歌の雑学・研究・考察

”歌唱力の方向性”は一つじゃない【ジャンル別歌唱スタイル・歌い方のまとめ】

投稿日:2021年4月12日 更新日:

今回は音楽のジャンルにおける歌い方や発声方法の傾向をざっくりとまとめてみようと思います。

こういうジャンル系のお話は細かい部分を言い出すとキリがなくなるので、ざっくりめでいかせていただきます。

また、あくまでも『傾向』『らしさ』みたいなもので『音楽の表現に決まりはない』ということも大前提でのお話です。

 

これを考えることで歌唱力を考える視点が広がったり、自分に合う歌い方が見つかることもあるかもしれません。

それぞれわかりやすい動画を貼り付けているのですが、演奏面ではなく、あくまでそのジャンルっぽい歌い方や歌声がわかりやすい動画をチョイスしています(必然的にNPR Music多め。←発声がわかりやすい。イヤホンなどで聴くとより何かを掴めるかもしれません)。

では早速。

ポップス

【特徴】

  • オーソドックス
  • 捉えどころがない
  • 万能、オールラウンド

ポップスとは音楽全体の総称的なニュアンスもあるので、本来一括りにできるものでもないのでなんとも言い難いもの。

しかし、人それぞれに『ポップスらしい歌い方』みたいなものがぼんやりとあると思います。

それは「オーソドックス」「平均的」「万能」「偏りのない」などのようなイメージでしょうか。

ロック(軽め)

【特徴】

  • 全体的に鳴り系の発声
  • 細かいテクニックよりも素朴さや親しみやすさ、メッセージをシンプルに伝える→普段話すような発声方法に豊かなメロディーをつける

ビートルズから脈々と受け継がれるような「UKらしさ、イギリス」を感じるスタイル。

日本のロックもざっくり言えば、この流れが主流になるかと。

ギターサウンドの中でも声が前に出てくるように、低音域から高音域まで鳴り系の発声を使うことが多いのはロックっぽいと言われるような歌い方の一つのポイントでしょう。

ロック(重め)

【特徴】

  • 全体的な鳴り系の発声
  • 鋭く強い発声、ものすごい高音発声を使う

いわゆるハードロックと言われるようなジャンルは、全体的な楽器の音色も強く歪んだ音になってくるのでそれに合わせてより強烈な高音発声、強い鳴りの発声を使いこなすことが多いですね。

『ハードロック=強烈な高音発声の代名詞』みたいなイメージでしょう。

デスメタル

【特徴】

  • とにかく強烈
  • デスボイスを使う

ハードロックをさらに強烈にしたようなジャンルでよく使われる発声ですね。

デスボイスとはいわゆる「仮声帯発声」

声帯よりも仮声帯を使うことでこのような強烈な音色を使いこなす歌い方です。

このデスボイスはさらにグロウル・スクリーム・ガテラルなど様々に発声分類されています。デスボイスを使うと人間は『ヘル=地獄』みたいなものを感じるのは、「強烈な叫び」を感じるからなのか、文化的に刷り込まれたイメージなのか、不思議ですね。

R&B

【特徴】

  • ”細かく”美しいピッチ
  • ”細かく”美しいリズム

「R&B」って実は結構定義が難しい(時代の変遷などで大きく違う)。ここでは細かいことは置いておきますが、「現代的なR&B」って皆さん大体動画のような歌い方のイメージでは?

とにかくピッチとリズムの両方と技巧を両立させて高めるような歌唱スタイル。リズムが細かいので、必然的にピッチも細かくなっていくような感じでしょう。

テクニカルで高い技術力を必要するようなスタイル。

ゴスペル・ソウル

【特徴】

  • 美しくも力強い
  • ダイナミックレンジの広いパワフルな発声
  • 「激情感」「絶唱感」

動画のLizzoさんは純粋なゴズペル・ソウル系シンガーではなく、『ラップ×ゴスペル・ソウル』というタイプですが、フレーズに”らしさ”が満載だったので。

ゴスペル・ソウル系は先ほどの内容から言えば、こちらは「昔っぽいR&B」とも言えるのかもしれません。

やはりゴスペル・ソウル系のイメージと言えば、激情型の歌唱スタイル。

力強く壮大に広がるような発声のイメージでしょう。パワフルでガツンとした発声を美しく歌い上げるような歌唱スタイル。

ファンク

【特徴】

  • ガラッとしたパワーにある発声
  • シャウトが多い
  • ノリが良くリズミカル

力強さとグルーヴィーな歌唱スタイル。

別に決まりはないのでしょうが、ガラッとした鳴りの発声やシャウトのある歌唱スタイルは『ファンクらしさ』を感じますよね。

ジャズ

【特徴】

  • 美しい発声
  • 落ち着いた色気
  • 低音域が重視される
  • スウィングビート、跳ねるリズム感

全体的に落ち着いた美しい発声を使いこなす。他ジャンルに比べると大きなダイナミックレンジを作らないので、男女とも低中音域中心の発声になる。

そのため低音域の美しさに焦点を当てるような歌唱スタイルが多い。

ジャズは大抵スウィングするので、それに乗るリズム感も必須。

ヒーリング

【特徴】

  • とにかく美しい発声
  • 心地よい音色に特化

ヒーリングというのは厳密にはジャンルではないとは思いますが、歌唱スタイル的には区切りやすいので。

とにかく美しく透明感のある静かな発声で歌うのが特徴。非整数時倍音を多く含ませるような息系の発声主体。

大きなダイナミックレンジを低音域から高音域までとにかく美しい息の流れる発声という感じが多い。

ラップスタイル・ヒップホップ

【特徴】

  • あえて音程をつけずに、言葉を話すようなニュアンスを作る
  • リズムや韻を大切にする

リズムにかなり比重を置いた歌唱スタイルでしょう。どちらかと言えば、声は「メロディー楽器」ではなく「打楽器」に近いような役割になるかと。

音程は外しているのではなく、『つけない』。

「音程をつけない」とは正確には「普段話す言葉のように一つの言葉が一定の音程にとどまらずに瞬間的に多数の音程を含む」という感じでしょう。

レゲエ

【特徴】

  • ラップに近いが、ラップと比較して音程をしっかりとつける
  • レゲエなので当然裏ノリ。3連のノリも多い。

音楽のジャンル的には結構違うのですが、歌唱スタイルとしては音程がしっかりとついたラップと考えるといいのかもしれません。

裏ノリが非常に大事ですね。

演歌・民謡

【特徴】

  • 全体的に音が滑らかに流れる(母音を綺麗に繋げる)
  • フレージングやビブラートなども含めメロディーの流れを重視するような歌唱方法

いわゆる日本らしさを感じるか小スタイル。ヨナ抜き音階なども日本らしさを感じる理由の一つでしょうが、発声的には「母音の流れ」を重視したような歌唱スタイル。

音の流れ、メロディーの流れの美しさを重視しつつ、日本らしい節回しを使う歌い方。

クラシック

【特徴】

  • 心地よい鳴り系の発声に特化させる
  • 咽頭共鳴を最大化させる

歴史ある歌唱スタイル。滑らかで壮大な発声方法。

基本的にはマイクなしが前提のスタイルなので、他ポップスとは常識が全く異なるのが特徴。

会場に身一つで響かせるという歌唱スタイルなので、咽頭共鳴を最大化させる(喉仏を思いっきり下げているのが動画でわかると思います)。

非整数時の倍音を限りなく消して、整数次倍音に特化した音色を作るというのも特徴の一つでしょう。

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