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ボイストレーニング

リップロールの最大の効果は「声帯にかかる呼気圧を軽減させること」

更新日:

今回はリップロールについてです。

この記事は

  • リップロールとは
  • リップロールの練習・活用方法
  • リップロールの『5つの効果』とその理由について
  • リップロールの注意点やデメリットについて

という内容です。

目次 非表示

 『リップロール』とは

リップロールとは

リップロールとは『唇を連続的にブルブルと震わせながら発声するトレーニング方法』のことです。

口を閉じた状態で軽く唇を『ウ』の形にして、そこに息を通して「ぶるるるるるるる」と唇だけを震わせることでできます。

よく小さい子がやったりすると思います。

リップロールのやり方

リップロールのやり方

口閉じたままを「ウ」と少し唇を尖らせます

そのまま(口を閉じた状態を意識)唇に息を吐きます

このとき唇の「ウ」の意識はそのままです

息を吐き続けていれば自然と「ブルルルルル」となるはずです

おそらくこれでできるはずですが、できない人もいるでしょう。

できない場合

唇の両端を親指と人差し指でつまみます

唇の口角を少しだけ押し上げるようにします

そのまま息を吐きます

「ブルルルル」となるはずです

コツを掴めば手を使わないでできます。その唇をブルブルさせた状態のまま声を発してみてください。それがボイストレーニングの「リップロール」なのです。

基本的にはボイストレーニングで使われる技法ですが、ごくたまに歌の中でも使われていたりもします。

歌の中でのリップロール


我慢しなければいけないこと

ちなみにリップロールは弊害というか、困ることもあります。

困ること

  • 唾が飛ぶ→我慢です。基本的にどうしようもないので、タオルを近づける、大きめのマスクをする(小さいと上手くできない)など工夫しましょう。
  • 鼻や顔がかゆい→我慢です。そのうち慣れます
  • 唇が乾く→我慢です。リップクリームで対処しましょう。

基本的にこのようなものは慣れ我慢です。

リップロールを使った練習方法

リップロールは様々なトレーニングができるでしょうが、基本的には2つのトレーニング方法で十分でしょう。

step
1
ピアノなどのスケールを使って音階に合わせてリップロール

step
2
曲を全てリップロールのみで歌ってみる

というような練習方法がいいでしょう。

単純に音階をゆっくりと上下させる練習もよし。一つの音でロングトーンをする練習もよし。リップロールのまま何曲も歌ってみるのもよし。

様々な練習方法が考えられます。

リップロール練習用音源

リップロールの練習用スケール音源ページもあるのでぜひ活用してみてください。

リップロール練習の活用例〜ミックスボイス開発〜

例えば、リップロールの練習がミックスボイスの開発に役立ちます。

声区をつなぐ

まずは音階に合わせて無理をせずに地声からファルセットまで綺麗にリップロール練習(これだけでも十分な練習です。)

声区を滑らかに移行できるように鍛えます。

ミックスボイスの開発

綺麗に繋げられるようになったら地声の上の音域(換声点より上の音域)を地声の意識でファルセットに移行しないように少し頑張ってみる。

高音域の地声を開拓していく意識で。リップロールしているので少しくらい無理するくらいが丁度いいです(が無理し過ぎないように。厳しい時はファルセットへ)。

すぐにはミックスボイス系の高音発声が出るようにはならないですが、リップロールの脱力の効果はあります。半音づつ開拓する気持ちで反復練習しましょう。

この二つ練習を繰り返していくことがミックスボイスを開発しやすい道だと考えます。

地声とファルセットの間の声帯を使い方を開拓していくようなトレーニングなどに大いに役立つと考えられます。

「リップロール」の効果

リップロールの効果には以下のようなものが考えられます。

リップロールの効果

息と声のバランスを整える

ウォーミングアップ効果がある

ピッチ感を鍛えるのにもいい

脱力を促し高音発声しやすくなる

ミックスボイスの習得に役立つ

大きなものでこの5つの効果が考えられます。

4番目5番目の効果はつながっているような感じなので一つにまとめて考えてもいいです。

この『脱力を促し高音発声しやすくなる』という点がリップロールの最大の目的だと思います。

そして、「なぜ脱力ができるのか?」

という理由がこの記事のタイトルにもあるように『声帯にかかる呼気圧を軽減させる』からと言えます。

ではその効果をそれぞれ掘り下げていきます。

息と声のバランスを整える

「呼気(息)を流さないとリップロールができない」という点でリップロールはとてもいい練習と言えます。

リップロールの状態を続けるには当然ながら息を流し続けなければ(吐き続けなければ)いけません。

そして息のスピードを一定にしないと綺麗なリップロールを続けることはできません。(*ただし、リップロール の熟練度がある程度上がるとどんな息でも対応できるようになります。良くも悪くも。その場合でも息が必要なことには変わりありませんが。)

リップロールをしている状態というのが、息を流すことを強制するのですね。もちろん声を出すこと自体息が必要なものですが、リップロールは『連続的な』息の流れを強制する力があります。息のコントロールができていない人にとってはとてもいい練習になるのですね。

つまり

「呼気を流しながら声を出すことで、呼吸と声のコントロールが上手くなる」と言えます。

言い換えると、「リップロールができれば、呼吸と声のコントロールが上手くなる」と言えます。

リップロールを練習し続けることは「リップロールができている状態」体に定着させることになります。ここでは息と声のコントロールを定着させることになります。

ポイント

リップロールは声と息のバランスを整えます。

『ウォーミングアップ効果』がある

リップロールはウォーミングアップにも最適です。

これは後半に記述するリップロールの脱力の理屈(圧力弁になる)と関係がありそれによりウォーミングアップ効果を生み出します(ここでは理屈は置いておいて後半で説明します)。

リップロールをすると脱力の効果により声帯などに軽い負荷がかかり(適度に動かす)ウォーミングアップ効果を生み出すのです。

息も流さないとできないので、息を発射する部分(肺や横隔膜)のウォーミングアップにもなりますし、その連動感のウォーミングアップにもなります。

もちろん普通に声を出すことでもウォーミングアップになりますが、リップロールの方が効果的に効率よくウォーミングアップできる人も多いでしょう。歌う前に15分やるだけで全然違います。

適さない人もいるはず

*ウォーミングアップの方法は例えばスポーツ選手でも人それぞれです。まずはリップロールが自分に合うウォーミングアップかどうかを試してみてください。

個人的な考えでは、ハードロックやメタル系などの強い鋭い声で歌うシンガーはやりすぎると鋭い声が出しにくくなったりするのかな?などと考えられます(これは後半で記述するデメリットの部分と関係しています)。

表情筋をほぐす

また当然ですが、唇や唇周りがかなり動くので表情筋をほぐしたりストレッチする効果もあります。

表情だけで声が変わるとまでは言いませんが、表情筋も声をよくするためには必要なファクターです。

また、ほうれい線予防に効くなど言われていますが効果の程は定かではありません。ただ、リップロール筋(口輪筋)が発達する気がします。

これはこれでどうなんでしょうか?美容的にはマイナス?

ポイント

ウォーミングアップ効果や表情筋ストレッチ効果あり

ピッチ感を鍛えるのにもいい

リップロールはピッチ感を鍛えるのにもとてもいいトレーニングになります。これには二つの理由があります。

リップロールがピッチ感を鍛えやすい理由

  • 音程がわかりやすい音に変化するから
  • 音の発射地点が耳により近くなるから

という理由です。詳しく解説していきます。

自分の出している声の音程を聞き取りやすいとピッチ感が良くなる

これは言うまでもないですね。だから「バケツやダンボールをかぶれ」「お風呂で練習しろ」と言われるのですね。

ココがポイント

自分の出している音程が聞き取りやすいと言うことは外耳(耳の外から聞こえてくる音)で聞く音の比率が多くなっていると言うことです。

自分の出している音がわかりやすければ、音程も合わせやすいと言うことです。

当然、演奏も外から聞こえてくる音なので、自分の出している音を外耳で聴けるようになることで、ピッチが合わせやすいのです。

なぜリップロールは聞き取りやすい?

これは先ほど書いた二つの理由です。ひとつは、

音の出発点が外側に出ている(耳に近い)練習法だから

だと考えます。

どういうことか

声は普通声帯で作られ、そこから口を経由して外へ出ていきます。この場合音程が作られている音の出発点は声帯なので位置としては喉の奥ですね。

これがリップロールだと一度唇にぶつかって再度音となるので、唇から出てくる音のように感じられます。音の出発点が外側に近ければ外耳に近いわけですから、聞き取りやすいということです。僅かな誤差ではありますが、意外と変わってきます。例えば口の前に手をおくだけでも自分に聞こえる音は随分と変わってくるものです。音楽は若干の違いが大きな違いになることもあります。

 

もう一つは

唇の振動による倍音がピッチを感じやすい

という点です。

どういうことか

リップロールは特有の「ぶるるるるる」という倍音が生まれます。(正確には「るるるる」。声と合わさり「るるる」に聴こえます)

唇の「ぷるるるる」という倍音に音の性質が変化するので、音程を感じ取りやすいのです。普通に声を発するよりも倍音が単純化すると考えています。声には様々な倍音が乗っており、それを唇でシンプルな音階を聞き取りやすい倍音に変換するのです。

つまり、リップロールによって音程が聞き取りやすい状態に変化しているということです。

ちなみに倍音が多いと音程が聞き取りにくいのはシンバルなんかがそうですね。シンバルの「シャーーーン」という音は倍音が多すぎて「何の音(音階)?」と訊かれると判別できないですね。逆に倍音の少ない音、例えばサイレンの音などは音階が非常にわかりやすいです。

このように倍音は少ない方が音階を認識しやすいのです。そしてリップロールはその音階がわかりやすい音に変化させていると考えています。

リップロールをすることで

音の出発点が外耳に近づく

音程が聞き取りやすい音に変化する

この二つの点で自分のピッチを感じやすいという効果が考えられます。

ポイント

リップロールはピッチ感を鍛えるにも大きな効果あり

脱力を身につけ高音発声しやすくなる

リップロールはその特性上、喉の脱力に非常に効果があると考えられます。

そしてこの脱力の理屈こそ、リップロールに中でも非常に重要なポイントで効率よく喉のコントロール能力を向上させるのに大きく役立っているものなのです。

まぁでもリップロールをしっかりとできていれば理屈なんてあまり深く考えないでも効果はあります。なので、あまり難しく考えたくない人は「リップロールは脱力に良くて、高音の練習になる」とシンプルに考えても大丈夫だと思います。

ただし、

この脱力の理屈を深く考えることでわからないよりは練習の成果が出やすいでしょう。

何よりリップロールのデメリットについても考えることができます。そうなのです。リップロールはものすごくいいトレーニングなのですが、「デメリット」が存在すると考えています。全てにおいて万能なトレーニングなどないのですね。

脱力の理屈についてこれから述べていくのですが、非常に長くなるのでお付き合いください。また、医者でも科学者でも何でもない一個人の考察なので、その理屈や効果を保証するものでもありませんのでご了承ください。

リップロールがなぜ『脱力に最適』で『高音発声の練習になる』なのか?

この章では、「なぜリップロールが脱力・高音発声にいい練習なのか」について考察していきます。

この脱力の理屈について先に考えられる答えを述べておきます。

それは『リップロール(唇)が呼気圧を支えるもう一つの声帯(弁)の役割をすることで脱力できる』ということです。重要なので囲っておきます。

重要

『リップロール(唇)が呼気圧を支えるもう一つの声帯弁)の役割をすることで脱力できる』

「何を言っているの?」と思うでしょうが、それで大丈夫です。

これからその理屈を詳しく書いていきます。

ただ、このリップロールの脱力の理屈について考えるには、まず喉(特に高音域)がなぜ締まるのかについて簡単に把握しておく必要があります。

高音で喉が締まる理由

高音域、特にファルセットではない高音域で喉が締まる理由を簡単に言うと

喉が締まる理由

声帯をコントロールする能力の不足

が原因です。

高音発声が苦手な人というのは基本的に声帯のコントロールが上手く出来ていないのです。

そして声帯のコントロールが苦手な人が高音を出そうとするときに起こる二つの現象

  • 声帯が締まる
  • 息を強く吐こうとする

この二つのことが同時に起こると思います。

これは

声帯を伸展(引き伸ばす)能力がないために、声帯閉鎖(収縮)に頼りすぎることになり結果的に喉が締まる。

また、声帯閉鎖(収縮)をうまくコントロールできないから喉が締まる

もしくは、音程を上げようと息を強く吐いて、その呼気圧を支えるために喉が締まるというものです。

つまり声帯コントロールが上手くできない場合声帯だけの力では閉鎖できないので外側からの力を借りて閉鎖しようとします。これが『喉が締まる』と言うことです。

この声帯閉鎖によって音程がコントロールされていると考えると、

このように声帯が動いて音程を調整していますし、声帯がうまくコントロールできている状態です。

しかし、高音が苦手な人の場合はこのように喉の周りが締まるのですね。

そしてもう一つは息を強く吐くことで声帯がその息を支えられなくて起こる喉締めです。

長くなってしまうので簡単に説明しましたがこれらを複合的に考えるのが「高音で喉が締まる理由」です。

高音が苦手な人

  • 声帯を一緒に喉が締まってしまう→声帯のみを締めれる能力がない、その神経・筋肉が発達していない
  • 息で押し出そうとして声が割れる→声帯が締めきれないから声帯が息の圧力(呼気圧)に負けて声が割れる

この喉が締まる理由について詳しくは長くなってしまうので、興味のある方はこちら。

喉締め発声の原因と対策について

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リップロールが呼気圧を支えるもう一つの声帯(弁)になる

さて、ようやくリップロールの出番です。

ようやく本題という感じです。

リップロールがなぜ脱力や高音発声に最適なのかということについて踏み込んでいきます。

ここで先ほど述べていた、リップロールは「呼気圧を支えるもう一つの声帯(弁)になる」ということが重要になってくるのです。

リップロールは声帯(弁)を唇で疑似的にもう一つ作っているのです。

ココがポイント

リップロールの動きは「唇を閉じてそこに息の圧力をかけることで振動する」ことで「ブルルルルル」と鳴るのです。

この動きが「閉じた弁に息を通して震わせる」という点で声帯の動きと同じような動きをしているのですね。つまり疑似的に第二の声帯を作り出しているのです。そうすることで、呼気圧を支える第二の弁の効果を果たすのです。

これがリップロールの練習法における最大の鍵です。「ん?第二の声帯(弁)になることでどうなるの?」と感じるかもしれませんね。もしかしたらカンのいい人ならなんとなく、その効果が見えてくるかもしれませんが。

ちなみに「声帯以外で呼気圧を支えるためなら、口を閉じてハミングにすればいいのでは?」みたいな疑問もありそうですね。でもそれだと息の圧力の出口が鼻に抜けるだけです(口が出口の時よりは出口が狭いですから、僅かながら声帯にかかる圧力軽減になるかもですしれません。それもハミング練習の効果と言えば効果ですね)。当然鼻を塞げば、息の出口はありません。

リップロールが最適なのです。

では呼気圧を支える第二の声帯(弁)になることでどうなるのかについて書いていきます。

リップロールが呼気圧を支える第二の弁になることでどうなる?

リップロールが呼気圧を支えてくれることによって声帯にかかる呼気圧が軽減されます。

イメージではこういうイメージです。(数字もあくまで例です。)

声帯にかかる呼気圧が軽減されるということは強い呼気圧をかけたときに声帯が割れにくくなるということです。

唇が呼気圧を支えてくれているので、声帯が普通の状態よりも息の圧力に耐えられる(負けない・音にできる)のです。耐えられるということは割れないということですね。

高音が苦手な人は声帯が割れないように声帯を閉鎖させよう(音をしっかりと鳴らそう)として余計な喉の締まりを生み出します。声帯を呼気圧に耐えられるように支えようとして。

その圧力が軽減されるということは支えようとする力(余計な締まり)が弱くなるということですね。

つまり

リップロールをすることで声帯が割れにくくなる→余計な締まりが少なくなると考えることができます。同じ意味として声帯が呼気圧に耐えられる→余計な締まりが少なくなるとも言えます。

例えば声帯が70の呼気圧までしか耐えられないもの(声帯のみを閉鎖できるのは70まで)と仮定すると、下の図のように30の喉全体を締める力(余計な力)を使って、100の呼気圧を支えられるように声を出そうとします。

そんな喉を持つ人がリップロールをしている状態だと、

このように30の力を脱力することができるのです。

これがリップロールの脱力の理屈だと考えられます。

もちろんこの数字はあくまで例としてあげているものなので、実際の度合いは人それぞれですし、本来はこんな数字では測れないものです。あくまで単純化して説明するための図解です。

この脱力を利用して声帯のコントロール能力を向上させる

リップロールをしている状態では呼気圧の関係で喉の締まりを軽減することがわかりました。

さて声帯の状態はどうでしょう?声帯の状態はそのピッチを維持する声帯の形を取っています。いつもなら余計な力に頼らないと声帯を支えられない(閉鎖できない)けれど、リップロールしている状態は余計な力を軽減した上でその音を鳴らせる声帯の状態を維持できているのです。

おそらくリップロールを解くと、何秒間かは持ちますが、だんだん時間が経つにつれて声帯が維持できなくなってきて喉が締まってきたりすると思われます。無理な高音ほどリップロールを解くとわかりやすいです。これはリップロールの力を借りているということですね。

つまり、この脱力状態でトレーニングすることで、余計な力に邪魔されずに必要な声帯のコントロール部分を鍛えることができると考えられます。

喉に力が入った状態でのトレーニングは喉が締まる余計な力が入った状態なので、余分な力の影響で鍛えたいところへの大きな成果が得られないということです。つまり、リップロールにより声帯を直接コントロールしている部分のみを集中的に鍛えやすくなる(動かせるようになる)と言うことです。

もちろん脱力状態を維持することで、その状態が癖づいてくるという面でも効果があると考えられますね。

リップロールがなぜ脱力に最適で高音発声の練習に最適なのか?のまとめ

ここでのまとめは以下のようになります。

脱力の理屈まとめ

1、リップロールで練習する

2、呼気圧が唇で支えられる

3、余計な力が普段よりもいらなくなる(脱力)

4、声帯周りが在るべき形に近づく

5、本来使うべき部分(声帯をコントロールする部分)に負荷がかかりやすくなる

6、その部分が鍛えられて声帯をコントロールしやすくなる

7、余計な力が入らずに鍛えた部分を動かして高音が出せる

このように考えられます。

なので、大事なのはリップロールをやったからといってすぐに高音が出せるようにはならないということです(一時的には普通に比べると少しは出せるでしょうが、急激な成長という点では難しいでしょう)。リップロールをすることでより効果的に訓練できるということが重要です。

この脱力がリップロールがミックスボイスを身につけやすいということに繋がります。

ポイント

リップロールは脱力につながる

ちなみにですが、リップロールとよく同列に並べられる練習として『タングトリル』がありますがこれは全く別の方向からの脱力アプローチです。よく同じと言われますが別物です。

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それは「リップロールのやりすぎ・慣れすぎによって、声帯閉鎖が弱い(ゆるい)のが癖になる」ということです。

もっとわかりやすく直接的に言うと、「弱々しい声になる」可能性があるということです。

この「慣れすぎて」と言うところも結構重要なのですが、それをどの程度と線引きすることはできません。

個人的な感覚ですが、「不自由なく低音域から高音域まで綺麗にリップロールできるようになる」くらいが慣れてきた頃だと思います。

この状態でリップロールの練習をやりすぎると、弊害が出てくるだろうと考えています。特に高音域帯、もっと言うとミックスボイスに大きな影響を与えるかもしれません。何事もやりすぎはよくないということですね。

なぜデメリットが生まれるのか?

『高音域まである程度の脱力状態でコントロールできるような人』は、余計な力をフルに使って喉がすごく締まってしまう状態からは解放されていると思われます。

そういうある程度の能力がある状態(リップロールのような疑似的な脱力を必要としない状態)でミックスボイスの音域帯のリップロールを集中的に繰り返すと脱力状態が癖になり声帯を強く締める(強く鳴らす)ことが難しくなってくる可能性があります。

リップロールは声帯にかかる呼気圧を軽減させ喉を脱力させますが、不必要な圧力の軽減は声帯閉鎖自体を弱めます(喉の余計な力ではなく

その結果息が流れやすい状態を生み出します。

その息を流す状態が癖になって過度な脱力(鳴りが弱い・閉鎖が弱い)状態を生み出します。つまり『薄い声帯閉鎖のミックスボイス』になりやすいということです。

ココがポイント

これはリップロールに最適化した状態の練習を繰り返すとそうなると考えています。

つまり、『ミックスボイスまである程度の脱力状態でコントロールできるような人』がリップロールで高音のミックスボイスの練習をしたいときは、ある程度りの強さを意識して練習した方がいいと考えています。

そうやって鳴りの強さや声帯自体の閉鎖感を意識して練習できればいいのですが、ここで『問題』が出てくるのです。

問題点

声帯がある程度コントロールできる人にとって鳴りの強い声での高音リップロールはやっていてある程度苦しいのです。

この苦しさは喉が締まる苦しさではなく、呼気の負荷的な面で苦しいのです。

なぜなら、ある程度の呼気圧を声帯が受け止めきれているので(声帯を綺麗に閉鎖できている)、唇の弁はただ息を止めている弁でしかない状態になっているのです。

つまり脱力の余地が喉周りにはないということです。

この脱力の余地が喉周りにはないが問題なのです。

「その呼吸面で苦しいリップロールを最適化しよう(楽をしよう)と声帯の閉鎖自体を緩めるような脱力状態が癖になる」懸念があるのです。その結果「薄い声帯閉鎖が癖になる」のです。

このように余計な力がない場合は、不必要なところ(声帯の閉鎖)まで脱力するのが癖づいてくるのです。つまり、喉が脱力できてある程度声帯コントロールがある人でかつ強く高音を鳴らしたい人にとってはデメリットになる恐れがあるということです。

ちなみに、ミックスボイス以外でも当然その懸念はあります

しかし、ミックスボイスのような中高音発声に比べるとそういう弊害は現れにくいかもしれません。

なぜなら地声やファルセットはある程度の特殊な声帯閉鎖(地声やファルセットに比べて)を必要としないので、リップロールを繰り返しても変な癖がつきにくい(地声などは普段使いますし)と考えています。というより地声やファルセットの音域帯は薄く声帯を使うほうが好ましい音域帯です。(これは完全に個人の音楽観によるでしょうが、ミュージカルやオペラのようなジャンルでなければ、そういう傾向が強い。)理屈的には地声でもファルセットでも同様のことが起こります。

デメリットのまとめ

ある程度の声帯コントロールを持った人が練習をしすぎると上記のような状態が癖となり、癖が度を越して弊害となってしまうという内容でした。

ただしデメリットと感じるかどうかは個人次第です。薄く柔らかく高音域帯を歌いたい人にとっては嬉しい限りなのかもしれません。それでも薄々・弱々な声にはなりたくないでしょうから、注意した方がいいでしょう。

まぁこの点を頭に入れておくだけで違うと思います。

何度も書いていますが、これはあくまで『ある程度のミックスボイスのコントロールを身につけ脱力の余地があまりない人』のお話です。なので、そうではない人にとっては非常にいい脱力効果を生み出すはずです。

なので、「なんかやり過ぎて声が薄くなってきたな」とか「あれ?声帯をしっかり鳴らせなくなってきたな」という感じが出てきてそれが嫌だと感じる人は注意です。そういう方は地声やファルセットの練習やウォーミングアップ程度に抑えたほうがいいかもしれません。

【リップロールの向き不向き】

綺麗な声・柔らかい声・薄い声を目指す→向いている

力強い声・硬い声・金属的な声を目指す→向いていない

こういう点で綺麗系のミックスボイスに向いている練習だと考えています。

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ポイント

綺麗系ミックスボイスを習得するのにとても良い練習方法

まとめ

この記事についてのまとめです。

リップロールのまとめ

■リップロールは様々な練習方法ができる

■リップロールには多くの効果がある

■リップロールには注意点やデメリットが考えられる

ということです。かなり長くなってしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございます。

リップロールの練習用音源ページはこちらです。

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