【9/13】まとめページは都合上削除いたします。引き続きカテゴリーページ等でお楽しみください。

声や歌について

『天然ミックスボイス』についての考察

投稿日:2019年10月21日 更新日:

今回は「天然ミックスボイス」というものについて考察していきたいと思います。

世の中には「天然ミックスボイス」という名称の言葉が存在しており、そういう言葉を見聞きしたことがある人もいるはずです。

一般的には話し声が比較的高めな人、世間的なミックスボイスの音色に近い地声を持っている人がそういう風に言われることが多いように感じます。まぁ明確に定義された言葉ではないので確定的なことは言えませんが、個人的な言葉の解釈としては、この『天然ミックスボイス』というものの言葉のニュアンスに当てまる人なんて基本的にはありないと考えられます。

今回はそんな「天然ミックスボイスとは」についてです。

天然ミックスボイスとは

いくつかの若干違った意味で使われているので、正確な定義を決めて欲しいものですね。

大きくは

主な使われ方

  1. 何もトレーニングしなくてもミックスボイスが出せる人
  2. 話し声からミックスボイスの人

この二つの意味で使われているのだと考えられます。この二つ、若干意味が違いますね。どちらかと言えば2の方の意味で使っている人の方が多いとは思いますが、1の意味で捉えている人もいるでしょう。

天然?

この「天然」という言葉ですが、恐らくは「天然パーマ」などのように生まれつき・人工的でないという意味での天然ですね。

ミックスボイスに関しても天然がつくことで「生まれつきの=声そのものがミックスボイス」「人工的でない=練習していないミックスボイス」というようなニュアンスになるのでしょうね。

上記二つの意味で「なるほどね!」という人もいれば「ん?」という人もいるでしょう。

これはミックスボイスの定義の違いによるものでしょうが、これについては後半で簡潔に語ります。

個人的には一つ目は「言葉のニュアンスが微妙」二つ目は「そんなことあります!?」という感想です

何もトレーニングしなくてもミックスボイスが出せる人

『何もトレーニングしなくてもミックスボイスが出せる人』という意味での天然ミックスボイスであれば、これは普通にありえるでしょう。

何も訓練しなくても50メートル6秒で走れる、球速130キロ投げる、圧倒的画力の絵が描ける、など訓練しなくても難しいことができるというのは才能ですね。珍しいことではあるのでしょうが、そうであるがゆえに『才能』と言えるのですね。

同じように「訓練しなくてもミックスボイスが出せる」なんて普通にありえる話でしょう。

これを天然ミックスボイスと言うのならまぁそれでもいいのですが、名称がしっくりこない気がするのは僕だけでしょうか。

天然俊足、天然豪速球、天然画力、、なんかニュアンスが違うと思うのですが。

とは言え、もしこういう意味での言葉としての『天然ミックスボイス』ならありえます。が、それなら天賦の才ミックスボイスとか天性のミックスボイスとかにした方がいいような気がしないでもないですが。

まぁ「天然」という言葉も『生まれつきの』とかそういう意味があるので間違ってはないでしょう。

とは言え

そもそも確信をついていくと、天然ミックスボイスが『生まれながらにミックスボイスが出せる人』『訓練しなくてもミックスボイスを出せる人』という意味であれば、他人がそれを判断できるものではないですね。訓練したのかしてないのかは本人のみぞ知ることでしょうから。

『何もトレーニングしなくてもミックスボイスが出せる人』という意味で使う場合は基本的には本人の口から語られる言葉ということになるはずです。「天然パーマ」が天然かどうか他人が判断できないのと同じように。

まぁとは言え他人が「あの人は天然ミックスボイス」とか判断していたりするので、やはり次の意味のニュアンスは強いのでしょうね。

話し声からミックスボイスの人

『話し声からミックスボイスの人』。これもミックスボイスの定義(個人的な)を考えると基本的にはありえないというかおかしいです。

「話し声でミックスボイスを使っているような人で、なおかつ他にちゃんと地声域の声区がある人」であればまぁ考えられなくもないのですが、おそらくそれは天然ミックスボイスの言葉のニュアンスから逸れているでしょう。

ここでの『天然ミックスボイス』は

話し声そのものがミックスボイスであり、その声を本人は地声として話している

というようなニュアンスの意味でしょう。「何も力を入れず最も楽に声を出した瞬間からミックスボイス」みたいな感じですよね。

いやいや

それならその声が『地声』でしょう。使うかどうかは別としてその人にとってのミックスボイス域は別に存在するはずです。

「いや、でもその声で高音まで歌っているし、、、、」。ですか?なら「その高音まで地声」なのでしょう。もしくは声区移行がわかりにくくて境目が判断できないか。です。

まぁこれはミックスボイスの定義をなんとするかで大きく揺らいでくるので、なんとも言えないのですが。個人的にはミックスボイスの定義を『一定の声帯を閉鎖を必要とする裏声でない中高音発声』としています。

声帯の動きで見ていくとなんとなくイメージしやすいです。

地声における声帯の動きは以下の図のようになっています。*図はわかりやすく簡略化していますのでご了承ください。

このように地声域は声帯の伸展、また縦に伸びる力を使って音程を調整しています。声帯伸展によって声帯の振動数を上げて高い音を鳴らすのですね。(高音が苦手な人はそもそもこれが上手く動かないとかの可能性の方が高いと考えられます。ただ、ここでは話しが少しそれるので、ある程度しっかりと動く柔軟な声帯を前提で)

音域を上げていくと地声の声帯伸展には限界があるので、そこから先はファルセットかミックスボイスに移行する必要があります。

ひとつは声帯を部分的に使って高音域を出すファルセットです。

このように声帯の一部を使うことで高音を生み出します(正確には「薄く」ですが、ここでは重要ではないので一部にしておきます。その方が考えやすいし特に問題ないので)

一部しか使わないので、高い音になるというメリットがありますが、その分隙間から息が流れるので息っぽい声や地声に比べると弱い声という感じにの音色になるのは誰もが知っていることでしょう。

ミックスボイスの場合は

このように声帯の外側からの力と声帯自体の伸びる力に反する力で声帯自体に一定の閉鎖・固定を与えて地声の声帯の使い方に近い状態で中高音域を発声するのですね。

地声の声帯伸展には限界がありそれ以上の高音を出すには声帯が伸びる力以外の力で音程をあげる必要があるのです。それが声帯閉鎖の力です。

このように詳しくは「ミックスボイスについて」の記事に書いていますが、

ミックスボイスとは『声帯伸展の限界を超え、声帯閉鎖を必要とする中高音発声』

今回はミックスボイス(ミドルボイス)について書いていきたいと思います。『ミックスボイス』というものについて疑問を持っている人は多いと思います。そもそもなんなの?何がミックスボイスなの?自分の声はどうな ...

続きを見る

ミックスボイスとは『一定の声帯を閉鎖を必要とする裏声でない中高音発声』と定義するのであれば天然ミックスボイスなど存在しないという考えになるはずです。

何も力を入れずに発した声(話し声)がミックスボイスの状態で発声していることなど基本的にはあり得ないのです。

ちなみに声が高い人は声帯の大きさが小さい(長さが短い)だけなので、

それが男性であれ女性であれ、力を入れずに楽に発声した声であればいくら高かろうが「地声」ですよね。

こういう持っている地声自体の音域が高い人は歌うときもそのまま地声で歌える歌がほとんどになります。つまりミックスボイスを使わなくてもいいですし、使う場合も地声域との差が現れにくい(差がわかりやすい音域帯まで発声すると、かなり高い音域になってしまい、楽曲的に不自然になることが多い。音楽は高ければいいものでもない。)ので声区の区別がしにくいです。

こういう点で「天然ミックスボイス」と言われたり思われたりしてしまうのでしょうね。でも地声ですよ!

逆に高い声帯を持っている人であっても、突き抜けた高音ミックスボイスを使う人やわかりやすく声区変化させる人は「天然ミックスボイス」と言われないような気がします。

例えば、

まふまふさんとか

マイケルジャクソンさんとか

地声も高いし歌声も高いけど歌声の中での声区変化がしっかりとしているので天然ミックスボイスとは思われにくいのですかね?

なので地声が高くてその地声をそのまま歌声に活かしており、わかりやすい声区変化を見せないシンガーが天然ミックスボイスと言われやすいのでしょうね。

でも「地声は地声」では?

例外も

ただし、例外も考えられなくはないです。

天然ミックスボイスと言えるかどうかは微妙ですが、声帯伸展が上手くできない人(個人的には「猫喉」と呼んでいる)は天然ミックスボイスという言葉に最も近いかもしれないと考えられます。

ファルセットのページで「猫ファルセット」などと呼んで詳しく書いているのですが、

裏声が出せない人は『猫喉』かもしれない|出し方や練習方法について

今回はファルセットについての詳しい考察を書いていきたいと思います。 ファルセットとは裏声のことですね。ファルセットが出せる人にとってはファルセットなんて簡単なのですが、出せない人にとってはこうも難しい ...

続きを見る

音程をあげるときにうまく声帯伸展できない「輪状甲状関節の亜脱臼」などのような症状が考えられます。

これまで「高い声が出ない」「高音が出しづらい」「高音が金属音的になる」などは、ボイストレーナーからはテクニックの未習得、耳鼻咽喉科医師からは前筋麻痺(輪状甲状筋の動きが緩慢な状態を指す)と言明されてきたが、輪状甲状関節の亜脱臼の有無を含めた動き具合を調べることも大切

★症状
①声の特徴:高音が出ない、高音が出にくい、声帯ヒダの伸長が叶わないので声帯筋を過緊張させた金属音的高音発声となる、かすれるほどではないが声が張れない
②その他の特徴:会話も歌唱も可能、目視では確認できない、痛みはまったくない、自覚症状がない、日常生活に支障はない、放置しても問題ない

引用元:輪状甲状関節の亜脱臼-『喉ニュース』より

これだけが原因であるとは限らないのは当然ですが、こういう状態の声帯の人はかなり早い段階から声帯伸展の動き(地声域)から声帯周りの閉鎖(ミックスボイス域)へシフトするはずです。つまり音程をあげるとミックスボイス(魅力的ではない)になるのです。そして正しいファルセットに裏返ることはありません。これが女性だとかなりわかりにくくなるので、話している声が地声なのかミックスボイスなのかわからなくなりますね。

ただこういう声帯を持っていても何も音をあげようとしていない完全に脱力した状態で出す声は『地声』と言えるのではないでしょうか?

ある意味天然ミックスボイスに近いものと言えるのですが、決していいものではないことは確かです。

まとめ

天然ミックスボイスが

『何も訓練しなくてもミックスボイスが出せる人』という定義なら天然ミックスボイスは存在する。でも名称がしっくりこない。

天然ミックスボイスが

『話し声からミックスボイスの人』であれば意図的にミックスボイスで話している場合を除いて、基本的にはありえないです。

あくまでミックスボイスという言葉の定義によって変動するものではあるのですが。

ミックスボイスとは『声帯伸展の限界を超え、声帯閉鎖を必要とする中高音発声』

今回はミックスボイス(ミドルボイス)について書いていきたいと思います。『ミックスボイス』というものについて疑問を持っている人は多いと思います。そもそもなんなの?何がミックスボイスなの?自分の声はどうな ...

続きを見る

オススメ記事

1

今回はボイストレーニングの効果を高めるグッズや声を鍛えるのに欠かせないグッズについて書いていきたいと思います。グッズがなくてもボイストレーニングはできるのですが、あれば便利です。 グッズを使うメリット ...

2

今回はボイストレーニングにオススメの本について書いていきたいと思います。ボイストレーニングというものは、なかなか独学でやっていくというのは難しいですよね。「何からやればいいのか、何が正しいのか、何が一 ...

3

今回は「声の音域を広げる方法」について書いていきたいと思います。歌において音域を広げるということは大きな課題の一つですね。おそらく多くの人が音域を広げたいと思ったことはあるでしょう。 それくらい歌にお ...

4

今回は「歌が上手くなる方法」について徹底考察していきたいと思います。歌というものは誰もが身近に聞いたり歌ったりすることができるものですね。 そんな身近なものだからこそ歌が上手くなりたいと思ったことがあ ...

5

今回はミックスボイス(ミドルボイス)について書いていきたいと思います。『ミックスボイス』というものについて疑問を持っている人は多いと思います。そもそもなんなの?何がミックスボイスなの?自分の声はどうな ...

-声や歌について

Copyright© 【ミュートレグ】 , 2019 All Rights Reserved.