発声方法

高音発声のパターンや区分についての研究

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今回は『高音発声のパターンや区分』についての研究です。

高音発声の選択肢

当然のことですが、人の発声パターンは大枠二つの声区

  1. 地声
  2. 裏声

という選択肢があります。

 

ほとんどの人は”自分が持っている声帯のタイプ”によって魅力的な音域帯(2〜3オクターブ)と二つの声区の範囲がある程度決まっていると考えられます↓

*一般的に女性または男性の声が高めな人が2〜2.5オクターブ、男性や女性の声が低めな人は2.5〜3オクターブくらいの範囲になりやすい。

そうするとオクターブの目安はこんな感じ(*あくまで目安であり個人差があります)↓

たとえ現状このようになっていなくても、誰もが2〜3オクターブくらいは鍛えられるポテンシャルがあと考えられます。

 

ただし、この2〜3オクターブの範囲は人によって違います↓

 

この声帯のタイプなどについてはここでは省略します↓

『声帯のタイプ』と『魅力的な音域』の関係性について

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そうすると、人それぞれに地声は

  1. 一番当たりの地声(中高音)
  2. 当たりを通り過ぎた地声(高音)
  3. 当たりを大幅に通り過ぎる地声(超高音)

*「当たり」とはその音が一番おいしいところ・一番魅力的なところという意味です。

 

裏声は、

  1. 当たりの手前の裏声(中高音)
  2. 一番当たりの裏声(高音)
  3. 当たりを通り過ぎた裏声(超高音)

という部分が存在します。

音階の位置は人それぞれ違うが「頑張りの度合い」は誰にとっても平等です。

これを頭に入れておけばどんな高音発声も大体攻略できますし、逆に無理なものは無理と諦めもつきますし、『自分の歌声』を構築できると考えられます。

地声の高音発声パターン

①地声の一番おいしい部分の発声(*必要性がかなり高く、使いやすい)

地声の一番当たりの音は地声が最も魅力的に鳴る音です(*最高音ではない)↓

地声のロングトーンの部分ですが、最高にドンピシャの当たりです。人それぞれにある「その人の最高の音色・響きのポイント」。

 

魅力的な地声の当たりの範囲の大枠があり、厳密にはその中においても一番いい音があるので、そのドンピシャの当たりは1音くらいに絞られると思います。

例えば、こちらのフレーズ↓

一番高く張る発声(hiD)は当たりの範囲内ですが、おそらくドンピシャの当たりをほんの若干通り過ぎたくらい。2番目に張る声(hiB)はドンピシャの当たりの手前くらいという感じでしょう。

ということはおそらくhiCかhiC#に最高の当たり位置があると考えられる(hiDの後、音程を動かす時一瞬だけhiCが出てきてはいます)。

 

もちろんこの当たりの範囲や最高の当たりの音は人それぞれ違います。

一番美味しい発声の音階は人それぞれ決まっている

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②すごく頑張る地声(*必要性は人によって違う)

一番美味しい地声の音階を通り過ぎたくらいの発声で、かなり頑張り具合の高い発声↓

 

裏声の適正音階(裏声の当たりの位置)くらいを地声のままいく発声。

何か特別な発声ということでもなく地声のまま高音域まで押し上げれば成立します。

 

当然裏声の適正音階なので、ここはもう裏声しか使わないというシンガーも多くいます。

 

先ほどの当たりの音域を含めてこの辺りまでの地声の音域開発はコツコツが結局ベストでしょう↓

地声の高音域を広げる方法【結局、地道なトレーニングが一番いい】

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また、これくらいの発声くらいからは「ミックスボイス」と表現されたりもしますが、あまり深く考えずに「地声」としておいた方が変に考え込むこともなくなるのでお得だと思います。

ミックスボイスの存在について【なぜプロほど語らず、一般人ほど語るのか】

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③頑張りすぎる地声(*基本は非推奨)

地声の当たりの位置からはかけ離れた音域帯の地声↓

一番最後は裏声ですが、それ以外地声↓

こういう音域は基本的には地声非推奨の音域帯ですが、出せる人は出せるというとんでもない領域。

この辺りの音域帯まで来ると、どんな人でも超高音のために音色が浅く金属的になっていきます。

 

これは声帯周りの一定の固定・緊張を必要とする発声になるからでしょう(簡単に言えば喉周りが狭くなる)。

つまりハイトーンボイスは「声帯周り」の力を借りるような発声。

ハイトーンボイスの出し方について

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【おまけ】仮声帯+地声の中高音

仮声帯と呼ばれる部分の音を発声にほんのり追加することで、ガリガリ・ゴロゴロとした唸り声作る↓

これは音域とは関係なく、単に「仮声帯を使うかどうか」というお話になります。

特別なことではなく誰もが大声を出したり、怒鳴り声を出したときに自然と鳴ることが多い部分。

 

声帯を使わずにこの部分だけをメインで使うとデスボイスになります(声帯を使わないので、実は性別はあまり関係ない)↓

 

がなり声の出し方【仮声帯発声についての考察】

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裏声の高音発声パターン

①楽な裏声(*必要性もあり使いやすいが、苦手な人にはやや難しい)

低い音域帯から早めに切り替える裏声↓

音域帯的に地声の当たり位置付近から裏声に切り替えている。

つまり、地声だとある程度ガツンと出す音域帯ということですが、音楽の表現としてガツンと出すのが似合わない場合などは裏声を使うことでさらりとした透明感を出せます。

 

ただ地声でも出せるという点と裏声の当たりの手前という点から、人によってはコントロールが難しいという面もあるかもしれません。

 

また、この辺りの音域帯で地声から裏声にコントラストをつけてヨーデルのように美しくすっぽ抜くという表現がよく使われます。

 

音色のコントラストをくっきりと作ることで美しい表現を生み出します。ヨーデルの美しさもこれですね。

 

これをさらにもう一段階応用して瞬間的に裏声に切り替えて戻すという技もあります↓

この辺りの音域帯の表現は地声も裏声も両方使いやすい部分なので、必然的にたくさんの表現方法が生まれます。

一瞬だけ裏声にするテクニックについて

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②一番おいしい裏声(*必要性が高く、使いやすい)

裏声が一番おいしく鳴らせる音域帯↓

先ほどのコントラストをつけた裏声からの一番当たりの裏声↓

この音域帯は裏声が一番美しく鳴る音域帯で、地声だとかなり頑張る必要がある音域帯でしょう。

 

ここでお気づきの方もいるでしょうが、地声の当たり音域帯と裏声の当たりの音域は都合よくズレているのです↓

多くのシンガーはこれを利用して曲を作っていますし、これに準ずることで魅力的な歌声を作り上げているとも言えるでしょう。

これはある意味不思議というか長い人類の進化の過程でこうなったのでしょうが、この地声と裏声によって人の声はかなり広い音域帯を魅力的に鳴らせる構造になっているのですね。

裏声(ファルセット)の音域を広げるトレーニング方法について

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③すごく頑張る裏声(ホイッスルボイス*基本は非推奨)

かなり頑張る裏声からのホイッスル領域へ↓

大体の目安ですが、狭い声帯のタイプで2オクターブ目周辺、広い声帯のタイプで3オクターブ目周辺まで「かなり頑張る裏声」でそれ以降はホイッスルボイスと呼ばれる音域に突入していくでしょう。

 

名前的には特別な感じもありますが、シンプルに裏声の超高音というものです。

基本的には裏声においても非推奨の領域ですが、出せる人は出せるというものすごい領域。

 

中には限界をはみ出ているような発声も存在します(*2度目の登場)↓

これはもう、こんな感じでしょう↓

ちなみにこの方は低音まで広いので音域としては6オクターブ。

たまにこういう超人的な能力のある人がいますが、一般人は真似しない方がいいかと思われます。「もうホイッスル以外やることねぇわ」という人が挑戦する領域でしょう。

 

ちなみにホイッスルボイスも2種類あって、こういう風に裏声ではない出し方もある↓

音の表現は無限大ですね。

ホイッスルボイスの出し方について【ホイッスルは2種類ある】

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【おまけ】仮声帯+裏声

これも先ほど地声の部分でも述べた「仮声帯」がほんのり働くような状態を裏声で作る発声です↓

 

裏声ベースでほんのり仮声帯が働いた声ですが、不思議と女性シンガーが歌ではあまり使わないので残念ながら参考例がありません(少なくとも僕の観測範囲では思いつかないです。すみません)

これがギリギリ裏声に入りそうで入らないくらい↓

とにかく理屈としては裏声を強い勢いで発声すればいいでしょう。

絶叫する勢いで裏声で「ギャーーーー」と叫べば誰もがある程度仮声帯は働くはず。

シャウト系の発声のやり方・練習方法について

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という感じで中高音発声についてまとめてみました。

低音域はまた次回(未定ですが)。

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