歌の雑学・研究・考察

低い声の人のミックスボイスは強く鳴りやすい

投稿日:2019年12月10日 更新日:

今回は「もっている声帯の音域」と「ミックスボイスの音色」についての内容です。

多くのシンガーの歌声を分析して改めて思うことなのですが、持っている声帯によってミックスボイスの音色はある程度の傾向があるということです。

 

もちろん当たり前と言えば当たり前ですね。また、一括りにミックスボイスと言ってもその中で様々な発声法があるので行き着くところは「一概には言えない」となってしまうのですが、、、、。

 

あくまで傾向として

「低い声帯を持っている人のミックスボイスは強く鳴りやすい」

という傾向があります。

 

あくまで傾向ですが、高い声帯を持っている人と比較するとこう言えます。

今回はそんな「持っている声帯の音域とミックスボイスについて」です。

低い声帯を持っている人のミックスボイスは強く鳴りやすい

持っている声帯とミックスボイスの傾向は大きくは男性も女性も変わらないのですが、冒頭で書いたように『低い声帯ほど強く鳴りやすい傾向』があります。

 

強く鳴りやすい』とは言い換えると、『くっきりとした芯を持った音色になりやすい』ということです。

もちろん様々なミックスボイスのニュアンスや出し方があるので、一概には言えませんが柔らかくても硬くてもとにかく鳴りの芯を持ちやすいです。

 

だからと言って高い声帯を持っている人が細くて弱いと言っているわけではないのです。

 

ただ、

もし同じような発声法でミックスボイスを発声した場合、低い声帯を持っている人の方が強く芯のある音色が鳴る可能性が高いです。

 

理由は『声帯の大きさ(長さ)の違い』によるものでしょう。

声が高い低いというのは声帯の長さの違いが生み出しています。

 

これは身長が人それぞれ違うように、個人個人違います。

例えば、この声帯を仮にゴムのようなものだと考えます(実際にはもっと複雑なのですが、ゴムのように考えても特に損はない気がしますし、わかりやすいので。)

 

そしてこのゴムを弾くと音が鳴りますね。

当然長い方が低い音、短い方が高い音になります。

ここでミックスボイスの話に入るのですが、ミックスボイス系の発声は声帯伸展系の筋肉も使うのですが、声帯収縮系の筋肉なくして実現しません。

 

というより両方が共存して拮抗させなければ「ミックスボイス」と定義できない気がします。

まぁこれはここでは置いておきます。

 

また、声帯収縮にも2種類の目的があると考えられ、単純に声帯を縮めて音程を下げるのと声帯自体を硬くして音程を高めるような二つの作用が考えられます。

今回はそのうちの硬くなる方のお話です。

 

声帯伸展系の動きを全く無視して声帯収縮系の動きのみで音程調律が行われると仮定すると、

先ほどの図で例えば左が「ド」の音、右が「ミ」の音とします。

左の声帯が声帯筋などの収縮のみで音程を調整するとすれば、

このように低い人の声帯は収縮してミになります。

この時、声帯は元ある形から収縮・緊張しているので高い人に比べると硬く芯を持ちます

 

つまり

低い声帯持っている人は高音を発声するために必要な声帯収縮の割合が多いので必然的に強い鳴り・芯のある鳴りになりやすいのではないかと考えます。

 

しかし、実際には音程の調整は声帯伸展も含む複合的な動きで行われます。

 

なのでそこまでシンプルな話ではないですが、ここでは単純に考えましょう。

なぜミックスボイスに限定している?

疑問に思った方もいるでしょう。「ミックスボイスに限らず地声やファルセットも同じような傾向にあるのでは?」と思いますよね。

傾向としてはそうかもしれませんが、実はこれは『ミックスボイスだからこそ』というところも大きいです。

 

地声域は

なぜなら、地声域は強い鳴りも弱い鳴りもコントロールしやすいです。

薄い声帯の使い方から、芯のある声帯の使い方まで基本的には思いのままにコントロールできます。

なぜなら声帯伸展も声帯収縮も自由自在な状態の発声だからです。

 

ファルセットは

ファルセットは声帯収縮系の筋肉がほぼ働かず、声帯伸展系の筋肉によって薄く声帯が引き伸ばされます。

音色が限定的すぎて声帯による細かい違いはもちろんあるのでしょうが、大きくは誰しもが同じような音色になります。

 

ミックスボイスは

ミックスボイスは地声の声帯伸展の限界を迎え、声帯収縮と両立させるということを実現させなければいけないので、声が低い人はこの『声帯伸展の限界を迎える』段階が早く来るので、早い段階から声帯収縮を必要とします。

そして声帯収縮の必要性の分だけ、芯を持った発声になります。

 

ポップスの音域帯がそう印象付けている?

ポップス、特にJーPOPは同じような音域帯で歌う傾向があります。

統計を取ったわけでもないので、あくまで個人的な感覚ですが、持っている声帯が低い人も高い人も同じような音域帯で歌っていることが多いように思います。

そうすると使う声区の割合がズレます。

少し極端に表現しましたが、このように低い人はミックスボイス主体の発声になるのですね。なのでシンプルに芯を持った強い鳴りの発声の印象を多く受けやすいということもあると思います。

 

もちろんソロシンガーなら自分の好きなように歌えるのでしょうが、グループなどだとどうしてもこうなりますね。

本来は声が高い人は高い人なりの強い芯を持ったミックスボイスを作れるのですが、低い人と比べるとかなり高い音域帯でしかそれを作れません。

 

しかし、ポップスは同じような音域帯で歌う傾向がある。結果的にそこまでの高音を使う機会が少ないので、声が高い人は地声を使ってさらりとした音色になる傾向があります。

あくまで傾向のお話で、自分の音域で自在に3声区使っているシンガーも多くいます。

 

ただ、

声が高い人が強く鳴らせるミックスボイスの音階まで強い鳴りのミックスボイスままあげることができる声が低い人もいます。

この場合、声が低い人の発声は声帯収縮がかなり強く働いていますので、強烈に芯のある強い鳴りになります。

つまりどこまでいっても低い声の人はある意味では強い鳴りや芯に恵まれているわけです。ただ、その分だけ必要な努力も多く大変でもあるとは思います。

 

 

-歌の雑学・研究・考察

Copyright© 【ミュートレグ】 , 2020 All Rights Reserved.