歌の雑学・研究・考察

一番いい響きがする発声の音階は人それぞれ決まっている

投稿日:2020年12月29日 更新日:

今回は歌における『一番美味しい音』『一番当たりの音』と言われるものについてです。

これは簡単に言えば、

  • その人にとっての『一番最高の音色が鳴る音階』『一番いい響きの音階』

という意味です。今回は主に地声に焦点を当てます。

『一番美味しい音』とは

人間の歌の音域は必ず地声の低音域〜高音域、裏声の低音域〜高音域が存在します。

それぞれの音域帯にはそれぞれの音色の良さがあるのですが、特に『地声の中高音』あたりの発声のことを「一番美味しい音」「一番当たりの音」「一番いい響きが鳴る音」という風に言うことが多いです。

例えばこういう発声(*再生位置2:03〜)↓

このように上でも下でもなく「その音程がベストだ」と言えるような最高の声の響き方をする音階のことです。

 

(*再生位置0:52〜『フォエヴァー』の『ヴァー』0:59〜「ワァ〜ン』)↓

 

もしかしたら、転調後『2:52〜』の発声の方を”一番”と捉える人もいるでしょう。

しかし、『2:52〜』の発声は一番当たりの位置をほんの少し通り過ぎたくらいの音階とも捉えられそうです。まぁどちらも最高の音色なので、甲乙つけがたいところではあります。

どちらにしても問題はないですが、ここで大事なのは『一番美味しい音』は、

  • 地声の限界の音(最高音)ではない

ということ。

つまる、最高音よりも手前の音になるというのが大事なポイントです。

 

最高音というのはある意味限界ギリギリの音。ギリギリ付近の音よりも少し余裕を持った音の方がいい音色が鳴るのはある意味当たり前ですね。

 

一流ボーカリストの方々も自分の『一番美味しい音』を完璧に把握しています(*9:25〜11:15くらいまで)↓

重要な部分を簡単に抜粋すると、

  • 福山さん「一番稲葉さん的に歌の響きがいいところ(音程)は?」
  • 稲葉さん「Gくらい(G3)」
  • 福山さん「B(B4は歌として使えるんですか?」
  • 稲葉さん「B(B4)は歌にもよく出てくる。でも高けりゃいいってもんでもないので。その人の一番響くところで。僕もB(B4)が一番出しやすいところではない。」

このように一番響きのいい音階というのはある程度決まっていてそれは最高音に近づけば近づくほどにいいというわけではないのですね。

 

この”一番美味しい音”は歌はもちろん、ギターでもピアノでもどんな楽器でも同じように存在します。

さらに言えば同じ楽器でも個体差によって一番美味しい音階が違ったりします。

 

そして、同じように人の声も『一番美味しい音』の位置は人それぞれ違います。

この位置は”自分の持っている声帯”によって決まっている

この一番美味しい音色の音階の位置は人それぞれ決まっていて、基本的にいくら努力しても逆らえないと考えられます。

 

基本的には自分の持っている声帯の音域に従っている↓

このように、

  • 低い声帯の当たりの位置は低い
  • 高い声帯の当たりの位置は高い

というのが基本です。

 

持っている声帯が高いシンガーは相対的に高い位置(音階)に最高の当たりがある↓

持っている声帯が低いシンガーは相対的に低い位置に最高の当たりがある↓

女性も同じで、高い声帯を持つ人は当たりの位置が高い↓

低い声帯を持つ人は低い↓

こんな感じで、地声域の最高の当たりの位置・音程は人それぞれ違います。

でもそれぞれが最高の質の音色ですね。そして一流シンガーは歌の中の聴かせどころに自分の一番最高な音を持ってくることで、最高の歌を作り上げています。

一番美味しい音の見つけ方

まず、この位置は男性と女性で若干傾向が違います。

  • 男性は自然な最低音から1.5〜2オクターブ目あたり
  • 女性は自然な最低音から1.25〜1.5オクターブ目あたり

にあることが多いです(*あくまでも目安)。

自然な最低音

自分が出せる限界ギリギリの最低音ではなく、「自然に楽に出せる最低音」「歌に使えるくらいの最低音」。息っぽく出せる最低音で確かめるとわかりやすいかと。*これもあくまでも目安のお話です。

 

人の音域は一般的に

  • 男性が2.5〜3オクターブ
  • 女性が2〜2.5オクターブ

くらいという風に性別によって音域の広さの傾向が若干違います(*もちろん個人差がある)。

なのでそれに合わせて一番美味しい音の位置も変化します。

 

ただし、これらはあくまでも目安であって結局は人それぞれ違います。

なので、自分自身で一番最適な位置を探すことが大事でしょう。

『声帯のタイプ』と『魅力的な音域』の関係性について

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