今回はポール・ロジャースさんの歌声について書いていきたいと思います。
ポール・ロジャースさんと言えば、世界的に有名なロックシンガーですね。「ローリングストーン誌の選ぶ史上最も偉大な100人のシンガー」にて55位です。
何と言ってもその圧倒的な歌声は素晴らしいですね。
「ザ・ヴォイス」の異名を持つ歌唱力です。
心掴まれている方も多いのではないでしょうか。
どういう声質・声の出し方か
地声・話し声は低めの音域で、深みのある鳴り系の声質
地声や話し声の音域は低めの音域です。
音域的に低めの音域帯の声帯を持っていますね。
声質は声帯がしっかりと鳴る鳴り系の声質です。息の流れもしっかりとあるので鳴り主体というよりもバランスのいい声質と言えますが、低い声の声帯は鳴りの成分を強く感じやすいですね。
鳴りの性質はザラザラとした倍音を持っています。
共鳴は咽頭共鳴(下方向への響き)主体です。
歌声はパワフルな発声を自在に操る
チェストボイス低中音域は地声。
声帯の鳴りと息の流れのバランスのいい声質をメインに歌っています。話し声の音域から考えると結構な高さまで地声が伸びています。声帯の柔軟性に富んでいるのでしょうね。
声帯を自然に鳴らしつつ息も綺麗に流すような発声で、話し声同様にザラっとした声帯の鳴りの倍音がありますね。
やや下方向へ響かせて、低めに鳴らすようなフレーズ。
上方向へバランスよく響かせることで柔らかさや明るさを持ったフレーズです↓
ミドルレンジ
中高音域(≒ミックスボイス)。
声帯に強い息の圧力をかけることでパワフルな発声を生み出しています。
基本的には声帯をしっかりと鳴らしつつ比較的太い喉の空間を保ちパワフルなくっきりとした芯のある声質です。かなり強い息の圧力をかけて声帯が若干割れるようなシャウト系の鳴り方をしている時もあります。
ハスキー気味に強く声帯を鳴らしたりもします。
どういう歌い方か
共鳴や音色
話し声では下方向(咽頭共鳴)にズドンと落ちるような深い響きを持っているのですが、歌声はそれをある程度保ちつつも上方向(鼻腔や軟口蓋)へ響かせています。
パワーのある声を上方向へ通すことで、力強さはあるがどこか澄んでいて明るい、そんな印象を生み出しているように感じます。
ビブラート
基本的にはあまりかけるタイプではなく、まっすぐにロックに歌うタイプです。
フレージング・歌い回し・歌唱力
歌い回しなどは大きな癖があるわけでもなく、オールラウンドに歌いこなしています。
一言で言えば「パワフルで美しい」という感じでしょうか。
この発声における相反するような言葉が共存しているような歌唱力だと言えるでしょう。
発声面はもちろんですが、圧倒的なピッチ感やリズム感が生み出す音楽的美しさをパワフルに表現することができる歌唱力を持っている方ですね。
どういう練習をすればポール・ロジャースさんのように歌えるか
ポール・ロジャースさんのように歌うには多くの音楽的要素が必要です。
そのぶん、多くの練習や訓練が必要となります。
しかし、要点やポイントを絞ることで近づく近道になるかもしれません。
ポール・ロジャースさんのように歌うポイント
ポイント
パワフルな発声を身につける
これが重要ですね。
では練習方法を書いていきたいと思います。
パワフルな発声を身につける
ポールロジャースさんは声帯の柔軟性に非常に優れており、パワフルな発声まで自在に歌っています。あれほどの声帯のコントロールを身につけるには多くの練習が必要でしょう。
まずは地声域で比較的高音を出せるように地声域を鍛えておきましょう。
地声域を鍛えるトレーニングは「ブッ」トレーニングが最適です。
バ行は声帯自体の閉鎖が入りにくい発音なので地声を鍛えるのにオススメです。
パワフルなミックスボイス、特に強い鳴りの発声や太い鳴りの発声を身につけるには「ネイ」「ヤイ」トレーニングやグッグトレーニングが最適です。
これらのトレーニングを活用して強い高音域を鍛えていくこといいでしょう。
音域を広げるトレーニングはすぐには結果がついてこないので焦らずにコツコツと取り組んでいくことが重要だと思います。
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