今回はエルトン・ジョンさんの歌声について書いていきたいと思います。
エルトン・ジョンさんと言えば、世に多くの名曲を残している世界的なシンガーソングライターですね。
ローリングストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガーで38位という世界的なシンガーですね。
何と言ってもその楽曲の素晴らしさや歌声の素晴らしさは国境を越え世界中で愛されています。誰でも一度はCMなどで聴いたことがあるはずです。
どういう声質・声の出し方か
地声・話し声は低め〜やや低めの音域で、よく響く鳴り系の声質
地声・話し声の音域は低め〜やや低めくらいの音域ですね。
もちろん年代によっても若干変化していますし、声帯の柔軟性から話し声の音域の幅も広いです(特に英語はイントネーションが豊か)。
持っている声帯自体は低めの音域帯の声帯を持っているように思えます。
声質は声帯がしっかりと鳴る声質です。
息の流れよりも声帯の鳴りが先行する鳴り主体の声質です。
深い響きが特徴的です。
咽頭共鳴(下方向)が深く響き心地よい低音ボイスを鳴らしています。
歌声は柔らかな鳴りとくっきりとした芯のある暖かい歌声
チェストボイス低中音域は地声。
フレーズにもよりますが、基本的には声帯をしっかりと鳴らす鳴り系の声質で歌っています。
鳴り系とは言っても声帯を柔らかくコントロールするような柔軟性のある地声域の発声です。共鳴はフラットな位置で上下に対応させています。
ミドルレンジ
中高音域(≒ミックスボイス)。
ほとんど地声系の声質と大差ない柔らかくもしっかりと鳴る声質です。
声帯を柔軟に鳴らし、くっきりと芯もあるバランスのいいミックスボイスです。
ファルセット
高音域はファルセット。
使用頻度はそこまで多くはないのですが、使う楽曲は使うくらいの頻度で使っています。
ファルセットもくっきりと芯がありしっかりと鳴るようなファルセットを使っています。
どういう歌い方か
共鳴や音色
上下に柔軟に共鳴させてコントロールしています。
やはり歳を重ねれば重ねるほどに下方向への響きが増えていっていることがわかります。
ビブラート
ビブラートはあまりかけるタイプではなく、まっすぐに歌うことが多いです。
フレージング・歌い回し・歌唱力
エルトンジョンさんは低音域から高音域まで声帯を柔らかく鳴らすような鳴り系の声を使っています。
あまり息系の声を使わないタイプです。
このような鳴り系の声というのは話している声に近いので、素朴な印象を作り出し、「歌っている感」を作らないような印象を生み出します。
逆に息系の声は歌っている感が出ますね(良い悪いではなく)。
このような話し声に近いようなニュアンスを音楽的に聴かせるのはピッチ感に優れていないとできない事ですね。つまり話し声を綺麗に音階に当てられるようなピッチ感が必要というわけです。
どういう練習をすればエルトン・ジョンさんのように歌えるか
エルトン・ジョンさんのように歌うには多くの音楽的要素が必要です。
そのぶん、多くの練習や訓練が必要となります。
しかし、要点やポイントを絞ることで近づく近道になります。
エルトン・ジョンさんのように歌うポイント
ポイント
柔らかい鳴り系の声を操る
これが重要ですね。
では練習方法を書いていきたいと思います。
柔らかい鳴り系の声を操るには
エルトンジョンさんのような柔らかい鳴り系の声をコントロールするには声帯のコントロールが必要ですし、もともと持っている声質も影響してくるでしょう。
声帯を柔らかく発声するような練習はリップロールの練習が最適です。
低音域から高音域までリップロールでトレーニングすることで芯を持ちつつ柔らかい鳴りの声をコントロールする練習になります。
ただ、リップロールで息も流れてしまうので薄い声になっているという場合は「ネイ」「ヤイ」トレーニングやエッジボイスのトレーニングで声帯の鳴りを鍛える必要があります。
どちらにしてもミックスボイスを操れるように鳴る必要があるのですが、それを操るのが難しいのですね。
また、そういう鳴り系の声を操るピッチ感も必要になります。
息系の声よりもピッチの芯がくっきりしやすいので、それだけ繊細なピッチコントロールが必要になります。
当然ピッチトレーニングも重要となってきます。
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