歌唱力アップ

ボイトレには大きく二つの方向性がある【取捨選択の重要性】

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ボイトレの目的には大きく分けて二つの方向性があると思います。

そしてその二つの道は直線として繋がらない可能性があるので、そういう点を考慮してトレーニングすべきだろうというお話です。

二つの方向性とは

わかりやすい表現をすれば、

  1. プロレベルの歌唱力を得る道(本格派)
  2. カラオケスターの歌唱力を得る道(娯楽派)

この二つです。

「え?同じ直線上の道じゃないの?」と思うでしょう。

僕も昔はそう思っていたんですが。

 

しかし、実は全く違う道と考えたほうがいいと思われます。

  1. 『人を魅了するような歌・アカペラで歌えば楽器のように聞こえる声・感動させる歌唱力』みたいなものを手にする道を”プロの道”
  2. 『自分が気持ちよく歌える・どんな歌でも低音から高音まで自由に歌える』みたいな道が”カラオケスターの道”

とでもしましょう。

 

そうすると、普通はこう考える。

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段階的な過程を踏み、一本の道になっていると。

 

確かにこういう場合もありうるとは思います。

ただ、初心者から歌の練習を真剣に始めていったときにこういう辿り方をする人はそう多くはないでしょう。

 

実際は

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このように最初から”道は分岐していると考えた方が、自分に合うニーズを捉えられるし、目標への到達が早まると考えられます。

 

なぜこのようなことが起こるのかというと、この二つの道は

  1. 優先すべきことが違う
  2. 常識が違う

と考えられるからです。

 

①優先すべきことの違い

これはわかりやすく言えば、

  1. 自分が気持ちよくなりたいのか(カラオケ)
  2. 聴き手を気持ちよくしたいのか(プロ)

という目的の違いが優先すべきことの違いを生み出します。

 

【自分が気持ちよくなるためには】

  • 低音域から高音域まで自由に歌える
  • あのシンガーと同じように歌える
  • 色々な曲を不自由なく歌える

みたいな感じかと。

 

【聴き手が気持ちよくなるためには】

  • 自分が魅力的に歌える範囲の音域を極める
  • 自分の喉に合う音色の発声を見つける
  • 基本的に自分の曲だけ歌えればいい

みたいなことになるかと考えられます。

 

このように自己満足を焦点に置くのか、他人の満足を自分の喜びにするのか、によって優先すべきことが変わってくるでしょう。

 

*もしかしたらカラオケスターへの道が悪い道のように思う人もいるかもしれませんが、歌の楽しみ方は人それぞれ違っていいのでどちらが良いとか悪いとかは一切ありません。ここで言いたいのは「しっかりと区別すべきだろう」ということです。

②常識の違い

優先すべきことが変わってくると、必然的に常識が変わってきます。

 

【カラオケスターの常識】

  • 高音は鍛えればどこまででも出る
  • 声質や声色は努力次第で変えられる
  • 鍛えればあのシンガーのように歌える

みたいな感じでしょう。

 

【プロの常識】

  • 自分のもともと持っている声帯の音域からは逃れられない(例*魅力的な高い声はどこまでも出ない。など)
  • 声質や声色は変えるよりも最大限活かした方が魅力的
  • 自分だけの持ち味を生かさなければ魅力的にはならない

みたいな感じでしょう。

 

まぁざっと書き上げてみましたが、大分違いますよね。

 

「制約を受け入れる道」と「ドリーマーの道」

この二つの方向性をざっくりとまとめると、

こんな感じになるかと。

 

要は、

  1. 誰かに近づける道を選ぶのか(十中八九超えることはない)
  2. 自分を最大限活かす道を選ぶのか

という違いでしょう。

 

プロシンガーって「制約を受け入れた分だけ強い(魅力的)」です。

まさに『制約と誓約』ですよ(わかる人はわかる)。

 

逆にカラオケスターへの道はある種の『ドリーマーの道』なので、基本的に「練習すればどこまでも行ける」的な感じです。

 

まぁ確かに、

  • 練習すればどこまでも高音は出せる
  • 声質や声色も努力次第で変えられる

かもしれませんし、それを否定はしません。

が、全部に(*ただし魅力度は考慮に入れない)という言葉を付け加えるべきだと思います。

 

まぁつまり、制約を受け入れてない分だけ、弱い(魅力的でない)んです。

もともと持っているものを活かした人(長所を伸ばした人)と持っているものに逆らった人(短所を埋めようとした人)のどちらが優れているかなんて、言わずもがなですね。

 

ある意味では器用貧乏みたいな感じになると思います。

 

カラオケスター↓

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プロシンガー↓

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まぁ適当ですが、こんな感じでしょう。

 

こういう図で表現してしまうと、「努力量でカバーすればいいのでは?」と思うでしょうが、まさにその考えこそが『ドリーマー』と考えるべきかと。

 

考え方として、

  • ある項目を削るとある項目の上限が伸びる

と考えるべきなのでしょう。

  • 削る項目は『自分の声帯に合わないもの』
  • 伸びる項目は『魅力度・質』

です。

 

まぁこれは歌に限らずスポーツでもなんでもそうですよね。

自分に合ったものを最大限活かした人が強い。

道が違えば練習が違う

これがかなり大事なのですが、

  • 道が違うと『取るべき練習方法・効果のある練習』が変わってくる

のです。

 

つまり、

  1. 本格派用(プロ用)のトレーニング
  2. 娯楽派用(カラオケ用)のトレーニング

がある。

 

具体的に何が違うかと言うと、

  • コツコツ長期的な時間がかかるが、確実に魅力的な質を積み上げるトレーニング
  • 比較的早く効果を実感できるが、後半失速する(いつまでも魅力的にならない)トレーニング

のような違いがある。

もちろん一概には言えないことではあるのですが、これがあるんですよ。不思議なことに。

長期的に描く成長曲線が全然違うんです。

これによって例えば、

  1. 手っ取り早くカラオケを楽しみたい人にとっては「本格派用のトレーニング」は効果がないトレーニングに思える
  2. プロのように歌いたい人にとっては「娯楽用のトレーニング」は効果がないトレーニングに思える

というように『効果』という概念すらニーズによって変わってくるのです。

 

もちろんニーズは人それぞれで、みんながみんなプロのように歌いたいわけではないので、このニーズ違いはあっていいんです。

 

カラオケスターになりたい初心者が歌を始める場合は、

  • 発声の質にあまりこだわらず、自由に低音から高音まで歌えるようになるための練習

をすべきですし、それをすることが最短のルートだと思います。

 

プロのように歌いたい初心者が歌を始める場合は、

  • 発声の質にこだわって練習しなければいけないので、コツコツとした道になりすぐに歌いたい歌は歌えない・もしくはその曲を歌うのはキーが合ってないので諦めたり、自分に合うキーに設定し直したり、なんてことも必要になる

と思います。

場合によっては全然楽しい道ではないでしょう。

ただし、訓練を続ければ発声の質を正しく保ち、人の心を掴む歌が歌えることでしょうし、アカペラで歌っても楽器のように美しく鳴るのでしょう。

 

「ってことは、途中から本格派用のトレーニングに切り替えれば良いんじゃない?」

って思いますよね。

これが不思議なことに上手くつながらないことの方が多いのです。娯楽派用のトレーニングは本格派にとっては『害』『悪い癖』みたいな可能性が高いんです。

切り替えるのなら限りなく最初の方からやり直すことになる人がほとんどでしょう(*もちろん一概には言えません)。

世のボイトレにはこの2種類の目的がごちゃごちゃになっている

よく言う、

  • 『〇〇は間違っている』
  • 『正しい〇〇』

とかありますよね。

 

ああいうのって効果の面での正しいや間違いもあるとは思うのですが、今回のお話である『道の違い』による正しいや間違いもあると考えています。

 

つまり、

  • プロのように歌いたければ間違いの情報でも、自由に歌えるようになりたければ正しい情報とも言えることもあるし、その逆もあるということ

でしょう。

  • 『目標の違いが生み出す情報の正誤』

ですね。

 

例えば『リップロール』とかはそうかもしれませんね。

リップロールは自由に歌えるようになるには非常に有効ですが、感動や質を求める人は取扱い注意(ダメとは言ってない)トレーニングだと個人的には思っています。

 

もちろん逆のようなトレーニングもあるでしょう。

ただ自由に歌いたいだけの人に「倍音がないよ。発声の質が悪いよ。まずは基礎からしっかり固めるトレーニングだ。」みたいなのってニーズを捉えてないですよね。

 

その人はきっとこう思うはずです。

「この練習全然効果出ないじゃん=間違ったトレーニングだ」

と。

実際はそうではなく、長期的に継続すると最終的には魅力的な歌声へとつながるトレーニングなのかもしれません。

 

これってボイトレ教室の商売構造的「ジレンマ」の部分にもつながるお話ですね。

 

このように世に溢れているボイストレーニング情報はこの『道の違い・目標の違い・ニーズの違い』がごちゃ混ぜになっています。

このサイトも例外ではありません。笑

なので、この目指す道の違いによる情報の良し悪しを見極める力も時には必要でしょう。

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