ハスキーボイスは記事『ハスキーボイスになる方法はある?』でも書いている通り、
- ハスキーな人はずっとハスキーボイス。
- 普通な声の人は基本的にハスキーボイスにはなれない。
と考えられます。
*もちろん例外もあるでしょうが、基本的には持って生まれた声質は変えられない。
今回はそんな中でも少し特殊な
- 『低中音域は普通だけど、”強い中高音域だけ際立って”ハスキーな成分が現れる人』
という声質を持つ人に焦点を当てます。
高音域だけハスキー成分が強く出てくる
例えば、こんな感じ(*サビに入るとハスキー成分が強く出てくる)↓
強く鳴らすほどにハスキーな成分が強く出て、それ以外のフレーズはそこまでハスキーな成分が出ないのが特徴↓
すごくわかりやすい↓
なんだか女性シンガーばかりになってしまいましたが、男性も同じです(でも、よく考えると女性の方が多い気もしますね。これは要研究ですね。)
こういう人たちの特徴は、
- 話し声(持っている声帯)はハスキーではないけど、歌声の中の特に中高音域にハスキーな成分が強く出やすい
ということです。
こういう人たちの歌唱を見ると、練習でどうにかなりそうとか、何か特殊な方法でハスキーな発声をしているとか考えてしまいます。
でも、これって結局、
- 話し声(持っている声帯)は普通の声に聴こえやすいだけで、よく聴けば”ほんのりハスキー”な成分を持っている
というのが正解でしょう。
つまり、
- 『ほんのりハスキーボイス』
- 『隠れハスキーボイス』
という声質をもともと持っている。
つまり、
- 典型的な普通の声
- 典型的なハスキーボイス
の中間に位置するような声質なので、どっちつかずに捉えられやすいですし、普通に話すときや静かに歌うフレーズではハスキーな成分が出にくい。
中高音域だけハスキー成分が出やすい理由
強く鳴らす中高音域って、
- 声帯が伸展している(伸びている)
- 声帯に強い息の圧力がかかっている
というのが基本的でしょう。
ハスキーボイスは
- 声帯の不完全な閉鎖が生み出す不規則なノイズの成分
が核なので、
- 「声帯が伸びる」「強い息の圧力がかかる」という条件により、声帯の不完全な閉鎖振動の条件を発動しやすくなる
だから、強く鳴らす中高音でハスキーな成分が強く出るという理屈でしょう。
どうすればできるのか?
やっぱり、基本的に狙ってできない。
『ほんのりハスキー』という中間的な声質を持った人たちの特権と考えるべきでしょう。
もちろん絶対に不可能とは思っていません。
が、普通の声質を持っている人がハスキーな成分を手に入れるのは、かなり継続的な喉(声帯)の破壊が必要だと思います。
これって意図的にやるのはかなりしんどいでしょう。
人間って意外と回復力(元の形に戻ろうとする力)がありますから。
俗に言う「スナックのママのような声」「酒灼けの声」みたいなハスキーボイスは毎日毎日お酒を飲みながら大声で話すことで手に入れられるものでしょう。
今回のまとめ
- 中高音域だけハスキーな成分が出るシンガーは『ほんのりハスキー』という声質を持っている。
- 中高音域だけハスキーな成分が出る理由は、『声帯伸展』と『息の圧力』によって声帯振動の安定感が弱まり、不規則な声帯振動によってノイズ成分が強く出やすい状態になると考えられるから。
ということです。
ではまた。