今回はシンディ・ローパー(Cyndi Lauper)さんの歌声について書いていきたいと思います。
シンディ・ローパーさんと言えば、グラミー賞なども多く受賞している世界的に有名なシンガーであり、多くの名曲を世に残しています。
何と言ってもその個性的な歌声は一聴するだけでシンディ・ローパーさんとわかってしまいますね。
そして圧倒的な歌唱力。心掴まれている方も多いのではないでしょうか。
どういう声質・声の出し方か
地声・話し声はやや高め〜高めの音域で、浅めで明るい音色の声質
地声・話し声の音域はやや高め〜高め音域ですね。
長い年数活躍しているので当然年を経るにつれて音域帯は低くなっています。が、持っている声帯の音域帯はやや高め〜高めの音域帯でしょう。若い頃は間違いなく高めと言い切れるような声を持っています。
声帯自体が小さいような印象を受ける声です。
声質は声帯がしっかりと鳴る鳴り主体の声質です。
ほんの若干だけですが、ハスキーなニュアンスの倍音が出るときもありますね。
浅めの響きで鼻腔や軟口蓋に響きやすい声です。上方向の共鳴が強いのはもちろんですが、下方向への共鳴がほとんどないような感じの共鳴の仕方です。
歌声は鳴り系の明るい高音系の歌声
チェストボイス低中音域は地声。
低中音域とは言ってもシンディ・ローパーさんの中での低中音域であって、かなりの高音域帯まで地声系の発声を使っています。
つまり低中高音域のすべて地声系の発声で歌っていると言ってもいいでしょう。
それくらい元々の声が高い。
声質は鳴り系の声質が主体です。
声帯がしっかりと閉鎖して鳴りの強い声質を使うことが多いです。もちろん息系の声質を使うこともあります。
また、ほんの若干のハスキーな倍音(ザラザラとした倍音)が随所に感じられ、独特の声質を作り出しています。
共鳴は鼻腔や軟口蓋の響きがほとんどを占めている明るい音色です。
ファルセット
高音域はファルセット。
地声系の発声でかなり高いところまで出せるので、それより上の音域帯で使われています。
綺麗なファルセットでくっきりと芯があるのが特徴的なファルセットです。
そういう声質を使うことが多いです。鳴り系のファルセットというところでしょうか。
どういう歌い方か
共鳴や音色
シンディ・ローパーさんは明るく浅い響きの音色で歌うことが多いです。
もちろん全てがそうではないですが。もともと持っている話し声自体から浅めな響きの音色です。おそらく咽頭共鳴(下方向への深めの響き)しにくい喉を持っているのだと思います。
声帯自体が口という音の出口に近いのですね。
上方向主体の響きので口や口の中の空間も横方向のニュアンスが強いので明るい音色になります。
ややエッジ的に上方向へ響かせないような気怠そうなニュアンスを作って歌うフレーズもありますね。
これは下に響かせる意識で歌っている感じでしょうが、いい具合に下にはあまり響かないので特徴的な鳴りを作り出しています。
ビブラート
ビブラートは若干かけるようなときもありますが、基本的にはまっすぐに歌うタイプです。
フレージング・歌い回し・歌唱力
フレーズの中で伸ばすフレーズ、切るフレーズの使い分けが絶妙で、伸ばしたりブレーキをかけたりするのが非常に上手いのが特徴です。
どういう練習をすればシンディ・ローパーさんのように歌えるか
シンディ・ローパーさんのように歌うには多くの音楽的要素が必要です。
そのぶん、多くの練習や訓練が必要となります。
しかし、要点やポイントを絞ることで近づく近道になります。
シンディ・ローパーさんのように歌うポイント
ポイント
明るい高音系の発声を身につける
これが重要ですね。
では練習方法を書いていきたいと思います。
明るい高音系の発声を身につける
シンディ・ローパーさんのような地声の高音系の発声はもともと持っている声帯の音域帯の影響を大きく受けるでしょう。
地声で出せる強い高音域にはある程度限界がありますから。低め〜普通くらいの音域帯の声帯を持っている場合は高音を鍛える必要があるでしょう。
特有のハスキー感が全体的にあるのですが、これももともと持っている声帯の要因が大きいでしょう。
ハスキーボイスにはなりたくてもなかなかなれるものではないと思っています。
シンディ・ローパーさんのような強い鳴りの高音域は「ネイ」「ヤイ」トレーニングが最適です。
強い鳴り系の声質で高音域の脱力を身につけるトレーニングです。この発声は浅めでかつ鼻腔方向へ響きやすいトレーニングなので、シンディ・ローパーさんような発声法に近い音色になると思います。
ミックスボイスではなく、地声系の高音域を強化するには「ブッ」トレーニングがおすすめです。
エッジボイスのトレーニングで声帯の鳴りを強化しましょう。
また、鼻腔方向への共鳴をトレーニングするにはハミング練習が最適です。
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