今回は、『ボイストレーニングとプロテインについて』です。
スポーツや筋トレでは、欠かせないものとなっているプロテイン。ボイストレーニングをしている人なら、プロテインを活用できるのではないかと考えたこともあるでしょう。
これに関して、結論を先に述べておくと、
理論上効果はあるはずだが、効果を実感できない
と言えます。
ボイトレの成長はスポーツと似ている
プロテインは、スポーツや筋トレなどでその成長を加速させるために有効なものとされています。
基本的に、スポーツなどのトレーニングは、
- 動きの質や強度(筋力など)
- 動かし方(神経など)
を鍛えていくものです。
そして、これらの成長にタンパク質を中心とした栄養素がたくさん必要になるので、プロテインを摂取しているのですね。
では、ボイトレの場合はどうか。
声は、
- 息
- 声帯
- 共鳴
- 発音
という4つの区分によって作られます。
そして、これらに関連する部位の「動きの質・強度」「動かし方」を鍛えるものです。
ということは、スポーツなどのトレーニングと考え方自体はあまり変わらないものと言えます。歌も体を使うものなので、当たり前と言えば当たり前ですね。
ということは、理論上はプロテインの効果があるはずです。
効果はあるはずだが、実感できない
体の成長には、タンパク質を中心とした様々な栄養素が不可欠です。
プロテインによって、体の成長に必要な栄養素を効率良く摂取できるのであれば、ないよりはあった方がいいのは間違いないでしょう。
しかし、ボイトレに関しては、筋トレやスポーツなどのトレーニングよりも、必要性を感じにくいものだとも言えるでしょう。
なぜなら、発声に関わる部位の成長は、筋トレなどのように目に見えて成長が確認できないからです。
そのほとんどが体の内部にありますし、大きな筋肉のようにわかりやすくムキムキになるような部分もありません。筋トレなどでは、これが目に見えてわかりやすいからこそ、プロテインの必要性を感じやすいです。体重や体脂肪率なども、数字として測れますから。
さらに、一般的な運動に使う体の部位と比較して、声に関連する部位の成長というものはとてもゆっくりしています(*進化も遅く、退化も遅い)。
なので、プロテインの有無と成長速度を検証しようとしても、ほとんど実感できないでしょう。
ただ、例えばもし、同じ人間が同じ条件で、
- プロテインありで、三年間ボイトレした未来
- プロテインなしで、三年間ボイトレした未来
を見ることができるのなら、プロテインありの方がプロテインなしよりも成長しているだろうというのは、予想できます。
人間の体の成長の3要素は「練習」「栄養」「睡眠」なので、そのうちの一つ「栄養」の質が高い方が成長するはず。
その差がどれだけ出るのか、というのはわかりませんが、『栄養が少ないよりはあった方がより成長する』ことだけは間違いないでしょう。
なので、結論として『理論上効果はあるはずだが、実感できない』というものになります。
もちろん、「食事から必要な栄養を完璧に取れている」というような、栄養管理がしっかりとできている人であれば話は別かもしれませんが、なかなかそれができないからスポーツ選手達はプロテインを飲んでいるわけで。
個人的にはボイトレのためだけにプロテインを飲むのはもったいない気がするので、ついでに筋トレもやると、無駄にならなくて良いのではないかと思います。