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雑学・研究・考察

高音ミックスボイスの使い手の歌唱力が衰える原因についての考察

更新日:

今回は『高音ミックスボイス使いの衰え』というテーマです。

この記事は

  • 歌が上手くなる人と歌が下手になる人
  • ミックスボイス使いの発声は衰えやすい
  • 衰える原因について
  • 高音ミックスボイス使いが辿る衰退の傾向

という内容です。

発声能力が成長する人と衰える人の不思議

不思議に思ったことはないでしょうか?

シンガーの中には

  • 年々総合的に歌が下手になっていく人
  • いつまでも変わらない・もしくは上手くなっていく人

の2種類のタイプがいる

ということについて。

 

音楽は表現なのであんまり「下手になる」とかいう表現を使いたくはないのですが、発声が不自由になるほど喉を悪くしているシンガーも多くいるのは事実です。

基本的に歌唱力というものは、練習すればするほどに成長するものだと考えられます。

 

なぜなら

歌の上手さというのは「発声能力」「音楽的感性」の二つが柱だからです。

  • 歌の上手さ=「発声能力」×「音楽的感性」

基本的にこの二つは磨けば磨くほどに成長するものです。

特に「音楽的感覚」は衰えるということはほとんどないでしょう。

「発声能力」に関しても基本的には成長するもの、もしくは維持できるもののはずなのです。

 

ところがこの「発声能力」という部分に問題が生まれてしまうためにプロのシンガー、特に高音ミックスボイス使いは歌唱力が衰えてしまうのだと考えられます。

 

当然無理をしすぎだとか、喉を酷使しすぎだとか、加齢だとか様々な理由で発声の質が悪くなっているというのもあるのでしょうが、個人的にはそれは間違ってはいないが核心ではないと感じています。

視点が少しズレていると思っています。

 

なぜなら同じように活躍しているプロシンガーの中でも質の高い発声を長く使い続けている人もいるわけですから。

 

なんなら質をより高めている人も多くいます。

50歳でも60歳でも、なんなら70歳でも。

 

この

  • 衰える人
  • 衰えない人

の差はどこから生まれるのかを考えますと、これは発声能力が「衰えていく」と言うより「偏っていく」ことが大きな原因と個人的には考えています。

 

ミックスボイス使いの発声は衰えやすい?

特にミックスボイスをメインで使いこなす(ミックスメインということは必然的に高音ミックスボイス使いになることが多い)人は普通の歌手に比べて喉を壊したり、発声の質が悪くなったりしているシンガーが多くいるように思います。

 

あなたの中にも思い当たるシンガーがいるかと思います。

 

よく、

「全盛期」なんて言い方をしますが、高音ミックスボイス使いの人は必ずと言っていいほどにその全盛期という言葉がつきまとっています。

全盛期と言うくらいだからほとんどの場合「過去は素晴らしかったけど、今は、、、」ということでしょう。

悲しいことに。

 

高音ミックスボイスを自在に使いこなすほどの声帯コントロールを有し、それにより圧倒的な歌声を作り上げていたシンガーほど衰えが目立ち、「全盛期、全盛期」と語られる傾向があります。

もちろんそこまでのレベルに至った方なので、一般的に聴けば断然上手いと感じるのでしょうが、全盛期との差は明らかです。

 

耳がいい人ほど音色の差や倍音の質や共鳴などの違いに気づくことでしょう。

もちろん熱狂的なファンであればあるほどなおさらに、ですね。

悲しいことですが。

 

何が原因なのか?

喉を壊す・酷使の問題?

高音を酷使することで出なくなっていくのだろうと普通は考えますよね。

確かに間違ってはいないと思いますし、酷使で喉を痛めてしまう人も当然います。

 

ですが、

酷使が全ての原因なら

  • 「回復すればもとに戻る」
  • 「ケアをしっかりとすればもとに戻る」

とも考えられませんか?

 

誰しも声が枯れた経験が一度や二度はあるでしょう。

しかし、その状態が何年も治らないと言う人はほとんどいないですよね。

人間には回復力があります。

大きく損傷しない限りはある程度もとに戻るはずです。

 

また、普通のシンガー(あまり高音ミックスボイスを使わないシンガー)は喉を壊してしまっても復活して変わらない歌声を届けてくれることの方が多い気がします。

ところが高音ミックスボイス使いの人たちは時が経つにつれて少しづつ発声能力が悪化していくのですね。

 

長期的に休んでも、改善する傾向があまりないことが多いのです。

 

加齢の問題?

これも当然あるでしょう。

やはり加齢により声帯は摩耗しますし、ベースとなる声帯の音域が変化します

 

ただ、

音域に関しては狭くなると思われがちですが、そうではなく正確には「声区がズレる」のだ思います。

当然ながら声区がズレれば、一番高い音は無理が生じることもあるかもしれませんが、一番低い音は伸びます。

そしたらキーをズラせばいいのです。

昔の高音は出なくなっても、キーをずらして魅力的に歌っているシンガーもたくさんいますね。

 

ところが高音ミックスボイスの使い手はキーもズラせないことが多いと考えられます。

なぜなら中音域の質が悪くなったり地声とミックスボイスが分離しているからです。

 

キーをずらしても上手く歌えなくなってしまうのだと考えられます。むしろキーを上げた方が歌いやすいなんてことも考えられます。

もう一つは「キーがどうこう」というファンの期待にできるだけ応えるのもあるのかもしれませんね。

 

声帯閉鎖(収縮・緊張)の過度な成長と声帯伸展能力の低下

  • 『声帯閉鎖(収縮・緊張)の過度な成長と声帯伸展能力の低下』

これが主な原因だと考えられます。

 

つまり高音ミックスボイス使いの人は衰えていると言うより半分は成長しているとも言えます。

 

しかし

  • 『成長することが原因で衰退してしまう能力があり、最終的には全てが衰えてしまったようになる』

と考えられます。

 

どういうことか?

まず、ミックスボイスをメインに使い続けることで声帯閉鎖(収縮・緊張)の能力が向上します。

声帯閉鎖の能力が向上するとミックスボイスを発声するために必要な声帯伸展の割合が少なくなります

どんどん声帯閉鎖に頼る割合が大きくなる(頼るのが上手くなる)と考えられます。

  • 「頼る」=「使っている」=「鍛えられる」

ので声帯閉鎖(収縮・緊張)は能力は向上します。

声帯伸展能力はどんどん必要なくなってくるので、この状態を続けていくとどうなるか想像はつきますよね?

 

声帯閉鎖の能力が向上すると言ってもその割合には限界があります。

そして頼られなくなった声帯伸展の能力だけがどんどん衰えていきます。

 

ある一定以上衰えると明確にミックスボイスの音色の質に影響が出てくるでしょう。

つまり声帯伸展能力が衰退することが原因で歌が下手になっていくのだと考えられます。

 

簡単にまとめると

  1. 『声帯を収縮する力』と『声帯を伸ばす力』の共存でミックスボイスが生まれる
  2. ミックスボイスばかり使っていると『声帯を収縮する力』にバランスが偏る
  3. 結果的に『声帯を伸ばす力』がじわじわと衰える

と考えられます。

 

そしてこうなってしまったら、高音ミックスボイスの練習をすればするほどに声の質を良くする道から遠ざかることになるのですね。

高音ミックスボイスを自在に使いこなすほどの偉大なシンガー達が練習しないわけないのです。

 

むしろ練習する人だからこそそこまで身につけたはずなのです。

おそらくかつての声を取り戻そうとものすごくトレーニングしているはずです。

 

ところが

声帯閉鎖と声帯伸展のバランスが重要なので、この場合高音ミックスの練習をすればするほど逆効果になるはずです。

これが高音ミックスボイス使いの人たちが発声的に衰えてしまい、なかなか声が戻ることのない大きな原因の一つだと考えられます。

 

高音ミックスボイス使いが辿る衰退の傾向

完成された高音ミックスボイスは他の追随をゆるさないほどに魅力的です。

魅力的であれば当然高音ミックスボイス使いの人はそれをたくさん使うことでしょうし、より高い音を出そうとするでしょう。

 

だって出せてしまうのですから(この段階では)。

 

魅力的だからこそ

求められるものになるはずですし、たくさん使ってしまうのですね。

これも衰退してしまう負のループですね。

ではどのように衰退していくのか?という点です。

 

ここで言う高音ミックスボイス使いとは「メインの発声(歌の大半)を高音ミックスボイスで発声し、かなりの高音域までミックスボイスを使いこなすことができるような人」です。

 

このようなシンガーは比較的以下のような道を辿ると考えられますし、実際にそうであることが多いように感じます。あくまで傾向としてですが、

 

  1. 中高音のミックスボイスの質が悪くなる
  2. 地声とミックスボイスが明らかに分離する
  3. 高音域の質が悪くなる

このような道をたどることが多いように思います。

個人的な予想というか感覚にすぎないのですが、だいたい5〜10年くらいをかけてじっくりと進行するように思います。

 

①中高音のミックスボイスの質が悪くなる

この段階では高い音域はいつも通りしっかりとした質があります。

なんならより質が良い高音であることもありえます(これも恐ろしい)

 

しかし、中音域の音色の質が少し悪くなる(ハリがなくなる、薄くなるなど)。

これのせいで少し調子悪いだけとかそんな風に考えてしまうこともあるのでしょうね。

 

②地声とミックスボイスが明らかに分離する

声区的に地声域とミックスボイス域の音色が分離します。

分離とは滑らかではなくなったり、明らかに判別しやすくなるということです。

 

中音域の音色の質もより悪くなるでしょう。

当然高音ミックスボイス使いなのでミックスボイス中心に歌うことを余儀無くされるでしょう。持ち歌は高音中心でしょうから。

 

③高音域の質が悪くなる

ここでようやく高音域の質が悪化します。

おそらく一番最後に悪化します。

 

ここが一番最後に悪化するので歌声が取り戻せなくなったりすることもあるのでしょうね。

音としては出せるのですが、明らかに質が悪くなります。結果的に高音もキツくなります。

このような流れの衰退を数年かけてゆっくりと進行していくように感じます。もしくは一気に急速に進行する人もいるでしょう。

 

結論

高音ミックスボイス使いは

高音ミックスボイスを使い続けることによる発声の筋肉のバランスの崩れが大きいことによって衰える

と考えられます。

 

ということは

『バランスを崩さないように意識すれば長くミックスボイスを使い続けられる』

と考えることができますね。

多分そうでしょうし、長く使い続けて長年維持しているシンガーはこれがしっかりとしているのだと考えられます。

 

まぁとは言え、そもそも月に何回かカラオケで歌う程度ではそこまで意識すべきことでもないでしょう。

もっと言えば、ミックスボイスの時代は終わりつつあるとも思いますので、頑張って身につけなくてもいいかなぁとか思います。

 

 

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