歌の雑学・研究・考察

一番当たりのいい発声の音階は人それぞれ決まっている

更新日:

今回は『一番当たりのいい”地声の中高音発声”』について。

よく言う『その人の一番美味しい音』みたいなやつについてです。

 

この一番当たりのいいとは文字通り、

  • 『一番”音の当たり”がいい』

つまり、

  • 『一番最高の音色(その人にとって)』

という意味です。

一番当たりのいい音

こんな感じ(*再生位置『フォエヴァー』の『ヴァー』)↓

心地よい倍音成分も非常に多く含んだまま、中高音域を発しています。

もしかしたら、転調前『0:52〜』の発声の方が”一番”なのかもしれません。まぁどちらも抜群の音色なので、その付近の音階に最高の当たりがあると考えられます。

 

こんな感じ(*再生位置)↓

美しい発声の質を最大限保った(倍音を最大限含んだ)中高音発声は人の心を揺さぶりますね。

 

この『一番当たりのいい音域』とは言い換えると、

  • 地声域において『発声の美しさ(質・倍音)を最大限保つこと』と『高音』という両方をギリギリまで総取りした発声である

とも考えられます。

こういう音を「一番美味しい音」とか言ったりしますね。

 

この”一番美味しい音”はギターでもピアノでもどんな楽器でも同じように存在します。

さらに言えば同じギターでもギブソンとテイラーでは一番美味しい音階が違ったりします。つまり同種の楽器にも個体差がある。

 

同じように人の声にも『一番あたりのいい音』『一番美味しい音』の位置は存在します

 

まぁ『発声の美味しさ』にも色々あって、『低音域には低音域の美味しさ』『ファルセットにはファルセットの美味しさ』がありますが、あくまで今回は『地声中高音域における美味しさ』のお話。

 

この位置は”自分の持っている声帯”によって決まっている

こういう一番当たりのいい位置・最高の音色の音階は人それぞれ決まっていて、基本的にいくら努力しても逆らえないと考えられます。

 

決まっているとは言っても”一音だけ”というわけではないのですが、”ほんの数音くらいの範囲”でしょう。

そしてそれは基本的に自分の持っている声帯の音域に従っていると考えられます↓

無題1591

簡単に言えば、

  • 低い声帯の当たりの位置は低い
  • 高い声帯の当たりの位置は高い

また、この当たりの位置は

  • 男性は自分の自然な最低音から2オクターブ目付近にある
  • 女性は自分の自然な最低音から1.5オクターブ目付近にある

ことが多いと考えられます。

 

*これはあくまで傾向のお話ですし、『付近』というざっくりとした目安です。確実に個人差はありますし、国や人種によっても差があると思います(例えば、海外の女性は声が低い傾向にあるので、男性同様に2オクターブ目付近になったりするなど。比較的低い声帯ほど最低音から当たりの位置が離れ、高い声帯ほど当たりの位置が近づくという面白い傾向がある。)

 

これはあくまで目安ですので自分の位置を見つけてほしいのですが、確実に言えるのは『誰もがその位置は決まっている』ということ

そしてそれには『逆らえない』。

 

まぁ僕が言っても説得力がないでしょうから、スーパーボーカリスト達の貴重なお話をどうぞ(*9:25〜11:15くらいまで)↓

一流のシンガーは自分の当たりを完璧に把握していますね。

 

もちろん、その最適な位置に逆らってもいいとは思います。

これに逆らう発声、つまり一番の当たりの位置を通り過ぎた高音発声もできるのですが、魅力的かどうかで言うとかなりの高確率で魅力的でなくなるでしょう。

 

*ただし、『ハードロック・メタル』などの発声においては一概に言えないこともある。ある意味では当たりの位置を無理やり通り過ぎる発声をたくさんするジャンルでしょう。ただ、『魅力を測る定規』が変則的なジャンルですし、”高音のみに特化”することが必要になる。これについてはここでは置いておきます。

 

とにかく当たりの位置は人それぞれの声帯によって決まっていて、そこが一番魅力的な音階で、それには逆らえない(逆らわない方が魅力的)。

 

プロのシンガーの人達も人それぞれ歌っている音域が違うから、まぁ当たり前と言えば当たり前ですし、「言われなくてもわかるよ」という人も当然いるでしょう。

 

持っている声帯が高いシンガーは相対的に高い位置(音階)に最高の当たりがある↓

持っている声帯が低いシンガーは相対的に低い位置に最高の当たりがある↓

女性も同じで、高い声帯を持つ人は当たりの位置が高い↓

低い声帯を持つ人は低い↓

こんな感じで、地声域の最高の当たりの位置、音程は人それぞれ違います。

 

でもそれぞれが『最高の質の音色』ですね。

 

そして一流シンガーは歌の中の聴かせどころに自分の一番最高な音を持ってくることで、最高の歌を作り上げています。

  • 『一番当たりのいい音階は自分が持っている声帯によって決まっている』

先ほどの動画で稲葉さんもおっしゃってましたが、これが「歌は高けりゃいいってもんじゃない」の裏側にある真意でしょう。

『自分の持っている声帯の音域』と『魅力的な音域』の関係性について

続きを見る

-歌の雑学・研究・考察

Copyright© 【ミュートレグ】 , 2021 All Rights Reserved.