今回は「裏声が出ない原因」についてです。
この記事は
- 裏声が出ない原因
- 裏声がかすれる原因
という内容です。
裏声が出ない原因【大きく3つ】
裏声(ファルセット)が出ない・出なくなった原因には大きく3つの要因が考えられます。
- 変声期
- 使わなさすぎて退化した
- 過度な地声の高音発声(orミックスボイス)の出しすぎ
という3つが考えられます。
一つづつ掘り下げていきます。
①変声期
変声期で裏声が出なくなることはよくあります。
もしくは、逆に変に声が裏返ったりしやすかったりと、とにかく変声期は声が不安定です。
もし、現在自分が変声期で裏声が出ないと悩んでいるのなら、変声期が終わるまで待ちましょう。
男性も女性も同様のことが起こるでしょうが、特に変声期中の男性は裏声が全く出なくなることもあるので我慢です。
変声期は、声帯粘膜が充血し、透明さを失い、粘液の分泌も増加すると共に、声帯の急激な発育に対して声帯筋の発達が伴わないため、声がうまく出ないことがあります。
引用元:『ボーイソプラノと変声期』より
変声期は、一番声が出にくいにも関わらず、歌や音楽に興味を持ち始めることが多い年代でもあると思います。
我慢するのは大変でしょうが、そこで我慢できずに無理な高音を出そうとすることの方が危険だと思われます。
「どれくらいで変声期が終わるのか?」と言われると、『人による』としか言えません。性別の差もありますし、個人の差もあります。早い人もいれば遅い人もいるということです。声変わりが始まって安定するのに3年以上かかる場合もあるそうですね。
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②使わなさすぎて退化した
裏声を全く使わない生活を続けていると、いざ出そうと思った時に出せなくなっているという状態です。
日常生活で『地声』はほとんどの人が使っているでしょうが、よほどのことがない限り裏声は使わないですからね。
使わない発声は、当然退化していくはずです。
出し方すら体が忘れてしまったという場合も考えられますね。
また、こういうことは先ほどの変声期中に起こりやすいとも考えられます。
「長い受験の戦いが終わっていざカラオケに行くと、いつの間にか裏声が出なくなっている」みたいな。
もちろん、変声期以外でも何もしなければ同じようなことは起こるでしょう。
このように
- 裏声を完全に失ってしまった場合は、一から開発していくしかない
でしょう。
失った裏声を開発するのは結構大変ですが、しっかりと訓練すれば出せるようになります。
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③過度な地声の高音(orミックスボイス)の出しすぎ
過度な地声系の高音発声(もしくは俗に言う”ミックスボイス”)の出しすぎで裏声が出なくなるというものですね。
「え、そんなことあるの?」と思うでしょうが、普通にあり得るでしょう。
無理な高音発声や、その練習を続けているということは、本来裏声になるべき音階を地声のような音色で発声しているということです。
裏声になるべきところを無理な高音発声ばかりで発声していればどうなるかは想像つきますよね。
当然、裏声を出す能力が退化していき、地声の高音(orミックスボイス)しか出せなくなる可能性は非常に高いです。
「高音が出せれば全然いいよ、むしろいいじゃん」と思いますか?
そこは、人それぞれの価値観なのでなんとも言えないのですが、個人的にはそうは思いません。
輪状甲状関節の亜脱臼?
無理な高音発声を続けたりして陥る症状に「輪状甲状関節の亜脱臼」なるものが存在するようです。
簡単に言うと声帯を動かす関節が脱臼しちゃってるんですね。厄介なのは自分では全く気づかないし、日常生活にもなんら支障がないことです。
そうなると、そもそも「正しい裏声が出せない喉」になっているなどの可能性もあります。
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裏声がかすれる原因
こちらも大きく3つの理由が考えられます。
- 風邪や声帯ポリープ・声帯結節
- 変声期
- 裏声を失いかけている
裏声が出ない原因とかぶるところもありますが、一つづつ掘り下げます。
①風邪や声帯ポリープ・声帯結節
風邪で声帯粘膜が腫れている、もしくはポリープなどが原因で裏声がかすれるということもあります。もちろん、裏声が全く出なくなることもあります。
こういう声帯にダメージを受けている場合はどうしようもないですね。
たとえプロのシンガーでも風邪をひいて喉が炎症を起こしてしまうと、裏声が全く出なくなったりすることは普通にあることです。
風邪の場合は安静に、ポリープなどは病院へ行きましょう。
②変声期
先ほどと同様の理由ですが、変声期は裏声だけでなく、地声ですらかすれます。
「嗄声」と言われる、かすれ声になりやすい時期なのですね。
変声期が理由で裏声がかすれているのなら、終わるまで我慢するしかないでしょう。
③裏声を失いかけている
裏声がかすれているということは、裏声を失いかけている可能性があります。
かすれているということは、出せるか出せないかで言えば出せる状態ではあるでしょうが、失っている過程にある可能性があります。
かすれている状態でもちゃんとした裏声であるのなら、辛抱強く出し続ける練習をすると、しっかりと鳴るようになってくると思われます。
かすれた裏声を練習し続けるのは、自分で聞いても嫌になったりと大変でしょうが、たくさん使って失わないようにしましょう。
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