今回はボイストレーニングにおけるハミング練習(鼻歌)の効果について少し掘り下げます。
特にハミングの『落とし穴』についてのお話です。
ハミングの効果が人によって違う問題
ハミングは歌の練習においてはかなり知名度のある練習方法の一つだと思われます。
「とてもいい練習方法」だとオススメされることも多いトレーニングですね。
が、
そんなハミングも
- 「効果しっかりあるよ派」
- 「全然効果ない派」
がいますね。
これには理由があると思っています。
まぁ、
- 何を効果とするか
- 効果を感じるって結構難しい
- 全ての人に同一の効果のある練習なんてない
など色々考えれば結局『個人次第』の一言で片付けられるのですが、、、、。
そう言ってしまっては元も子もないというか議論の余地がありませんので、あくまで”効果がある前提”で『なぜ効果がないか?』という原因を考えます。
ハミングの効果の分かれ道はやはり
- 『やり方の問題』
だと思います。
そして、
ハミングをしっかり効果あるもの・意義のある練習にするには
- 『声量・音量』に気をつける
- 『倍音の消失』に気をつける
ことが重要だと思います。
『声量・音量』に気をつける
そもそもハミングは口を閉じるというその特性上
- 『自分に声が聴こえやすい』
です。
内耳が強く聴こえる。つまり、自分に声が大きく聴こえやすい練習方法ということです。
ということは、小さい声で練習しても自分にはそれなりに大きく聴こえてしまいます。
結果として、
- 結構声を出している気になってしまったり
- 弱い発声、質の悪い発声を繰り返し練習してしまったり
とハミング練習が意味をなしてない可能性やマイナスになっている可能性が生まれます。
つまり、
ハミングは内耳共鳴が強まるので自分に声が聴こえやすくなってしまい、それによって発声の質を自分のいいように解釈してしまい練習の効果を失う(悪い方へ進む)可能性があるのですね。
自分だけが満足している(自分にだけいいように聴こえる)発声練習になるのです。
要するに歌に使えない発声で練習するなら練習してもあんまり意味がない可能性が高いということですね。
『倍音の消失』に気をつける
ハミングはその特性上
- 『少なくとも普通に歌うよりは声がこもる』
という面もあります。
口を閉じているのですから当然ですね。
そしてやり方を間違えると
- 音が奥にこもる
- 音が圧縮される
ような感じになります。
先ほどの声量の面とも密接に関わってくる問題なのですが、このように音や声量を抑え込むようにハミングをすると「倍音の少ない発声=魅力的でない発声=質の悪い発声」のトレーニングになります。
知らず知らず
- 『声の魅力の成分を削ぎ落とすような練習になってしまう可能性がある』
ということです。
そういう練習を続けた結果、
小手先の高音、小手先の声の出しやすさみたいなものは手に入れられるのですが、結果的にいい音色の発声にならない可能性が高いです。
まとめ
ハミング練習はその都度ハミングをほどいて(口を開けて)、
- 「実際にはどれくらいの声量・音量の発声なのか?」
- 「どんな質の発声なのか?」
を確かめながら練習する必要があると思います。
そうすると、効果がある・少なくともマイナスにはならないと思います。
補足ですが、
「なるほど。じゃあ、とにかくデッカい声でハミングだ!」
というのもまた何か視点がズレている気がします。笑
「過ぎたるは及ばざるが如し」というやつです。
適正な程度と目的は何なのか?を確かめながらやる必要があるのですね。
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鼻歌・ハミング練習のやり方や効果について【2種類のハミングがある】
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