歌唱力アップ

『本気で歌が上手くなりたい人が何をすべきか』についての研究【ガチ勢向け】

投稿日:2022年2月16日 更新日:

今回は「本気で歌が上手くなりたい人が何をすべきか」「歌の超重要項目」という歌のガチ勢の人向けの研究考察です。

 

もちろん「何をもって”本気・ガチ・歌が上手い”とするか」など考え出すと、色々な方向性が無限大にありますから簡単に語れるものではないのです。

ただ、それをここで議論し出すとキリがなくなりますので、あまり細かいことは抜きに”ざっくり現代ポップス向け”くらいで内容を進めたいと思います。

 

また、今回の記事はこちらの記事↓

歌が上手くなりやすくなるための土台作り【地味に大事な重要項目】

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をベースにして「その上で何を突き詰めるべきか」という内容となっていますので、ぜひ合わせて読んでみてください。

 

そんな歌の超重要項目は2つ

①声を楽器化させる(声の倍音を増やす)

②瞬間的なピッチ移行の速度と正確性を極める(”ラン”を極める)

この二つに焦点を合わせてトレーニングすると、理論上”歌のガチ勢”が完成するのではないかと考えられます。

ぞれぞれについて掘り下げます。

①声を楽器化させる(声の倍音を増やす)

これは、

  • 簡単に言えば『歌声の音色の質をよくする』
  • つまり、『歌声を楽器化させる』
  • 楽器化させるには『倍音増やす』

ということです。

 

これが超重要項目の一角。

よく「話し声から歌声に変わった瞬間にすごい綺麗な声に変わった!」って感じることがあると思います。

それがここで言う「声の楽器化」です。

 

こんな感じのイメージ(*「話し声」と「歌声」の差に注目するとわかりやすい)↓

後ほど触れるので「話し声」と「歌声」の”息の流れ”の差にも着目してみてください。

このように「話し声」と比較すると「歌声」は楽器のように綺麗な音色が鳴ります。

こういう状態のことをここでは『楽器化』と表現します。

 

もちろんそれは決まった形ではなく、楽器もピアノ・ギター・ベース・ドラムと様々な音色があるように、発声においても個人差やジャンル差などから”様々な方向性への楽器化”があります。

 

それは力強く尖った楽器化や↓

静かで澄んだ楽器化↓

 

例えば、ラップにはラップの楽器化があり↓

クラシックにはクラシックの楽器化がある↓

 

このように様々な方向性の『楽器化』がある。

 

ちなみに、

例えるなら「ラップ」は声を”打楽器”の性質に近づける。クラシックは声を”弦楽器”の性質に近づける。ただ、ここでは範囲が広くなりすぎるので、この二つは省略します。

ポップスは主に”管楽器・笛”の性質が多いかと。

打楽器は音程がない(=音程を多数含む)楽器なのでどんな音とも調和できるリズム楽器。弦楽器は整数次倍音がくっきりとしているので芯のあるくっきりとした楽器。管楽器・笛は非整次倍音もある程度含み、楽器の性質として”息・気流”の成分がしっかりとある。

 

あくまで”性質”「例えるなら」というお話です。

 

このように魅力的なシンガーにはそれぞれ様々な個性(種類)やジャンルの違いがあるが、必ず共通していることは『いい音色の声が鳴る』ということ

 

人は『いい音色』に魅了される

この『いい音色』というものは音楽における絶対的な”優”と言いましょうか、いい音色だからこそ人はその音に魅了されます。

 

例えば、極論ですが、

  1. 「黒板をひっかく音のような声」で音程とリズムがバッチリ
  2. 「ピアノのように綺麗な声」で音程とリズムが大きく外れている

であればどちらの方が良いか。

おそらくほとんどの人は②を選ぶでしょう。

黒板をひっかく音で「ドレミファソ〜♪」と上手く奏でられても人はそれを「良い」とは思えない。

 

つまり『音程』『リズム』ももちろん大事なのですが、それを飛び越えて声(音)そのものの音色がいい」という部分は歌の魅力に直結する部分ということです。

 

「とにかく声が好き」「声質がいい」という理由でそのシンガーが好きという人も多いと思います。

音程やリズムの気持ちよさの前に”音そのものの気持ちよさ”があるのですね。

 

歌の3要素は

  1. 音程
  2. リズム
  3. 音色の質

ですから。

この3要素の一角を担っているのが『音色の質』。

 

そして、この『音色の質』を磨くのが”声の楽器化”というわけです。

いい音色=倍音が多い音

人が「いい音色」だと感じる音は基本的に『倍音が多い音』です。

(*もちろん、厳密には何でもかんでも倍音を増やせばいいというわけではないのですが、話がややこしくなるのでここでは簡単に「倍音が多い=いい音」と考えておきましょう。)

 

ということは

  • 「声の倍音を増やす」=「いい音色になる」=「魅力的な声になる」

と言えるわけです。

 

つまり、

  • 『声の倍音を増やす』=『歌が上手くなる』

とも考えることができます。

 

なので、歌のガチ勢・本気で上手くなりたい人はとにかく『声の倍音を増やそうとする』ことが重要だと考えられるということです。

 

ちなみに、

楽器のような声(倍音の多い声)は

  • 『もともとの才能ではないか?』
  • 『声質は生まれ持ったものでは?』

と考えることもあるでしょう。

 

しかし、生まれた瞬間から歌が上手い赤ちゃんはいませんし、どんな天才歌手でもさすがに幼い頃は声が楽器化していませんから、楽器化とは後天的なもの(鍛えられるもの)なのです。

 

確かに”声質のタイプ”は生まれ持った性質です。

しかし、”その性質の良し悪し”は後天的なもので磨くことができるものです。

 

ただし、ここでもう一つ重要なのは『声質のタイプは生まれ持った性質である』という部分

つまり、

人それぞれ自分の声質のタイプに合った楽器化がある』ということは頭に入れておくべきでしょう。それは言い換えると『誰もが自分の声を楽器化させることはできるが、自分が憧れる方向性の楽器化ができるとは限らない』ということ。

これを間違えないようにすることだけは重要です。

倍音を増やすには

「具体的にどうすればいいのか?」というのは『個人の声質』や『ジャンル』などによっても変わってくるのではっきりと明言することはできませんし、それぞれの道があるというのは先ほど述べたのですが、すごいシンガーたちをじっくり観察すると大体共通する答えはある↓

大体当てはまるだろう一つの答えとしては『息の流れ・息の流動性』です(*あくまで一つの答えですが、かなり重大な答え)。

 

簡単に言えば、『すごく息が流れる』。

 

とりあえずは、

  • 息がしっかりと流れる声にする=倍音を増やす

と考えても損はないでしょう。

 

*「息っぽい声にする」という意味ではありません。「強くパワフルな声」でも条件は同じ『息がしっかり流れる』です↓

 

先ほどのスティーヴン・タイラーも強く尖った発声で息がしっかりと流れていましたよね。

 

なので、ポップスは”管楽器・笛”の性質の楽器化

偉大なシンガー達が「歌に最も重要なものは?」という問いに対する答えとしておそらく一番答えられるのが『息』だと思います(*個人調べ)。

それは「呼吸面」などはもちろんですが、実は『声の楽器化』の面においての重要性が大きいのではないかと考えられます。

 

いい歌声はとにかく息が綺麗に流れる。

口から大量の息が声に合わせて流れ、「スーー」っとした音(倍音)も実際聴こえます↓

口から風が吹いていますね。

何度も言いますが、『息の流れ』はあくまで”一つの答え”ではありますが大きな答え。

この大量の「息の流れ」が声を魅力的な楽器にしているのですね(*また、これによってものすごくマイクに通る声になる)。

 

ただし、たくさんの息を綺麗な音に変換できる高度な声帯の連動性能(柔軟性)が必要になるので、普通の人が単に息を多く流しても最初のうちは全然同じようにはできないでしょう。

これは才能の問題などではなく、口笛みたいなもので、ずっと練習していればできるようになると考えられます。

ただし、難易度は口笛よりもはるかに難しく、ある程度の年月が必要になるでしょう。

 

そういう点でもガチ勢向けとも言えるのかもしれません。

とにかく、『声を楽器化させる』ことは超重要項目の一つ。

楽器のような声の出し方について

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②瞬間的なピッチ移行の速度と正確性を極める

これは、

  • 「ラン・メリスマ・リフ」などと言われるピッチを高速で動かすテクニックを練習し、習得する
  • 日本語で言うところの「こぶし」を極める(*厳密には若干違う)

ということです。

これです(*冒頭と0:20〜のテクニック)↓

わかりやすい↓

正確には少し意味合いが違いますが日本では「フェイク」などと呼ばれることが多いですし、日本語で言う「こぶし」の仲間と言えるでしょう。

 

色々な名称がありますが海外では「Run・ラン」と呼ばれることが多いと思われます。

また、これを使いこなすシンガーのこと”メリスマティックシンガー”と言ったりもします。

 

この記事では「ラン」と呼ぶこととします。

なぜこれに焦点を当てるといいのか?

なぜこのランを練習するといいと考えられるのかというと、

  • 「ランが綺麗にできるのに歌が下手」という人はこの世に存在しないのではないか
  • つまり、『ランができる=歌が上手い』は成立するのではないか

と。

 

もちろん、『歌が上手い人は必ずランができる』とは限りません

歌はランができればいいというものでもないですし、これは成立しないでしょう。

 

しかし、逆向き『ランができる人は歌が上手い』はほぼ成立しているのではないかと。

なんだか数学みたいですが、「ランができる」は「歌が上手い」が成り立つための”十分条件”に成りうるだろうということです。

 

なぜなら、綺麗なランを成立させる条件が

  1. ピッチ(音程)の精度が良い・出だし(アタック)が綺麗・移行するスピードが速い
  2. リズム感が良い

というように高いレベルの『①ピッチ』と『②リズム』の能力を必要とします

つまり、歌に必要なものがこのテクニック一つにぎっしり詰まっていてこれ以上難しい技やフレーズなんてそうそうない

 

ということは

「綺麗なランさえできるようになれば他のことは大抵できる」=「歌が上手くなる」と言える。

 

ということは、とにかくこれを練習すればいいと言ってしまえるわけです(*理論上は)。

 

これはもちろん日本人でも同じです。

「日本人はあまり使わなくない?」「必要ある?」と考えることもあるでしょうが、別に使わなくてもいいのです。

『それができる状態』が大事ということです。

 

そもそも”こぶし”は「ラン」の仲間なので、日本人にも必要と言えば必要な技術です。

ちなみに「こぶし(小節)」は音の大きな流れの中に小さな節を作るので”小節”というのが語源です。

 

日本の「こぶし」はこんなイメージ↓

もちろん「こぶし」に厳密なルールがあるわけではないので、「ラン」もこぶしと言えばこぶしになるのですが、ランの方が大胆な感じです。

 

「ラン」はその”こぶし”を連続させて階段状に並べたようなイメージと考えるといいと思います。

「小節」というより「節だらけ」。

これを見るとすごくわかりやすいです↓

 

音楽的”美”は「ラン」に行き着く

世界中の地域毎に根付く歌や音楽には色々な特色があり、そういう音楽は『民謡』と呼ばれます。

世界各地の民謡は基本的に「現代ほど世界中が繋がっていない」「音楽が記録できない」時代からの音楽なので、地域毎に色々な特色の音楽が発展したのですね。

 

ところが面白いことに、世界各地の多くの「〜民謡」には「ラン」「こぶし」的要素が含まれています。

つまり、『ピッチを素早く動かす』という音楽的美がある。

 

日本の「民謡」には”こぶし”が多く使われますし↓

ブルガリア民謡にもたくさん使われます。

アイルランド民謡(シャン・ノース)↓

アラブ音楽(*20世紀アラブ世界で最も有名な歌手「アラブの至宝」と称される偉大なシンガー。爆速ランです)↓

色々な歌唱方法は地域によって様々な特性の違いがありますが、

  • 『旋律を素早く正確に動かす』という”美”

の要素が含まれていることが多い。

 

つまり、世界中の色々なジャンルの音楽は『旋律を素早く動かす』テクニックにたどり着いている。

人類は『旋律を素早く動かすことに”音楽的美”を感じる』とも言えるのかもしれません。

 

 

そして現在、洋楽は「ラン」だらけ(*「全部のフレーズが」という意味ではない)。

海外ではリフチャレンジなんかも流行っていますし。

もちろん「ラン」ができればいいというものでもないですし、ジャンルや曲によってもその必要性は違います。

 

しかし、洋楽ではある意味「ラン」ができるかどうかがシンガーとしての一つの到達点になっているように思います。

 

もはや割とみんなできるようになりすぎて、その希少性は薄まっているような気もしますが、結局これが綺麗にできるようになった時、他の多くの能力は身についていますから練習すること自体はメリットしかないわけです。

歌の超高等テクニック『メリスマ』【連続的な高速の音階変化】

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二つのポイントは密接につながっている

上記二つの大きなポイントは歌の3要素『音程』『リズム』『音色の質』の行き着く先、終着点だと考えられます。

  1. 声の楽器化→『音色の質』の極み
  2. ランを極める→『音程』と『リズム』の極み

なので、この二つを磨けば高いレベルの全てが取れると言えます。

 

さらにこの二つはつながっている。

 

前半で『最高の声質で音程とリズムが最悪な人』と『最悪の声質で音程とリズムが最高な人』という極論を比較しましたが、実はこの極端は理論上存在しないのです(*わざとそうしない限り)。

 

例えば、

ランを極めようとするには『音程』を素早い『リズム』で動かさなければいけない。そして、どうやってこの二つを素早く正確に動かせるかを突き詰めていくと、結局『音色の質』がよくなければそれを実現できない」というところに辿り着く

逆に、

声を楽器化させようとして「音色の質」を突き詰めた結果、『音程』と『リズム』の精度がものすごく向上していてランを練習するとすぐできるようになった。

 

このように『声の楽器化(発声の質)』と『ラン(音程・リズム)』は密接に関係しています

『楽器化』が一歩前にあって、そのあとに『ラン』があるような感じです。

 

この

  • 音程とリズムの精度を高めようとすると「発声の質(楽器化)」が必要になる

というのが歌の一番面白いところです。

一見何も関係ないように感じますから。

 

「何年も”ラン”のトレーニングをしても全然できない」「いくら頑張ってもまるでできそうにない」という人はたくさんいるでしょう。

 

しかし、その一方で「最初はゆっくりでだんだん早くすればできるようになるよ」という人も一定数いるのですね↓

こういう人がいる理由は『発声の質がいいから』『声が楽器化しているから』でしょう。

発声の質がいいから練習すると普通にできるようになるのです。

 

逆に、楽器化していない人は「まずは楽器化が必要だ」と理解しない限りはいくら頑張ってもできない

 

これは

才能というよりも『順序』の問題、もしくは”ラン”を実現するためには『発声の質』が必要ということに気付けるかどうかの問題でしょう。

 

つまり、『楽器化』が『ラン』の必要条件になっています。

 

まとめると、歌における超重要項目は『①声の楽器化』で、楽器化が完了したら『②ラン』を練習すれば、その他のものもまとめて大体手に入るということになります。

理論上は歌のガチ勢の完成です。

実はもう一つある

上記の

  • 「声が楽器化している」→歌が上手い
  • 「ランができる」→歌が上手い

成立度合いがかなり強いと考えられますし、歌のほとんどを取ってしまえるのでこの二つに焦点を当てて極めればいいということになります。

 

そして、他のほとんどの項目は成立度合いが弱いと考えられます。

 

例えば、

  • 「高音が出せる」→歌が上手い
  • 「声量が大きい」→歌が上手い

など「高音」「声量」は『”優”のバイアス』がかかりやすい項目ですし、みんな大好きな項目なのでそう感じやすい(*最近はそうでもない?)。

しかし、本質的にはこれらは全然大事ではなくその成立度合いがかなり弱いと思います。

 

また、こちらの記事↓

歌が上手くなりやすくなるための土台作り【地味に大事な重要項目】

続きを見る

にまとめている内容もそれぞれかなりの重要項目であることに間違いはないのですが、『楽器化』『ラン』ほど本質をついた超重要項目とは言えないでしょう。

 

なので、

声を楽器化させる

瞬間的なピッチ移行の速度と正確性を極める(ランを練習する)

この二つの項目だけに集中していればいいと言えます。

 

それで全く問題ないのですが、実はもう一つだけ【『〇〇が〇〇』→歌がすごく上手い】が成立する超重要項目があると考えられます。

別の切り口から「楽器化」「ラン」にも大きく関係してくる内容なのですが。

 

この項目だけは唯一noteミュートレグの結論〜歌の超重要項目〜にまとめています。

「おい、ふざけんな。言えよ!」と罵声が聞こえますが(笑)。

このnoteは当サイト、ミュートレグの『集大成』『鍵』のような内容になっていますので、興味のある方はぜひ読んでみて下さい。

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