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声の悩み・歌の悩み

声変わり(変声期)のボイストレーニングでの注意点や失敗

更新日:

今回は変声期のボイストレーニングについて書いていきたいと思います。声変わりの時期というのはボイストレーニングをあまりしてはいけないという風によく言われます。

実際にはどうなのでしょうか。

結論から言うと、

  • 「やり方次第では危険」

だと考えられます。

実は個人的にも声変わりの時期に変なボイストレーニングをして苦しんだ経験があります。

今回はそんな声変わりの時期のボイストレーニングについて書いていきたいと思います。

『声変わり』は男性と女性で違う

まず男性と女性の声変わりについて当たり前ですが、理解しておかなければいけない点があります。

 

声変わりは男性女性で大きく違うということ。

 

どう違うのか?

それは『変化する音の落差の幅』です。

 

と言うのも、

子供の頃は男の子も女の子も同じような音域の声で個人差はあれどほとんど声の音域は変わりません。

子供の頃は男女の音域差はあまりないのです。

ところが変声期を終えた男性、女性の声は大きく音域に差があります。

つまり、

男性の方が『声変わりによって変化する音域が大きい』ということが言えますよね。

 

もちろん女性も変化する人は大きくするでしょう。男性でもしない人はしないでしょう。

当然ながら個人差はあります。

 

ポイント

女性も声変わりするが、男性の方が声変わりの影響を受けやすいかもしれない

 

歌の上手い中学生・高校生って女性が多い

よく歌うまのテレビ番組とかYOUTUBEなどで上手い中学生だったり高校生が出てきたりしますね。

そういう人たちって女の子が多いような気がしませんか?もちろんその年代の上手い男の子もいるのはいるでしょう。

 

ただ、変声期の歌うまな男性は少ないですよね?女の子の方が多い印象がありませんか?

これが20代過ぎると同じくらいの割合になると思われます。

 

これはつまり「声変わりが大きく関係している」と考えられます。

 

女の子は

音域が声変わりであまり変化することがありません

ほとんど変化しないような人もいます。そうなると小さい頃から使ってきた声帯の使い方のまま声を出すことができます。

さらに変化が少なければそれだけ完成するのは早いですよね。さらに変声期が訪れるのも男の子より女の子の方が大抵は早いですね。

 

よって歌が上手い中学生・高校生は女の子の方が多いのでしょう。

 

女性の変声期

つまり女性の変声期は

  • 声の変化が少ない
  • 声の変化がすぐに終わる
  • 声の変化が早く来る

という点が考えられます。

 

なので変声期の場合、女性の方がボイストレーニングの結果も出やすいでしょうし、危険も少ないということが考えられます。

 

ポイント

女性の方が早く歌が上手くなりやすいのは声変わりの影響も大いに考えられる

 

男性の声変わり

逆に男性の変声期による声の変化量を考えると変声期の時期のボイストレーニングが危険かもしれないということが考えられます。

 

男性の変声期

男の子の声変わりは

  • 声の変化が大きい
  • 声の変化が長い時間かかる
  • 声の変化が遅い

ということが考えられます。

もちろん個人差はあるはずです。

 

特に

  • 声の変化の大きさ
  • 時間がかかる

という点はボイストレーニングにおいて注意しなければいけません。

 

例えば、プロのシンガーだと三浦大知さんが変声期のため5年ほど活動を休止した例もありますし、世界的なシンガーのジャスティン・ビーバーもかなり丁寧に変声期を乗り越えていたと思われます。

2010年4月、ビーバーは「誰もが声変わりするものだよ。変声期は自然なもので、今は僕の声に必要なことをやっているし、世界で一番のヴォーカルコーチがついているんだ。(中略)「Baby」で出していた高音のいくつかはもう出せない。生歌のときにはキーを下げなくちゃいけないんだ。」と語った

引用元:wikipedia『ジャスティン・ビーバー』より

それくらい重要な時期だということ。

音域の変化もしっかりと受け入れていますね。

 

声の変化が大きければ

練習しても安定しませんし、常に変化の中にいることになります

また時間がかかるからこそ、安定せずに変な癖や声の出し方になってしまう危険性があるのです。

もちろん、変化が小さい人なら多少問題ないかもしれませんが。

 

なんにせよ声変わり中は

  • 声がかすれる
  • 裏声が出ない
  • 高い声が出なくなる
  • 声がすぐにひっくり返る

など様々な問題が多く起こります。

 

変声期中のこれらの悩みは『変声期だから』の一言で片付けられる場合もあると考えられます。

 

具体的に何をしてはいけないのか

無理な高音の練習(特に地声のように聞こえる高音域=ミックスボイス?)は特にしない方がいいかもしれないですね。

 

おそらく

声変わりの時期は人生の中で一番高音が出しにくい時期であると言えるでしょう(老化による衰えは別として)。

出しにくい時期であると同時に

  • 『一番高音に憧れや魅力を感じる時期』

なのです。

これは出せないから魅力を感じるのかどうなのか理由はよくわかりませんが、そういう傾向があるように思えます。

 

出しにくい時期に出そうとしてもそりゃあ、なかなか出ないでしょう。

それでも出そうとして変な癖がついたりしてしまうのです。

 

憧れはあるでしょうが、練習は無理しない方がいいです。

だって一番出しにくい時期なのですから。

 

無理な練習をすると具体的に何が起こるのか

無理な高音域の練習をすると、魅力のない高音域を手に入れることになるかもしれません。

 

何が起こる

具体的にどうなるかは個人個人によるでしょうが、

  • 綺麗な高音ではない
  • 割れたような声
  • 金属的な高音
  • 響かない弱々しい高音

など色々と考えられます。

 

もちろん音域として高音は出せるようになるでしょう。

むしろミックスボイス”的な”発声は普通より成長が早いかもしれませんね。

 

しかし、その間も声変わりは進行しているのです。

 

声変わりが進行する中での無理な練習は弊害を生み出す可能性があります。

  • 変な癖がついたり
  • 響きのない音色になったり
  • ファルセットが出なくなったり

と様々な問題が考えられます。

 

特に高音

例えば、無理な強い高音を出そうとたくさん練習するとファルセットが出しにくくなったりします。

そうなると、高音を出すとき金属的に音をあげることができても抜けるような綺麗な高音が出せなくなります。

 

抜けるような声帯の使い方ができなければ、おそらく金属的な高音も魅力的なものではないでしょう。

変声期だからこそ悪い癖が定着してしまうのですね。

 

個人的な体験

個人的な話ですが、僕も変声期の時に調子に乗ってたくさん練習してかなり高音域まで地声のように高音が出せるようになりました。

今考えると、結構無理して

さらに女性くらいの音域で歌えるようになっていました。

しかも響きも悪くはなく力みもなく太く出せていたと思います(個人的に)。

「ファルセットなんて使いたくない。裏声は逃げだ。力強い高音が正義だ。」と思っていました。

そして、地声のような高音が出せると調子に乗っていました。

しかし、変声期が進むにつれて気がついたらファルセットが出なくなっていました

どうしても地声のような高音になってしまう。それでも綺麗な響きが作れていればいいのかもしれませんが、声変わりが終わりに進めば進むほどに、どんどん薄い響きになっていき大きく鳴らそうとすると締まったような金属的な発声になってしまうようになったのです。

ファルセットも出ないし、高音も響きがないし、金属的だし薄いしで大変な思いをしました。

今考えると、初期でいい高音を出せていたのはファルセットもまだ使える声帯であったから綺麗に響くミックスボイスと言われるような発声(or地声の高音)が使えていたのでしょう。

それがファルセットを使う神経が無理なボイトレと変声期の影響で退化してしまい、変な癖がつき、どんどんファルセットの使えない声帯になっていったから、響きのない金属的なミックスボイスになったのではないかと思います。

 

これ元に戻すのすごく大変でした。

まぁ僕は結構声変わりによる変化が大きかったので、全ての人に当てはまるわけではないと思いますが。

 

しかし、これが変声期の変な癖と言えるでしょうし、変声期だからこそ定着してしまうんですね。

そしてこういうことがあるから変声期に無理な練習はしてはいけないと言われるのでしょうね。

 

どう練習すればいいのか

変声期の時期は「とにかく無理をしない」ことが重要です。

無理をしないとはあらゆる面でも言えるのですが、特に高音域で無理をしないということです。

 

つまり、強い地声の高音が出したい気持ちを抑えて、無理せずにファルセットを練習することをお勧めします。

 

女性も同じことが言えるでしょうが、男性は特に。

 

ファルセットは

子供の頃は大抵みんな出せますし、大人の女性も大抵は出せます

しかし、男性は変声期を終えるとファルセットを失ってしまう・出せない人も結構います

そうなる前にファルセットを失わないように日々練習するのがいいでしょう。

地声に関しても決して無理をしない。きつい音域はすぐにファルセットに切り替える。変声期だとファルセットも出しにくいので安定して切り替えることもできないかもしれません。

その時はファルセットが低く出せるように練習しましょう。無理してきつい地声は出さないほうがいいです。

 

にも関わらず変声期が一番人前で歌う機会が多い

これが厄介ですね。笑

変声期の時期は、みんなでよくカラオケに行き、カラオケで気持ちよく歌っている友達が羨ましい時期でもあります。

地声が高くて歌えている人や、声変わりがあまりなかった人など様々な人がいますから。

が、そこで無理して高音を出せるようになっても後で失う危険性があります。

 

であれば、今は無理せず楽に綺麗に響くことを意識する方がいいと思います。

上手く歌えないときは言い訳しましょう。

「今変声期だから、上手く歌えないんだ」と。

 

ポイント

  • 高音域で無理しない
  • ミックスボイス(or 地声の高音)を意識しすぎない
  • ファルセットの練習をしっかりとする

 

変声期の女性は男性ほど気にせずに練習してもいい可能性もありますが、人によっては同様のことは起こり得るはずです。

気をつけましょう。

 

変声期男性であればファルセットを失わないように、広い音域でファルセットを出せるように練習することをかなりおすすめです。

強い高音域は声変わりが終わればそのうち出せます。

 

しかし、ファルセットを一度失うと取り戻すのは大変です。

まぁ逆に言えば、ファルセットを失わないなら無理な高音練習もやっていいと考えることはできますが・・・。

どうでしょう。

もちろん全ての人に同じように当てはまるわけではないですからね。

 

なので、

結局無理するもしないのも自分次第

成長期だからこそ無理なトレーニングによって革新的な成長ができる可能性があるかもしれませんが・・・・・個人的にはやめた方がいいと思います。

 

ちなみに変声期の時期の僕がこの記事を読んだとしても、きっと「俺ならできる、ファルセットなんて嫌だ!」と練習してしまうことでしょう。

そして苦しみます。笑

 

結局は自分次第です。

が、参考程度にしてみてください。

 

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