今回は『低い声の人が高い声を出す方法』についてです。
この記事は
- 低い声の人は高い声を出せるのか?
- 声が低いのに魅力的な高音を出せるシンガーもいる
- 低い声の人が高い声を出す方法
についてです。
低い声の人は高い声を出せるのか?
そもそも声が低い人は練習や訓練で高い声が出せるのか?という問題があります。
おそらくみなさんが求めているのは、『裏声じゃない強い高い地声/ミックスボイス』でしょうからその前提で話を進めます。
*『ミックスボイス』という名称の議論はここではしません。地声もしくはミックスボイスと考えましょう。
これはかなり難しい問題ですが、簡単に結論から言うと
- 高い声は練習や訓練で出せるようになる
と言えるでしょう。
しかし、残念なことにもう一つ揺るがない事実があると思います。
それは
- 魅力的に歌える音域は自分が持っている声帯による
ということです。
つまり、
低い声の人が高い声を出せるのか?と言われれば
- 出せるか出せないかで言えば『出せる』
でも、
- 魅力的か魅力的でないかと言えば『魅力的でない可能性も大いにある』
と考えられます。
出せるか出せないかで言えば『出せる』でしょう
現状、声が低くても練習すれば高い声は出せるようになるでしょう。
低い声を持っている人でも高い声は出せるはずです。
男性でも女性でも(理屈的にもそうですし、無駄にいろいろなアーティストの話し声と歌声を研究し続けた僕が保証します。笑)
もちろん声が低い分練習するのが大変でしょうが、音程としては出せるようになるでしょうし、あなたが好きな高音シンガーの歌もよほど高い曲でなければ歌えるようになるはずです。
誰もがカラオケで楽しめるくらいの高音であれば出せるようにはなると思います。
つまり『高い声は練習や訓練で出せるようになる』とは言えます。
ただ問題なのが、
- 「出せる=魅力的」とは限らない
ということです。
魅力的か魅力的でないかと言えば『魅力的でない可能性も大いにある』
これは非常に重要なのですが、
結局、
- 『自分が持っている声帯には逆らえない』
- 『逆らわない方が確率的には魅力的である可能性が非常に高い』
と考えられます。
低い声を持っている人は低い声が出しやすいですし、高い声を持っている人は高い声が出しやすいのです。
これは揺るがない事実。
もし低い声の人と高い声の人がそれ以外全く同じ条件だとして、同じ練習を同じ量だけした場合、どちらの方が高い声にたどり着くのが早いでしょう?
答えは言われずともという感じですね。
- 高い声の人が圧倒的に有利
に決まっています。
もはや高い声の人にとって「低い人が思う高い声」は高い声のうちに入らないかもしれないとも考えられます。
悲しい現実ですね。
ということは当然努力すべき量が変わってきます。
努力で出せるようになっても常に頑張っている量が違います。
低い声を持っている人がいくら頑張ろうとも、同じくらい高い声を持っている人が頑張ったらもう勝てませんね。
なので、プロのように人を感動させる歌が歌いたい場合は基本的に自分の持っている声帯の音域には逆らわない方がいいと考えるのが普通でしょうし、ほとんどのプロシンガーは自分の音域で歌っています。
高い≠上手いのだが、、
『高い声が出せる=歌が上手い』ではないです。
言われなくてもわかりますよね。
ところが悲しいことに未だ日本では高い声が評価されがちな傾向です。特に男性はその傾向です。
どこがスタートかはわかりませんが、
- 高い声が評価される→高い曲が増える→高い声が出せないと歌えない→みんなが高い声を求める→「高い声=上手い」と思い込む→高い声が評価される
みたいなカラオケ大国ならではの謎の悪循環構造があるような、、、。
カラオケで苦しんでいる人も多いのでは?
ぜひキーを下げてください。一発で解決します。笑
個人的にはきっともうすぐ高音至上主義は終わると予想しています(あくまで予想ですが、洋楽はもう終わってると思います。)
「低い声」の人はもう少しの辛抱かもしれません(保証はできませんが。笑)
声が低いのに魅力的な高音を出せる人もいる
しかし、声が低いのに魅力的な高音で歌うシンガーもいますね。
これは色々考えられますが、
- 圧倒的な努力量・練習量
- 自分の持っている音域に逆らえる工夫
などが考えられます。
圧倒的な努力量・練習量
先ほど言いました、声が高い人たちとの『距離』を圧倒的に縮めるほどの練習量があれば魅力的な高音は可能と考えられますよね。
もともと持っている声が低いというハンデを覆すほどの練習や努力をしたということですね。
もしくはそれを可能にするほどの成長しやすい喉であったか。
もしそうであれば「才能」というほかないですね。
自分の持っている音域に逆らえる工夫
低い声を持っていて、高い魅力的な発声をするシンガーって、歌い方のクセが強いことが多いです。
思い当たる節はありませんか?
一聴しただけでわかるような個性的な高音を発するシンガーってもともと低い声を持っていることが多いように思います。
これは大きなヒントですね。
おそらく「そのクセこそがその人にとって魅力的な高音を発声できる状態を作り出している」のだと考えられます。
逆に言えばそのクセがないと魅力的な高音にはならない可能性もありますね。
これは決まった法則というよりもその人の体格・骨格・喉・声帯にあった歌唱法・発声方法なのでしょう。
つまり工夫して高音発声を可能にしている?
低い声の人が高い声を出す方法
以上のようなことから低い声の人が高い声を出す方法は
- 自分の持っている声帯と目標のシンガーの声帯を比べる
- 目標のシンガーのクセを真似てみる
- ボイストレーニングで声帯を鍛える
この3つが重要だと考えられます。
①自分の持っている声帯と目標のシンガーの声帯を比べる
まずは自分の普段の話し声を録音して、目標のシンガーの普段の話し声と比べてどうなのかを研究しましょう。
非常に重要なことなのですが、
『そのシンガーの歌声はそのシンガーの声帯あってのもの』
です。
同じくらいの音域を持っているのならそのシンガーと同じような高音を出せる可能性がありますが、あまりにかけ離れている場合は諦めた方が楽な場合も多いです。
それをしっかりと見極めましょう。
また、声質なども大きく落差があるとどうしてもその発声ができないということは普通にありえます。
なのでこの見極め、時には諦めも肝心です。
高い声帯を持っているシンガー
こちらの方々は持っている声帯が高めの音域です。
歌声も高いですが、話し声からある程度高いんです。
おそらく低い声を持っている人は同じようには歌えないでしょう。もちろん音域的な面では練習すれば歌えるようになるかもしれません。
ただ、魅力的にはならない可能性の方が高いです。少なくとも同じような表現はできないでしょう。
なぜなら『声区がズレる』から。
諦めから生まれる魅力もあるでしょう。
すごく大事なことですが、
もしもあなたの大好きなシンガーがあなたの声帯を持った場合、おそらく違う方法で違う魅力のある歌声を作り上げるはずです。
大事なのは持っているものを最大限活かすこと。
諦めきれない場合
やはり、話し声の落差が大きい場合諦めるのも肝心です。
それでもどうしても高音を出したい場合は自分と同じくらいの音域の低い話し声を持っている高音シンガーを探しましょう。
必ずいるはずです。
そしてそのシンガーの歌い方や声の出し方にはヒントがあるはずです。
②目標のシンガーのクセを真似てみる
ヒントを見つけたら目標シンガーのクセを真似してみることが重要です。
色々なヒントやクセがあるでしょうから、それをしっかりと見抜いて真似してみましょう。
例えば
- 下顎に力が入っているようなクセ
- 鼻に抜けるようなクセ
などほんの一例ですが、色々あると思います。
その音色の出し方のクセは魅力的な高音発声を可能にする鍵かもしれません。
これは自分で色々試してみることが重要ですね。
③ボイストレーニングで鍛える
声が低い人が高音域を開発していくのは結構大変です。
声帯の脱力を促しながら高音域を開発していくような練習方法になるでしょう。
初心者はリップロールや「ネイ」「ヤイ」トレーニングで開発していくようなトレーニングがオススメです。
無理やりかつゆっくりコツコツと高音域を開発していくことになるでしょう。