歌の雑学・研究・考察

「絶対音感」と「相対音感」と歌唱力の関係性についての研究

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今回は

  1. 絶対音感
  2. 相対音感

と歌唱力の関係性についての研究です。

「絶対音感」と「相対音感」

  1. 絶対音感・・・ある音階を完璧に識別できる能力。英語で言う「Perfect pitch」。
  2. 相対音感・・・ある基準の音に対して相対的に音階を認識できる能力。英語で言う「Relative pitch」。

 

絶対音感

絶対音感は、簡単に言えば「人間チューナー」みたいなもので、その音の高さを完璧に瞬時に識別します。

「ド」や「ド#」はもちろんのこと、「ドとド#の中間」や「中間でどれくらいズレているか」まで認識できる能力です↓

実は、

  • 赤ちゃんの時は誰もが持っていると言われている
  • 6歳くらいまでに訓練しないと消えていく
  • 持っている人も歳をとると、半音くらいズレることがある

というような謎が多い能力でもあります。

 

相対音感

これは度合いはどうであれ、誰もが持っている能力。

基準の音(音や音楽など)に対して、

  • 音程を合わせる
  • 調和する・ハモる
  • あえて音を外す(これもある意味相対音感)

みたいなものでしょう。

基準に音に対する距離が判別できる能力ですね。

 

この二つはよく比較されますが、ある意味別の能力と考えたほうがいいかもしれません。

 

歌唱力に必要なのは基本的に『相対音感』

基本的に歌唱力に必要なのものは「相対音感」です。

これは能力の性質が違うことからも明らか。

 

そもそも日本はもちろん世界的にみても絶対音感を持つシンガーってかなり少ないですよね。

そういう点からも必要なものではないと言えると思います。

 

では、「どういう相対音感」が必要なのか。

 

簡単に言えば、

  • 楽曲のキー・スケール・コード進行に調和する

という能力が重要だと考えられます。

 

この能力が高ければ高いほど「歌唱力」というものに直結すると言えるでしょう。

 

優れた相対音感(調和能力)はこういうことが可能になる↓

一見普通に歌っているだけですが、これはアンマリーさんがYOUTUBEに転がっている無料のサンプルビートに歌を付けたもの集です。

相対音感に優れていると、音楽に即興でメロディをつけていくこと(調和すること)などお手の物ということでしょう。

 

「楽器と調和する音楽」というジャンルである以上は、「相対音感」が鍵なのですね。

 

ちなみにですが、相対音感って絶対音感に限りなく近づける↓

いい意味でやり過ぎてますね。笑

このように相対音感って訓練次第で限りなく絶対音感的な能力に近づけることはできる(つまり、絶対音感を持っていない人も訓練次第でここまではいけるはずです。やったことないので保証できませんが、、。)

 

ここまでくるとこれはもう絶対音感なんじゃないかと思いますが、やはり厳密にはそうは言わないようです。

絶対音感って”絶対的な音の記憶・間違えることのない判別”なのですね。

 

この方の訓練は基準の音に対してどれくらいの距離感の音かという相対的感覚を鍛え抜いて判別している。つまり、ある程度の期間ごとに自分の感覚をチューニング(メンテナンス)しなければいけない。

 

対して絶対音感は瞬間的かつ正確に判別できますし、自分をチューニングする必要が一切ないのですね。

まぁ動画のタイトルや中身にもあるように「歳をとると絶対音感を失うことがある」とされていますが。

絶対音感を使いこなすシンガーもいる

確かに歌に絶対音感は「いる」か「いらない」かで言えば、本質的には「いらない」でしょう。

しかし、どんな能力も使い方次第とも言えると思います。

 

歌における絶対音感の大きなメリットは二つあると思います。

  1. 自分自身が楽器のように楽曲の「キー」となれる
  2. 究極の時短ツール

という面。

 

例えば、このライブの始まり方は絶対音感ならでは↓

特に注目は1:15〜のアカペラのハーモニーを誘導した後、演奏が「ジャーン!」と鳴り出したときに『キー・調』が完全に合っている。

これは絶対音感がないとかなり厳しいパフォーマンスですね。

 

楽器は「ミ」を押せば「ミ」が鳴りますので『正確なキー』を作ることができますが、人間は基本的にそれができない。だから楽器に合わせる側です。

アカペラグループでも音叉を使って音取りしたりしますよね。

しかし、それと同じことが自分一人でできるのなら『自分自身が出発点になってキーを作れる』ということです。

 

あとは、弾き語りなどを自分の歌いやすいキーで即興でできます。つまり、最強の時短ツール

この「自分のキーで弾き語りをする」って時間をかければ、なんなら初心者でもできることではあると思います。

要は時間の差。

ミュージシャンならその速度がどんどん速くなってくるのでしょうが、絶対音感の人はそれの最速タイム(一瞬)を出しますね。

 

先ほどのジェイコブコリアーさんも同じ↓

再生位置のように音取りなしでピアノより先に声を出して、そのあとピアノを弾いても調がズレないのは絶対音感の強み(*自分の曲や歌いなれた曲なら普通の人もできるでしょうが、他人の曲で瞬間的に自分のキーに変換してこれができるのが強み)。

 

脳にチューナーが入っていて、そのチューナーが自分の感覚とリンクしているようなものでしょう。羨ましいですね。

 

このように絶対音感は使い方次第では歌にも大いに役立つと考えられます。

  • 「必要」か「不必要」かで言えば、「不必要」
  • 「得か」か「損」かで言えば、「すごく得」

というものですね。

 

歌において絶対音感がデメリットになる可能性?

確かにすごくお得な面があるのですが、マイナス面があるのではないかと考えられます。

それは

  • そもそも歌があまり好きになれない可能性がある

ということです(*もちろん人によるとは思いますが、よく語られますね)。

 

というのも、「歌・声」というものは楽器という括りの中では”かなり音程が不安定な楽器”です。

例えば、調律された楽器は440ヘルツを鳴らそうとすれば440ヘルツを簡単に鳴らせます。ところが、声は「440・・445・・・436・・」みたいな感じで不安定な楽器です(*数字は適当な例です。実際もっとブレるでしょう)。

 

絶対音感を持つ人はこの1ヘルツ差、2ヘルツ差すら認識できるので、

  • 「不安定さが気になって気になって仕方がない」

というような人もいると思います。

 

正確な音感を持ちすぎるがゆえに絶対的な調律を持つ音の方が心地よく感じてしまうのではないかと考えられます。

ピアノの調律ですら、「440ヘルツの調律」と「442ヘルツの調律」の差は『結構気になる』という人も多いでしょうから。

 

なので結果的に、

  • 声という楽器の不安定さが気になるからそもそも歌うのが好きになれない。歌うくらいなら楽器を弾いていたい。→絶対音感のシンガーが少ない要因の一つでは?

とも考えられます。

絶対音感を持つ人って大抵ピアニストとかヴァイオリニストなどの楽器演奏者が多いですもんね(まぁ、ピアノなどを幼少期からやっているからこそ絶対音感を身につけられるとも言えるのですが)。

今回はこんな感じで。

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