歌のスキル・テクニック

歌に抑揚をつける方法【歌のダイナミクスは静かな方の発声が鍵】

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今回は歌の抑揚について。

抑揚とは本来の意味は、『発する音の調子の上げ下げのこと=音程の起伏』のことであり、英語で言う”イントネーション”になります。

 

ただ、一般的な”歌の抑揚”とは『声量差・大小表現=ダイナミクス』のことを指しているのがほとんどでしょう。

そういう”声量差・大小表現”=ダイナミクスという意味での抑揚についての内容です。

歌における”ダイナミクス”

歌におけるダイナミクスとは、

  • 小と大
  • 静と動

を表現することです。

 

音量差のある表現は聴いた方が早いのでどうぞ。

イヤホンで聴くとよりダイナミクスがわかりやすいです(*再生位置0:50〜が一番わかりやすい)↓

やはりこういうマイクを通してない音源(生に近い音)はその音像や発声の質を捉えやすいので、ダイナミクスも鮮明にわかりますね。

 

男性もどうぞ↓

 

両者とも、ものすごいダイナミクスを生み出しています。

 

ダイナミクスの観点で共通しているのは、

  • 静かに(楽に)歌うフレーズが静かなのによく通る
  • 声を張るフレーズはそこからさらに声量が増大する

みたいなところでしょう。

 

ここで、すごい声量のパワフルな発声に注目してしまいがちですが、そこは本質的ではないと思います。

 

実は重要なのは

  • 『静かに歌うフレーズの通り具合』

ここに着目すべきだと思います。

 

ここがやはり”一般人と大きくかけ離れているポイント”だと思いますし、その点が結果的に壮大なダイナミクスを生み出すでしょう。

  • 『圧倒的な声量を生み出せるから大きく歌う表現ができる』

のではなく、

  • 『静かに歌っても美しく通るから大きく歌う表現が活きる』

という風に考えるのが正解だと思います。

 

どういうことか?

例えば、歌が苦手な人は「声の通り具合」と「音量」はほぼ同じ動きをします。

適当な図にするとこんな感じでしょう。

スクリーンショット 2020-10-04 20.17.21

*数字はあくまで例です。

 

ここで最低でも5以上の通り具合がないと歌として使えないと仮定すると、「静かに歌う」という発声は実用性がないために、

取れる選択肢は

  1. 「中くらいで歌う」
  2. 「大きく歌う」

の2つです。

つまり、静かな発声は使いものにならない。

 

実質的な音量差、抑揚表現の幅が狭くなってしまいます。

つまり、ダイナミックレンジが狭い↓

スクリーンショット 2020-10-04 20.25.40

 

ところが、

一流シンガーたちは、

スクリーンショット 2020-10-04 20.54.34

このように静かに歌う発声が非常によく通るので歌に使える。

しかもそんな通る発声だからこそ大きく歌うとさらによく通るという。

 

囁いてもよく通るのなら、取れる選択肢が広まりますね。

結果的にダイナミックレンジを広く取れるということです。

スクリーンショット 2020-10-04 20.55.08

あくまで例としての数値ですが、大げさでもないくらいだと思います。

 

まぁ少し堅苦しい考え方をしてしまいましたが、

  • 最大声量が圧倒的

というよりは

  • ”最小声量がよく通る”から有効的に使える。それが使えるからこそ最大声量との落差が活きる。さらに最大声量もすごく通る。

という風に考えるべきだと思います。

 

まずは”小を活かす”ことを優先させる

ダイナミクスをつけるためには、

  • 『大』を大きくしようとするのではなく、『小』を有効に使えるようにすること

が大事でしょう。

 

つまり、『静かに歌うフレーズがよく通るようになること』を目指すことになるでしょう。

結果的に大きく歌う発声はより一層通るようになるでしょう。

 

じゃあ、静かに歌うフレーズをよく通すにはどうすれば?という話になります。

 

これは、

  • 倍音が多い発声
  • 息が”流動的に流れる”発声
  • そういう発声を上手く共鳴させる

みたいなものを目指していくことになるでしょう。

 

特に「息の流動性」ここに着目することで、よく通る発声になるでしょう。

息の流動性の追求

続きを見る

 

まずは、この小さい発声を徹底的に鍛えることが抑揚表現には欠かせないかと。

ウィスパーボイスのトレーニングなどもいいと思います。

ウィスパーボイスの出し方や練習方法について

続きを見る

 

ベーシックなポップスにおける歌唱スタイルではこのように”小を活かす”方向性で考えることで結果的に”大への幅が広がり、抑揚ができる”と考えられます。

 

ただし、ロックやハードロックなどの『熱い発声のジャンル』の場合は少し抑揚の視点を変えなければいけないかもしれません。

最後にそこに少し触れておきます。

ハードロック系の抑揚【小が活かせない時の抑揚】

そもそもコテコテのロックな歌唱スタイル、ハードロックやメタル系の歌唱スタイルは

  • ある意味抑揚があまりないジャンル
  • 基本的に「押し・押し・押し」、「大・大・大」

みたいな感じでしょう。

 

こういうジャンルの場合も使えるかどうかは置いておいて、単純に静かな発声が求められていないので使いにくいです。

この場合は、できるだけ”最大声量を増やそうとする”しかないのですが、これは結構難しいと思います。

そもそも、マイクに向かってより一層大きな音量をぶつけても、その分だけ大きく出力されるわけではないので(作り的に)。

 

なので、多くのロックシンガーは

  • 音量で抑揚がつけられない分、音高(音程差)で表現の抑揚をつける

ことが多いですね。

 

こんな感じ↓

このように、

  • 音楽のスタイルなどによって小を活かせない場合、音程差をつけることも抑揚表現になる

と考えられます。

まぁ実質的には”音量差”ではないので、もはや”抑揚”という意味合いからは外れるかもしれませんが、音楽的な抑揚という意味で。

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