今回は歌のテクニック『ポルタメント』についてです。
この記事は
- ポルタメントとは
- 効果や具体例
- やり方・練習方法
という内容です。
ポルタメントとは
ポルタメントとは
- ある音からある音までの音程を滑らかに移行すること
です。
簡単に図で説明するとこんな感じになります↓
この真ん中部分の音の動きのことを指します。
こんな感じ↓
『しゃくり』や『ヒーカップ』・『フォール』などとは意味合いが違います。
このポルタメントはあくまで『音と音の間の部分の動き』を指す言葉です。
語源・由来
イタリア語の『portar la voce』、フランス語の『part de voix』が由来とされており、どちらも『声を運ぶ』という意味。
声楽やクラシック音楽でよく使われる言葉です。
ポルタメントの効果
ポルタメントは主に
- 上昇感
- 加速感
- 盛り上がり感
もしくは
- 下降感
- 失速感
- 盛り下がり感(落ち着き)
を生み出すような効果があります。
このポルタメントは、「あるから良い」「できたら上手い」とかいうものではなく、あくまで表現の技法の一つです。
また、自然に無意識にポルタメントしているということもあるでしょう。
ただ、テクニックとして狙って使うことで効果的に『上昇感』『下降感』を感じる表現を生み出すことがでいると考えられます。
特にロングトーンで半音上昇するようなフレーズで多く使われます。
ポルタメントの例
(再生位置*1:56〜)「僕を連れて進めーー⤴︎」↓
サビの前の盛り上がりと共にブワッと空に上昇していくような印象を感じるポルタメントです。
(*再生位置1:48〜)「あの日の言葉〜 呼び起こすよーーーーー⤴︎」
こちらはゆっくりと水中から浮上してくるような印象のポルタメント。
これもサビ前です。
このように綺麗で滑らかなポルタメントは
- 飛行機がだんだん離陸するような
- 車がだんだん加速するような
- 水面から浮上してくるような
印象が生み出されますね。
こういういい感じのポルタメントを生み出す時に大事なのが音程の放物線を意識することでしょう。
こうすることでうねり上がるような上昇感が生まれます。下降する時も同じようにいい感じになります。
DAWなど触れたことがある人はわかるとは思いますが、楽器などでこういうピッチベンドを描くといい感じになりますよね。
こういう表現のポルタメントはカッコいい。
下降するポルタメントはこんな感じです(*ちゃんと「ポルタメント 」と説明してくれています)↓
ポルタメントのやり方・練習方法
ポルタメントで大事なのは
- 音階と音階の間に存在する表記されない音をいかに感じるか
だと思います。
例えば、『ド』と『ド#』の間にも音は存在するわけで、この間をいかになめらかに移行するかが大事ということです。
こういう半音差のポルタメントができれば、基本的にそれ以下はないので、あとはどんなポルタメントでもできるはずです。
なので半音差のポルタメントを練習しましょう(結局、半音が一番使われますし)。
練習方法
ピアノでもなんでもいいので『ド』『ド#』をゆっくりと交互に弾きます(音はなんでもいいです)。
それに合わせて音程を滑らかに移動させながら声を出します。
- なめらかなイメージ
- ボリュームのつまみをゆっくり回すイメージ
- 放物線のイメージ
で練習するといいと思います。
また、放物線のようなポルタメントは。下の音階からゆっくりと離れて上の音階に近づいたらすぐにその音に入るようなイメージを持つと上手くいきやすいでしょう。