ボイストレーニング

声量を上げるトレーニング方法について

投稿日:2018年12月16日 更新日:

今回は声量を上げるトレーニング方法についてのテーマです。

  • 前半は声量を上げるための基本のトレーニング方法について
  • 後半は応用トレーニングや部分トレーニングについて

という内容になります。

声量のトレーニングに入る前に

トレーニングに入る前に要点を押さえておきましょう。

まず”声”というものは「息」「声帯」「共鳴」「発音」という4つの要素で作られます。

声を構成する4つの要素

それぞれ声の「①原動力」「②調節」「③増幅」「④性質を決める」という役割がありますが、声量トレーニングではほとんど『息』と『声帯』の部分に集中することが大事になってくると考えられます。

 

もちろん『共鳴』も大事ではないことはないのですが、

  • 「共鳴」は骨格によって決まる部分が大きく、鍛えられる余地は大きくはない
  • 声は「息」と「声帯」の段階で大半は出来上がっている

という理由で最初はそこまで集中しなくてもいいと思います。

もし共鳴が声量の主役になるのなら骨格が小さな子供は大きな声を出せないことになりますが、そんなことはないですよね。

これに関して詳しくは『歌の声量がない原因について』の記事にもまとめています。

 

なのでまずは「息」と「声帯」を鍛えることが声量アップのポイントと考えましょう。

息と声帯を中心に鍛える

声量を上げる基本的なトレーニング方法

早速、基本的なトレーニング方法に入っていきます。

 

まずは『力が入らない声量の限界点』を探ります。

何も意識せずに楽に

  • 「あーーー」(*発音はなんでもOK)

と発しましょう。

この時楽な状態の感覚をつかんでおきましょう。

 

次にその声帯や喉の感覚のままで、

  • 「はっ! はっ!! はっ!!! はっ!!!!」

とだんだん息の勢いを強めて発声していきます。

これによって『楽に出せる声量の限界点』を探ります。

 

ここではあくまで”楽に出せる”ことが大事なので、「喉が少し締まる」「声が少し割れる」「少し苦しい」という状態になっている時点でそこは限界を若干超えています。

楽に出せる限界はほんのりきつくなる手前にあるはず。

声量の「楽に出せる限界」のライン

おそらく声量に困っている人はこの『楽に出せる声量の限界点』が早い段階でくることも多いでしょう。

 

とにかくまずは自分の現状の能力での限界をはっきりとさせます。

 

次のこの『楽に出せる声量の限界』のラインを上げていきます。

やることはこの『楽』〜『ほんのりきつい』くらいの声量の発声をひたすらに繰り返します。とにかくこの部分の発声を繰り返して体(喉)を慣らすイメージです。発音はなんでもOKです。これは毎日コツコツと積み重ねましょう。

 

そうすると継続しているうちにそれぞれのラインがズレていきます。

楽に出せる声量の限界が伸びた図

『楽に出せる声量の限界点』が少し伸びたということは、それは「声量が若干アップした」ということになります。

注意

しっかりと『楽』な状態を意識して焦らずにゆっくりと進みましょう。個人差があるのでかかる時間に関してはなんとも言えませんが、限界が少し伸びたと肌で感じることができるのは少なくとも1ヶ月〜3ヶ月はかかるかと。人間の体は3ヶ月で全ての細胞が入れ替わると言われているので、一般的にはそれくらいが目安です。

 

あとはこれを繰り返すことで声量がどんどん上がっていくという理屈になります。

仮に3ヶ月でほんの少しでもこの『楽に出せる声量の限界点』を伸ばすことができれば、それを1年間継続することでその成長の4回分の声量を伸ばすことができるでしょう。もちろん人間なのでどこまでも声量を出せるわけではないですが、鍛えられる範囲までは上手く鍛えられると思います。

このトレーニングのポイント

このトレーニングは「息」を鍛えているのはもちろんですが「声帯」をしっかりと考慮したものになっているというのがポイントになります。

というのも声量をアップさせる土台(声の出発点)はもちろん『息』なのですが、『声帯の連動』がなければ声量を効果的にアップさせることはできません

*もちろん息だけを鍛えても声量には効果的なのですが、結局は『息と声帯の連動』がゴールになる。なので、最初から息と声帯の連動までを考慮して鍛えていけばいいだろうと。もちろん息だけを鍛えても声帯は後から息についてくるので問題はないですが。これに関して詳しくは『息と声帯の連動について』の記事にて。

 

また歌に使える声量というのは「思いっきり力を入れた声量」よりも「力を入れていない楽な状態での声量」の上限を上げることの方が重要だと考えられます。

そういう点でも『楽に出せる声量の限界点』に焦点を当てるのはいいことだと思います。

このトレーニングの弱点

このトレーニングは

  • 地道でつまらない
  • ゴリ押ししたくなる

みたいなところが弱点と言えるでしょう。

無理するくらいのトレーニングの方がやってる感を感じやすいですし、”表面上の成長速度”も早く感じるでしょうから。

 

しかし、「歌に使える声量」「コントロールできる声量」を上げるという観点では負荷の高いトレーニングにいきなり取り組むのはあまり良くない可能性もあります。

もちろんゴリ押しするトレーニングが必ず失敗するとも限りませんが、そういうトレーニングは変な声の出し方の癖をつけたり変な発声になってしまう恐れもあります。

しかも”無理な頑張り”が必要なトレーニングはつらいので中々長続きしません。

 

筋トレでもストレッチでもなんでもそうですが、コツコツと焦らず長期的に積み上げた方が最終的にはいい結果を生むことが多いのと同じように声量もじっくりと丁寧に鍛えたほうが長期的には目的を達成しやすいはずです。

応用トレーニング・部分トレーニング

基本的なトレーニングのやり方は上記までのような流れでいいと思いますが、色々とやり方を工夫したり息だけに特化したトレーニングも追加することで成長速度を早めることができるでしょう。

ここでは

  1. 声を遠くへ飛ばすトレーニング
  2. ドッグブレス
  3. 「スッ」トレーニング
  4. 息を吐き切るトレーニング
  5. 風船トレーニング
  6. パワーブリーズなどの器具を使う

というものを紹介します。

①声を遠くへ飛ばすトレーニング【声量を出す体の使い方】

一つ目はすごくシンプルなトレーニング、『遠くに声を飛ばすトレーニング』です。

声量について難しく考えすぎると、逆に忘れがちになってしまいますが、

  • 遠くへ声を届けようとする=大きな声量になる

というシンプルな考え方は意外と大事です。

トレーニングはこんな感じ(*再生位置2:30〜)↓

近づいたときに、「遠くから声を出す感覚・意識のままで発声しなさい」と指導していますね。

これが声量を出すための体の使い方や感覚を体で覚えていくというトレーニングになります。

 

実質的な練習空間が広くなくとも、グラウンドで100メートル先の人に聞こえるよう声を飛ばしているような状況のイメージを持つことが大事です。

②ドッグブレス【吐く力・息の瞬発力・息と声帯との連動性】

名前の通り犬の呼吸のように発声練習をするトレーニングです。

トレーニングイメージ(*再生位置1:29〜)↓

 

どちらかと言えば息の瞬発力やアタックが鍛えられやすく瞬発的な面での声量アップに役立つと考えられます。

”どちらかと言えば”であって、『横隔膜』『息と声帯の連動性』も鍛えられやすいので声量全般に効くいいトレーニングです。

③「スッ」トレーニング【吐く力・息の使い方】

「スッ」という発音を利用するトレーニングです。

トレーニングイメージ(*再生位置1:01〜)↓。

声を出すときの「息の使い方」「息の流れ」のイメージうぃつけることで息の能力を向上させ、声量アップにつながります。

また「ス」という発音が歯で息をせき止めている負荷になります。

④息を吐き切るトレーニング【吐く力・肺活量】

これは『息が尽きるまで声を一定に出しながら息を吐き切るトレーニング』です。

発音はなんでもいいと思いますが、秒数を数えながらのトレーニングはおすすめです。

*先ほどの動画の2:09〜のトレーニングです。45秒でやっていますが、秒数は自分の能力に合わせて調節しましょう。

 

このトレーニングの主な目的な「息のコントロール」ですが、これによって「息をしっかりと使う力」「息を吐く力」「肺活量」を鍛えられますので、息が鍛えられて結果的に声量に効果的と考えられます。

⑤風船トレーニング【吐く力特化】

『風船を活用して息を吐く力を鍛えるトレーニング』です。

トレーニングイメージ(*再生位置*4:40〜)↓

 

風船が大きな負荷となり、息を吐く力を効果的に鍛えます

動画のように「膨らます→空気を抜く→膨らます・・・・」と連続的に繰り返しましょう。

⑥パワーブリーズなどの器具を使う【吸う力特化】

息を吸う力(呼吸筋)が鍛えられるグッズを使うと効率よく鍛えやすいです。

”歌のベンチプレス”とも言えるグッズで、普通のトレーニングではなかなか成果が出ないときや、手っ取り早く息を鍛えたい時はこれを使うのが効果的です。

ボーカリストは持っておいて損なしかと。

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