声の悩み・歌の悩み

声量がない・小さい原因について

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今回は『声量がない・小さい原因について』の内容です。

声量を構成する3つの要素『息・声帯・共鳴』から、”声量がない原因””声量を増やすには何が重要か?”という部分についての研究です。

結論だけ先に述べておくと、

  • 声量に最も重要なものは『

です。

声量とは

声量とは主に「声の大きさ」「声の強さ」の量のことです。

意味としてはこれ以上のものはないのですが、これだと少し漠然としているので歌においては

  1. 声の音量
  2. 声の通り
  3. マイクの通り

このように分ける必要があると考えられます。

もちろんこれらは切り離されているものではなく基本的に密接に関係しているものですが、必ずしも比例関係とは限らず、反比例の関係性になる場合もあるのである程度切り離して考えなければいけないこともあると考えられます。

 

今回は『音量』という意味合いでの声量について中心に掘り下げていきます。

声の通りについてはこちら↓

声が通る人・通らない人の特徴|改善やトレーニング方法

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マイクの通りについてはこちら↓

”マイク乗りのいい歌声”についての研究

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声量がない・小さい原因は主に3つ

声量がない・小さい原因は主に

  1. 息の力が弱い
  2. 声帯の鳴りが弱い
  3. 共鳴腔が狭い

という3つの要因が考えられます。

もちろんこれらがその全てではないのですが、声の3要素は「息」「声帯」「共鳴」なのでこの3つを軸として考えることで声量の問題はほぼ解決できる理屈です。

声量を構成する3つの要素

声を構成する要素は

  1. 声帯
  2. 共鳴

の3つに分解できます。

声は

  1. 息の力で声帯を振動させて音を作る【①+②】
  2. その音を共鳴させて音を増幅する【(①+②)×③】

という過程で作られています。

なので、声量をコントロールするのも『この3つの要素をどうするのかで決まる』と考えることができます。

①「息」と声量

  1. 息の力が強いほど声量は大きく
  2. 息の力が弱いほど声量は小さく

なります。

例えば、思いっきり息の勢いをつけて「はっ!」と声を出すのと、そっと息を吐いて「はっ」と声を出すのでどちらが声量が大きくなるかは明らかですね。

息の力で声帯を強く振動させるのか↓

 

弱く振動させるのか↓

このように『息の力や勢いと声量は”その他の条件が同じならば”比例関係にある』と考えることができます。

 

つまり単純に考えると「息を鍛えれば声量は上がる」と言えますし、実際そうなります。

理由は後半に説明しますが、声量において最も重大な要素は「息」です。

 

意識的にコントロールする息の力も重要ですが、無意識・無自覚なレベルで発揮できる息の能力が非常に大事です。

トレーニングはこちらにまとめています↓

声量を上げる方法・トレーニングについて

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②「声帯」と声量

もし、「息の量」が同一の条件であるなら、

  1. 声帯を強く鳴らす(強く閉じる)のか
  2. 声帯を弱く鳴らす(弱く閉じる)のか

で声量は変化します。

 

声帯は息を音に変える部分です。

「音」として音量を大きくする場合は声帯はしっかりと閉じている状態の方が大きく鳴ります。

  1. 「は~~~」とため息をつくように声を出す
  2. 「あ”~~~」としっかりと声帯を閉鎖させて鳴らした

のとでは後者の方が断然「音量は大きい」ですよね。

 

例えば、赤ちゃんの泣き声が大きく響き渡るのは声帯の鳴りが強いからと言えるでしょう。

赤ちゃんの小さな体では多くの息を送り出しているとは到底考えられないですし、共鳴が大きいとも考えられないですよね。

 

つまり、『声帯をどう鳴らすか』によって声量は変化します。

ただし、これは人それぞれ声質のタイプなどがあるので、一概に「こう鳴らせばいい」という感じではなく自分の声帯と向き合う事が重要でしょう。

 

声帯の鳴りの度合いは一つの重要な視点です

濁音のトレーニングは声帯の鳴りを鍛えるのでオススメです。

『濁音のトレーニング』は声帯の鳴りを鍛える

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③「共鳴」と声量

もし、発する音(「息」と「声帯」)の条件が同じなら

  • その音が響く空間(共鳴)の広さ

が音の大きさを決めます。

 

例えば、ウクレレとアコギを同じ力で弾いてもアコギの方が大きな音が鳴るのは音が共鳴する空間(ボディー)が大きいからですね。

声も同じように共鳴する空間があり、その「大きさ」「どこを主体に共鳴させるか」で音量が変化します。

 

共鳴は大きく分けると上方向(鼻腔・口腔=軟口蓋〜上あご)と下方向(咽頭)への共鳴があります。

 

ただし、共鳴腔は骨格によって決まっているので”基本的に”大きくすることはできません

共鳴はあくまで『持っているものをどう活かすか』という部分のコントロールになります。

 

一番、声量へのインパクトが大きくコントロールしやすい部分は咽頭共鳴です。要は喉仏を下げる(あくび喉・喉を開く)ことで共鳴空間を広げるものです。

ただし、この共鳴を作りすぎるとクラシック寄りの発声になります(*それを求めている人はそうすべき)。

 

共鳴は声量においては重要なものではあるのは間違いないのですが、ポテンシャルの部分が大きく「声量を上げるために努力してできることは少ない」です。

発声における3種類の共鳴について

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3つポイントを順番に考える

これまでの3つの要素『①息→②声帯→③共鳴』と”順番に考えること”もかなり重要だと考えられます。

  1. まずは息を鍛える
  2. 声帯が鍛えられる
  3. 必然的に大きく共鳴する

のように考えることが大事です。

 

理由は「声の素(息+声帯)」と「音色の増幅(共鳴)」は声の素の方が重要度が高いからです。

 

共鳴は『音色の増幅』が役割なので、増幅する音色自体が大きくないと意味がないのですね。

例えるなら、ギターをそっと鳴らすよりもウクレレを強くかき鳴らした方が音量は大きいみたいなものです。

 

もう一つの理由は「鍛えられる余地の差」ですね。

よく「声量を鍛えるときはまず息を鍛えなさい」と言われるのはこういうことですね。

先ほどの息の章でも書きましたが、「意識的に強く吐ける」のも大事ですが、「無意識レベルでの息の強さ」のような息の基礎能力みたいなものが大事です。

もともと声が大きい人などはこの無意識レベルでの息の強さが基本的に強い。

 

さらに、”声帯”は息の力に追従します

要は、息の力に”合わせよう”とする。毎日ランニングしていたら心肺機能が自然と向上するのと同じように、強い息に合わせて声を出そうとしていると声帯がその息の力についていこうとするみたいな感じです。

 

つまり、息を鍛えることで声帯がその息に合う鳴りができるように自然と鍛えられる(成長する)

逆に言えば、思いっきり息を吐いても最初は声帯がついてこないとも言える。

 

これが『息と声との連動』で、この連動を意識するのもすごく重要。

息に声を乗せる【”息の重要性”とその連動について】

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この3つの要素以外は直接的因果関係が薄い

「息」「声帯」「共鳴」以外は声量との因果関係が薄くなります。

例えば、

  • 腹筋を鍛えて声量を上げる
  • 背筋を鍛えて声量を上げる
  • 姿勢を改善して声量を上げる

などなど。

筋トレや体にまつわる何かのトレーニングで声量を上げるというものですが、

  • これらが「息」「声帯」「共鳴」の3つの要素に大きな影響を及ぼすのであれば効果的だが、大きな影響がないのなら効果的ではない

と考えるべきでしょう。

 

例えば、

  • 腹筋を鍛える→体幹が強くなる→姿勢が良くなる→横隔膜の動きがスムーズになる→息のコントロール能力が上がる

とします。実際にそうなるかはなんとも言えませんが、こうだと仮定します。

これって腹筋をすることは声量を上げるために効果的ではないと言えますよね(*そもそも実際に腹筋は効果的ではないと考えられる。腹筋運動は基本的に腹筋の伸縮能力が向上するだけです。背筋も同じです。)

 

もっと直接的な方が手っ取り早い↓

  • 横隔膜を鍛えるトレーニング→息のコントロール能力が上がる

このように3つの要素に直接的に関わるものを鍛えることが声量アップに効果的だと考えられます。

ちなみに息のトレーニングは横隔膜のトレーニングでもあるので、やはり息を鍛えるという部分が重要な鍵になると考えられるのです。

横隔膜と発声の関係性について

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