声や歌について

歌声と姿勢の関係性について

投稿日:2019年12月5日 更新日:

今回は発声と姿勢の関係性についての内容です。

歌においては「歌うときは綺麗な姿勢を保つことが重要」「猫背はダメだ」などと言われたりしますが、実際には「そこまで大事なのか?」と疑問に思うこともあるでしょう。

個人的な結論としては『歌うときの姿勢は良いに越したことはないが、悪くても人によっては大きな影響はない』と考えています。

今回はそんな歌声と姿勢についてです。

歌う姿勢を正しく保つことでプラスになること

発声において姿勢を保つことで何が良くなるのかを考えることが重要ですね。

背中を丸めたような猫背と比較した場合ですが、

  • 横隔膜の上下運動の質が良くなる
  • 首をまっすぐに保つことで喉頭・喉仏の上下運動の質(共鳴に関わる)が良くなる

この二つが大きなメリットであると考えられます。

もちろん他にも背中が使える・腰やお尻が使える・体全体を使いやすくなるなど非常に深い感覚論もありますが、大きくはこの横隔膜や喉頭部分に繋がってくるものだと思います。

横隔膜の上下運動の質が良くなる

横隔膜は肺の空気の出し入れを行う器官・筋肉ですね。この横隔膜の上下が息を『吸う・吐く』に直結しています。

なので横隔膜の上下の動きがしっかりと動くほどの息を出し入れしやすいということになります。

ここで極端に猫背だったりした場合は、お腹が凹み気味になります。そうなると当然横隔膜の動きは制限されます。

このようなことから姿勢がいい方が良いと言われるのですね。

ただ、横隔膜の動きを阻害するほどの姿勢の悪さって逆に難しかったりします。相当猫背にならなければいけません。

ちなみに

『姿勢を良くすると高音が出しやすくなる』みたいなことも言われていたりしますが、それも結局は横隔膜の動きに起因していると思います。

横隔膜の動きの質が良くなる=呼吸のコントロールの質が良くなる=高音が出しやすくなる

みたいな理屈だとは思いますが、まぁ高音に対してもそこまで重要ではないというか、姿勢を良くしたからって高音出るわけではないでしょう。あくまで呼吸のコントロールの面をベースに出しやすくなるだけだと考えられます。

首をまっすぐに保つことで喉頭の上下運動の質が良くなる

これも先ほどの横隔膜のお話と同じようなものなのですが、喉頭・喉仏を柔軟に動かしやすくします。

特に下方向へ喉仏を下げるような動きをする時に、顎を引いたりして首や姿勢を正しく保つことでより深く下げやすくなります。

喉仏を下方向へ下げることはつまり咽頭共鳴(下方向への響き)を強くするものです。つまい深い響きや太い響きを生み出す共鳴のための動きです。

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つまりこの動きの質のためには姿勢をしっかり保つことは重要なのですね。

あとは姿勢を綺麗に保つことで先ほどの横隔膜を整え肺を大きく膨らますことで少しでも体の容積を膨らまして共鳴空間を広げようとすることも考えられます。

どちらもクラシック音楽の観点での大きなメリット

この『横隔膜の上下運動』にしても『咽頭共鳴の質』にしてもクラシック音楽において重要なのものですね。

クラシック音楽における発声は基本的にマイクを使うことを前提としていません。なので劇場内に大きく響く発声法を鍛えていくことがメインになりますね。

つまり

シンプルに声量が必要になります。しかも瞬間的・一時的な声量ではなく、持続的にずっと鳴り続ける大きな声量が必要なのです。

なので、呼吸面や共鳴の面は欠かすことができないものですし、そこを極めなければいけないものであると考えられます。

なので姿勢を綺麗に保つことで横隔膜を最大限まで使い、下方向への共鳴も最大限にさせているのですね。

ちなみに

上方向への共鳴(鼻腔や軟口蓋)ではダメなのかと考える人もいるでしょうが、それだけじゃ足りないのです。

上方向への共鳴は広げられる共鳴空間が限られており、マイクなしでは声量を劇場に響き渡る声量を生み出せません。

なのでクラシック音楽の人は咽頭共鳴をしっかりと保ち、喉を広げたような深い発声をするのです。

そしてそういう点から『姿勢を綺麗に保ちなさい』という教えがあるのですね。姿勢がどうこういうと言う人はクラシック出身の人が多い気がします。

どこまで必要かで姿勢の必要性は変わる

上記のようにクラシック音楽では姿勢を保つことで得られるメリットは大きいです。なので綺麗な姿勢を保つことは非常に重要と考えられます。

ではマイクを前提に歌うポップスはどうでしょうか?

もちろん歌う楽曲などにもよるでしょうし、やりたい表現にもよるのでしょうが、重要度は低いのではないでしょうか?(少なくともクラシックと比較して)

クラシック

クラシックはマイクなしで声量を得ることに非常に重きを置いているので、そこを極めるため・最大限の声量を得るために姿勢を正しく保っています。

ポップス

ポップスは動き回ったりシンガーによっては座ったり寝転がったりする人もいますね。それはそこを重要視してないからですし、最重視しなくてもマイクがあるので囁くだけでも会場に響き渡ります。よほど悪い状態を作らなければそこまで大きな悪影響は出ないと考えられます。

もちろん悪影響が出るのであれば、悪影響が出ないくらいの姿勢は保つべきです。例えばブリッジのような反り返った姿勢であれば、流石に発声は難しいように。

つまり

姿勢を保つことは人によっては重要ですし、そうでもない場合もあるということ。

姿勢を良くする目的が大事

ここでのまとめは『姿勢を良くしろ』という教えは姿勢を良くすることで何が良くなるのかを考えることが重要ということです。

呼吸面・咽頭共鳴の共鳴空間を最大限使い切るために姿勢を良くするのであって、それを頭に入れておかないと何もわかってない状態で姿勢を良くしたところであまり歌は向上しないでしょう。

そして姿勢を良くすることで得られるメリットが自分の歌に必要かどうかで姿勢の必要性が変わります。

なので、『姿勢が良いに越したことはないが、悪くても人によっては大きな影響はない』と考えられます。

まぁあくまで歌においてであって、基本的に姿勢がいい方が歌以外でのメリットも多そうですね。

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