今回は「声と筋トレの関係性」についてです。
筋トレをすると、声が変わる可能性がある
筋トレをすることによる声の変化は
- 声が低くなるかもしれない
- 声が「出しやすくなる」or「出しにくくなる」かもしれない
というものが考えられます。
ただし、ほとんどの場合そう大きく変化するものではないでしょう。
①筋トレすると声が低くなる?
「筋トレしたら声が低くなる」とよく言われます。
これは二つのパターンが考えられます。
- 声帯自体が若干低めになる
- 声の響き・話し方が変わる
声帯自体が低くなる
これは、ほとんどは『ホルモン』によるものだと考えられます。
特に筋トレはテストステロンと呼ばれる男性ホルモンが多く分泌されるので、そのホルモンの影響によって声が若干低くなる可能性があります。
男性ホルモン・女性ホルモンは声の形成にも大きく影響を与えるものです。例えば、テストステロン注射によって女性の声を持っている人も男性の声へと変化します。
性同一性障害 Female to Male(FTM/GID)症例に対する男性ホルモン投与では声が低くなることが経験的に知られている
テストステロンによる声の変化の例↓
このようにホルモンは、声に対して大きな影響力があります。
もちろんこれは、医療行為によって体を変化させるくらいのものなので「筋トレ」とは比べものになりませんが、筋トレによってテストステロンが増加するのであれば、かなり小さいながらもこのような変化は起こると考えられるわけです。
なので、若干ではありますが筋トレをすると声は低くなっていくことも考えられます。ただ、実際にはほとんどわからないくらいの変化ですから、気にする必要はないでしょう。ボディービルダーがみんな声が低いかと言われれば、全然そうでもないですから。
声の響き・話し合し方が変わる
筋トレによって、体型が変化することで、
- 声の響き方が変わる
- 自信がついて話し方が変わる
ということはあります。
特に、筋トレによって体型が大きく変化すれば、声の響き方も変わりますし、心理的な変化が声の出し方にも影響するでしょう。
結果として、「声が低くなった」という印象を持たれることもあるかもしれませんが、響き方が変わったのなら「低くなった」ではなく「太くなった」と表現する方が正確ですし、話し方が変わったとしても、実質的に声が低くなった(=声帯が変わった)わけではありません。
②声の出しやすさが変わる
筋トレをすると『体型が変わる』『姿勢が変わる』ので、結果的に横隔膜や声帯周りに影響を及ぼします。特に、横隔膜は姿勢や体幹の影響を受けやすいので、筋トレで声の出しやすさが変わることもあるのですね。
ここで問題なのが、出しやすくなる・出しにくくなるという両方のパターンがあることです。
例えば、スポーツ選手が余計な筋肉をつけすぎて動きが鈍くなってしまうことがあるように、発声においても、邪魔な筋肉であれば悪い方に働くことがあります。
どう変化するにしても、大きな影響はないだろう
上記までのように、筋トレは声を変化させる可能性があるのですが、どんな変化をするにしても、筋トレが直接的に声に強く影響することはほとんどないでしょう。
なので、筋トレで声が悪くなることを恐れる必要はないですし、声を良くしたい時は筋トレではなく、ボイトレをした方がいいということになります。
もし体のことに限定すれば、筋肉をつけることよりも、体の柔軟性の方が声に影響しやすいです。なので、体の面で言えば、ストレッチの方がおすすめです。