今回はエアロスミスのボーカル スティーブン・タイラーさんの歌声について書いていきたいと思います。
エアロスミスと言えば、世界中で知らない人はいないであろう伝説のロックバンドですね。
何と言ってもその楽曲のかっこよさ、その歌声は多くの人を魅了しています。
心掴まれている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなエアロスミスのボーカル スティーブン・タイラーさんの歌声について書いていきたいと思います。
目次
どういう声質・声の出し方か
地声・話し声は若干高めの音域で、独特のハスキー感がある声質
地声の音域は若干高めの音域ですね。音域的に若干ですが高めの音域の声帯を持っているように感じます。声質によってさらに高く聞こえますね。
声質はかなりかすれ気味なハスキーボイスですね。声帯が綺麗に閉鎖することなく、カサカサ・サラサラとした鳴りの典型的なハスキーボイスです。声帯の不完全な閉鎖により、息の「スーーーー」という倍音がかなり強く鳴っています。
声帯の鳴り的な成分(母音的成分)は少なく、ハスキーな息の成分(子音的成分)が多く含まれている声なので、音域以上に高く聞こえますね。
歌声は閉鎖系の強い鳴りを持つ歌声
歌声は主に4種類の歌声を使っています。
地声・ミックスボイス・シャウト系・ファルセットの4種類です。
低中音域は地声を使っています。ただし、これを地声というかというところですでに議論が分かれそうな声です。というのも話し声では声帯の閉鎖が不完全なハスキーボイスですが、歌声は声帯が強く鳴る声で歌っているからです。おそらくですが、エッジボイスの感覚に近い声で発声していると考えられます。
僕の個人的な考えではこれはミックスボイスなのですが、音域は地声の音域ですし、声帯閉鎖を強めた地声と考えることもできます。
とにかく、話し声とは違い声帯の閉鎖を強めて、ハスキーさが弱まり、声帯の鳴りが強く鳴るような低音域を歌っています。
中高音域も基本的に低音域と声質が変わらないですね。(これも低音域の声をミックスボイスと考える理由)
閉鎖感の強い声帯の鳴りのあるミックスボイスです。息の圧力が強まるにつれてもともと持っているハスキーなザラザラとしたような倍音が混ざり、ややハスキー感のあるミックスボイスになっています。
この声帯閉鎖の強い鳴りのミックスボイスをかなりの高音域まで歌うことができます。
地声がやや高めなのもありますが、声帯のコントロールがうまくかなり強い閉鎖が可能なので、あそこまで高い音域のミックスボイスが出せるのですね。
高音域はファルセットを使うこともありますが、シャウト系の使い方をすることが多いです。ファルセットで使う声帯部分もしっかりと閉鎖させることができているので、芯のあるファルセットを使いこなします。
また、ファルセットの息の圧力を高めてシャウトの発声を作っています。ミックスボイスからシャウトに入ることもあります。(ファルセットから入ろうが、ミックスボイスから入ろうが一定の超高音になると行き着く先は同じ)
どういう歌い方か
声帯の鳴らしと閉鎖的なニュアンス
基本的には声帯は鳴らしっぱなしの歌い方です。つまり「閉鎖させっぱなし」ということですね。
なので、歌い方にも閉鎖的なニュアンスが強いですし、響きも上方向主体なので明るい響き中心の歌声です。
また、口が大きく、当然口の開きも大きいので、声が明るく前に飛びます。そこに独特のハスキー感を持った強い声が通るのでかっこよくロックに聞こえるのですね。
ビブラートもほとんどかけることなく、まっすぐに歌いますが、ピッチ感は非常によくさすが、世界のバンドだと言えますね。
実際の歌声で確認
声の種類
地声:黒字
ミックスボイス:黄色マーカー
ファルセット:赤字
「I Don't Want to Miss a Thing」でミックスボイスを確認
フレーズ
先ほども書きましたが、話し声(地声)を考えると全てミックスボイスですね。ただ、なんとも言えないところなのでそういう部分は黄色のアンダーラインにしました。
個人的には全てミックスボイスです。
「Eat the Rich」で地声とミックスボイスの違いを確認
フレーズ
wrong side of the bed And how I got to thinkin' About all those things you said About ordinary people And how they make you sick And if callin' names kicks back on you Then I hope this does the trick 'Cause I'm sick of your complainin' About how many bills And I'm sick of all your bitchin' 'Bout your poodles and your pills And I just can't see no humor About your way of life And I think I can do more for you With this here fork and knife
このフレーズだと黒字の部分は地声と言わざるを得ないでしょうか?それとも低いミックスボイスでしょうか?
難しいですね。
ここまで来ると地声とは何だ?という話になってしまいます。答えは人の数だけあると思ってもいますのでどう考えるかはお任せします。
それくらいスティーブン・タイラーの話し声は個性的なのですね。
黄色部分は間違いなくミックスボイスと言い切れるミックスボイスですよ。
「Blind Man」でファルセットを確認
フレーズ
was a tall whiskey glass I was an old hound dog that just loved to chase his tail Until I met a blind man Who taught me how to see A blind man Who could change night into day And if I can I'm gonna make you come with me Because here comes
赤字の部分ですね。綺麗にミックスボイスによる声帯閉鎖が抜けて澄んだ音色で息が流れるファルセットです。
スティーブン・タイラーのすごいミックスボイス集
どういう練習をすればスティーブン・タイラーさんのように歌えるか
スティーブン・タイラーさんのように歌うには多くの音楽的要素が必要です。
そのぶん、多くの練習や訓練が必要となります。
しかし、要点やポイントを絞ることで近づく近道になります。
スティーブン・タイラーさんのように歌うポイント
ポイント
閉鎖系のミックスボイスを身につける
これが重要ですね。
では練習方法を書いていきたいと思います。
閉鎖系のミックスボイスを身につける
スティーブン・タイラーさんのような声を出すにはとにかく閉鎖系のミックスボイスをコントロールする必要があります。
閉鎖系のミックスボイスのトレーニングは「ネイ」「ヤイ」トレーニングがいいでしょう。このトレーニングは声帯の鳴りの強い声で脱力を促すトレーニングになります。
詳しくはこちら
また、声帯自体をかなりコントロールしなければ強い閉鎖はコントロールできないでしょう。
声帯のコントロール能力を高めるにはエッジボイスのトレーニングが最適です。
詳しくはこちら
ちなみに特有のハスキー成分は狙って出せるものでもないでしょう。
ハスキーボイス感を出すにはザラついた鳴りを生み出す息の成分が必要なのですね。
まとめ
スティーブン・タイラーさんのように歌うにはまずは声帯閉鎖の強いミックスボイスがコントロールできるようにならなければいけません。
とは家それが難しいところではありますよね。さらに独特のハスキー感は狙って出せるものでもないので、さすが世界のエアロスミスというところですね。