の量が地声の方が多いです。

なぜならミックスボイスはどこまで薄くしても一定の閉鎖の上にある声なので、地声に比べて声帯で止まる息の量が多いのです。

 

よって地声というものは「最大限息っぽくすることが可能である声」と考えることができます。

地声やミックスボイスがわからなくなった時の参考にしてみてください。

 

ミックスボイスについて詳しくはこちらの記事に書いているので、ぜひ読んでみてください。

【ミックスボイスとは?】出し方・感覚・練習方法について

 

その他シンガーの歌声解説はこちら

アーティスト歌声解説一覧

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