発声方法

ウィスパーボイスについて

投稿日:2020年2月1日 更新日:

この記事は

  • ウィスパーボイスの定義
  • 発声原理
  • 出し方・練習方法
  • ウィスパーボイスと「声量」「声区」について
  • ウィスパーボイスと声質の関係

という内容です。

ウィスパーボイスの定義

ウィスパーボイス(whisper voice)とは

  • ささやき声のこと

です。

主に、小声やヒソヒソ話で使うような声ですね。

 

ただし、厳密にはっきりと定義できるわけではないので、どこからどこまでが『小声・ヒソヒソ話』なのかを判断するのは個人の感覚に委ねられます。

どこまでを”歌におけるウィスパーボイス”とするか

歌におけるウィスパーボイスも人によって解釈が違うので、極論を言えば『人それぞれ』となってしまうのですが、それだと話が終わってしまいますので。ある程度しっかりと定義をつけておきましょう。

 

ウィスパーボイスの段階としては3段階

  1. 無声音
  2. ささやくような発声
  3. 息が多く漏れる発声、息の流れが多い発声

に分けられるでしょう。

 

無声音

まず、『無声音(声帯を鳴らさない声)』これは誰にとっても100%ウィスパーボイスと言えるものだと思います(*再生位置2:14〜)

 

ささやくような発声

次に『ささやくような歌声』。

人によって変わってくると思うのですが、これは大体ウィスパーボイスと言えるだろうと思います。

 

息が多く漏れる声

次に『息が多く漏れる声』『息の成分が多い声』。この辺りの発声が「ウィスパーボイスと言うには微妙だが、ウィスパーボイスと言えなくはない」という微妙なラインになってくると思います(*冒頭あたりの発声)↓

「強いウィスパーボイス」とでも言うべきなのか、「息が多い普通の発声」と言うべきなのか微妙なラインですね。

 

今回はこのあたりの発声までをぎりぎりウィスパーボイスの上限くらいと考えて話を進めたいと思います。

ウィスパーボイスの発声原理

ウィスパーボイスは『声帯における”披裂軟骨”という部分が開いた発声』と言えます。

 

意味がわからない言葉で出てきたと思いますが、あまり気にしなくていいかと。

すごく簡単に表現すると、まず声帯は開いたり閉じたりして声を作っています↓

 

閉じた時に声帯が振動して声になるのですが、まず「無声音」=ヒソヒソ話の声帯の状態はこうなってます↓

この開いている部分が『披裂軟骨』です。

この部分が開くことで息がたくさん漏れて、かつ声帯部分を振動させないことで「無声音(ウィスパーボイス)」になります。

 

図でイメージしにくい方はこちらで(*再生位置21:09〜図とは上下が逆です)↓

ちなみに通常の発声の開閉イメージは20:34〜にあります。

 

で『ささやくような歌声』『息漏れが多い歌声』『息が多く流れる歌声』はこの状態のまま声帯が振動している発声と言えます↓

このように原理で考えると”披裂軟骨”の開きがウィスパーボイスを作っていると言えます。

 

まぁあまり難しいことは考えずに何かが開いていると考えておけばそれで問題ないのですが、何がおきているかをイメージしておくことは重要でしょう。

ウィスパーボイスの出し方や練習方法

おそらく「無声音」は誰でも出せるでしょうから、一定の声を作らなければいけない『息漏れが多い発声』『息が多く流れる発声』という意味でのウィスパーボイスの出し方です。

 

ウィスパーボイスの出し方

  • まずはため息だけ吐きます。「はぁーー」。
  • イメージを掴むのと体に覚えさせるために何度かそれを繰り返すのがオススメ。
  • 次にそのため息を吐く状態にほんの少しだけ声を乗せます。
  • 息っぽく「あ~~~」となったはずです。
  • これでウィスパーボイスは完成しています。

 

ウィスパーボイスは出すこと自体は簡単なはずです。

ただし、これを使いこなして歌を歌うのが難しい場合は多いでしょう。

 

息をすぐに使い切ってしまったり、体力の消費が激しかったり、息と声帯のバランスが上手く取れなかったりと。

 

おそらく、そういう人は「慣れていない」というのが一番大きいと思います。

つまり、息を多く含ませた発声状態に慣れる=「繰り返し練習する」ことが大事だということです。

 

息と声のトレーニング

息のトレーニングや息と一緒に声を鍛えるトレーニングはウィスパーボイスにトレーニングに大きな効果があると考えられます。

息系のトレーニングは

がオススメです。

 

毎日少しづつでも続けることでウィスパーボイスもコントロールできるようになってくるでしょう

ウィスパーボイスと声量

おそらく、練習していると「ウィスパーボイスって声量小さくない?」と感じる方もいると思います。

 

これは半分は正解で半分は不正解でしょう。

もし、『声量=音量』とするのならウィスパーボイスは声量が小さいと言わざるを得ないでしょう。

しかし、『声量=声の通り・マイクへの通り』とするのならそこまで気にしなくてもいいはずです。

 

磨かれたウィスパーボイスはささやいているはずなのに、ものすごく綺麗に音が通ります。

このようによく通るウィスパーボイスは息の倍音成分が多い(息の流れが多い)という特徴があります

なので、声量の心配をするなら『いかに綺麗に息を流せるのか』というところに着目していけばいいと思います。

ウィスパーボイスと声区(裏声のウィスパーボイス)

理論上ウィスパーボイスは裏声にもあります。

 

ただし、そもそも「裏声」という発声状態が息っぽくなりやすいという性質があります。

なので、「普通の裏声」と「ウィスパーボイスの裏声」にそこまで大きな音色の差がつくわけではないとも言えます。

 

ただ、理屈は地声と全く同じです。

ウィスパーボイスと声質のタイプの関係

その人がもともと持っている声質によってはどう発声してもウィスパーボイスっぽく聞こえるという場合があります。

 

これは

などが当てはまりやすいです。

要するにもともと息が流れやすい声質を持っているので、ウィスパーボイスの条件を自動的に満たしやすいのですね。

 

なので、こういう声質を持っている人はウィスパーボイスのような発声をしやすい、もしくは嫌でも自然とウィスパー系の発声になってしまうとも言い換えることができます。

ウィスパーボイスっぽい声が標準搭載されている喉を持っていると言えます。

ウィスパーボイスの治し方

先ほどのように、いい意味で何をどうしてもウィスパーボイスになってしまうという人はいますが、それによって困っているという人もいると思います。

 

こういう人は先天的なものであれ後天的なものであれ、何らかの理由で声帯が閉じにくいタイプなのですね。

 

つまり、『声帯が綺麗に閉じるようになればいい』。

できることとしては、吸気発声エッジボイスなどで改善できる可能性がありますので、一度長期的に継続してみましょう。

 

しかし、個人の状態次第なので何とも言えません。

例えば、もともと持っている声質の要素が強い場合、声質を変えるのはかなり難しいでしょうし、ポリープなどができていてウィスパーボイスになってしまっているのならそれは訓練ではどうにもなりません。その場合は病院へ。

 

もともとの声質でそうなってしまう場合は、個人的にはそれを活かす方がいいのだろうと考えています。

音楽においてはウィスパーボイスだけでも素晴らしい表現をすることはできるはずです。デメリットもありますが、メリットもたくさんあります。

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