今回は『ボイストレーニングの最適な練習時間・練習量について』です。
この記事は
- ボイトレの練習量・練習時間のベストは?
- ボイトレの練習量について
- ボイトレの練習時間について
- ボイトレの練習日数について
についての内容です。
ボイトレの練習量・練習時間のベストは?
この議論に関して
おそらく「筋トレ」の科学的根拠が明確に解明されないかぎりは、ボイストレーニングにおいても同様に解明されないでしょう。
「筋トレ」も毎年のように新常識として
- 「長期的な低負荷がいい」
- 「短期的な高負荷がいい」
- 「超回復は〇〇日がベスト」
と言った具合に論が次々と覆り安定していませんので。
ボイトレもそこまで筋肉だけにウェイトが乗っていないとは言えそれに似たようなところがありますので、まだまだ確信には至っていないことでしょうから、それは大前提の上で読んでください。
現実的に考えれば、
くらいが現実的なオススメになるでしょう。
なぜそう考えられるか?
最適な練習というのは
- 練習量
- 練習時間
- 練習日数
この3つを考えなければいけません。
ボイトレの練習量に関して
ボイストレーニングは何を鍛えるものなのかを考える
ボイストレーニングは大きく二つの要素をもっていると考えられます。
一つ目は筋トレのような
- 「動きの質(筋肉)を鍛える」
という要素。
もう一つは例えば野球の投球動作のような
- 「動き方(神経)を鍛える」
という要素です。
この二つの面を鍛えることがボイストレーニングであり、どちらも欠かせないものだと考えられます。
動きの質(筋肉)を鍛えるとは
当然ながら
- 『声帯などの発声に関わる部分をコントロールするための筋肉を鍛える』
ということになります。
この声帯に関わる部分の筋トレが普通の筋トレ的なものあるならば、「超回復」などを考えて一定の期間を空けるべきですし、一定の練習量ですぐに限界がくるのでやればやるだけ良いとは言えないですよね。
しかし、ボイストレーニングはそもそも声帯の筋肉がムキムキになるようなものではない(筋トレに比べれば筋肥大などあってないようなもの、少なくとも目には見えないレベル)ですし、重たいバーベルを持ち上げるなどのように強い負荷を声帯にかけることもできません。
なので持続的に負荷を与える必要がありますし、何より日常で使っている声なのである程度持続的な負荷に耐えられるようになっているはずです。
なのでそこまで声帯の筋肉に対して筋トレのように気遣わなくてもいいと思われます。
動き方(神経)を鍛えるとは
ボイストレーニングは「動き方(神経)を鍛える」という面もあります。
声帯の動き・喉の動き・その他の発声に必要な体の動きなどにおいてできなかった動きができるようになるということです。
例えば、ドラムの手と足が別々に動かせるようになったり、ロボットダンスができるようになったり、けん玉が上手くできるようになったり、縄跳びの二重跳びができるようになったりというような「神経の発達やコツを掴む」みたいな成長です。
運動の質を鍛えるのではなく運動の仕方(動き)ですね。
ボイストレーニングはこういう動きの面でのトレーニングの一面を持っていると考えられます。
このような動き(神経)の側面の要素があり、筋肉の面にウェイトが寄ってないので練習量(体に染み込ませる)がモノを言うのですね。
つまり、
- 動きの質(筋肉)を鍛える
- 動き方(神経)を鍛える
以上二つの面を考慮するとボイストレーニングは「練習すればするほどに成長する」という面が強いと考えられます。
ボイトレの練習時間に関して
ボイトレの一回あたりの練習時間は
15分〜1時間くらい
がいいと考えられます。
これに関しては
- 喉の健康面
- 練習内容
を考えなければいけません。
喉の健康面
当然ながら声を出し続ければ声は枯れます。
その状態が続けばポリープができたりするかもしれません。無理をすれば発声障害になるかもしれません。当たり前と言えば当たり前です。
どんな動きでも大小はどうあれ負荷は存在します。
その負荷に対する限界がきたら壊れてしまいますね。これは喉に限らず、体のどんな部分でもそうですね。
ちなみに
『喉が壊れる』っていうのはジワジワと悪くなっていくこともあります。
怪我のようにバキッとわかりやすく悪くなるというものでもないことが多いので厄介です。
気がついたら、「あれ?声が出しづらい」と。
つまりそうならないようにだけは大いに気をつける必要があります。
そして
そのボーダーラインは人それぞれ違うので、時間で区切るのではなく本来は自分でその限界点を見極める必要があります。
そういう点では一般的には
- 15分〜1時間くらいがほとんどの人が安心してできる範囲
と考えられます。
練習内容で負荷は変わる
練習時間も大事ですが、
- 練習内容によって負荷は異なってくる
ということを理解しておくべきです。
つまり練習内容によって限界点が変化するということです。
例えば
エッジボイスのような声帯を軽く鳴らすようなトレーニングならかなり長時間続けられるでしょうし、シャウトの練習のような声帯に負荷が重くかかるトレーニングはそう長いことしないほうがいいでしょう。
このように『練習内容によって喉の状態が悪化しない限界点は変化する』ので一概に時間を決められないのですね。
ボイトレの練習日数に関して
練習日数に関しても
『できる限り毎日する方がいい』
と考えられます。
「たくさんの練習時間を毎日と言われても・・・そんなの無理!」という感じですよね。
現実的には時間は限られていますので、やりたい分だけ毎日練習するというのはなかなか難しいです。
まぁその場合でも「できる限りやる」というのが理想ではあるのですが、、、、あくまで理想と言ったところでしょうか。
そういう方は練習時間を意識するのではなく、練習日数だけでも意識するといいかもしれません。
少しの時間、例えば15分でもなるべく『毎日』するということが重要なように感じます。
毎日できなくてもなるべく日数を重ねることが大事だと思います。
つまり
- 『時間よりも回数を意識する』
ということです。
人間は不思議なことに寝ると経験値を蓄積し成長するんですよね。
例えば、
- 『1週間に一回7時間ギターの練習をする』
- 『1日1時間ギターの練習をする』
だと同じ7時間なのに成長度合いが違うんですよね。後者の方が圧倒的に成長しています。不思議ですね。
個人的な意見ですが、ボイストレーニングもこれと同じようなところがあるように思います。
まとめ
ボイトレの練習は
- 『練習量』
- 『練習時間』
- 『練習日数』
を考慮すると、
練習日数は
- 『週に3〜7日』
練習時間は
- 『15分〜1時間』
これくらいになるのではないでしょうか。
頑張る人は、『喉の状態が悪化しない範囲であれば、練習すればするだけいい』と言えます。
頑張りすぎは注意です。
さらに
極論を言ってしまうと、
- 最も自分にあった練習量や練習時間は自分で見つけることこそが実は一番重要
とも考えられます。
もしかしたら、人によってはたまーに練習するくらいがしっくりくるなんてこともあるかもしれません。
そうであれば、ここで述べていることを鵜呑みにしてしまうと勿体無いです。人の体や喉はそれぞれ違うのでそういうことは起こり得ないとは言いきれません。
なので本来は自分自身で模索した練習量や時間こそ『真に最適な練習量・練習時間』とも言えるかもしれませんね。
- 毎日15分
- 週に3日30分
- 週に一回3時間
など色々試してみましょう。
個人的には少しの時間でも毎日練習するのがいいと思います。