今回は、強い鳴りの高音発声に役立つ「ネイ」「ヤイ」トレーニングについて掘り下げます。
「ネイ」「ヤイ」トレーニングとは
「ネイ」「ヤイ」トレーニングとは、似たような効果を持つ二つのトレーニングをまとめてそう呼んでいます。
- 「ネイ」
- 「ヤイ」
この二つの発音を使ったトレーニングのことです。
①「ネイ」トレーニング
その名の通り「ネイ」の発音で発声するトレーニングです。
トレーニングイメージ↓
このように、「ネイ」を連続的に繰り返す練習方法です。
この発音によって、舌の奥がバウンドするような動きになります。
この動きが、舌根をしっかりとほぐしてくれる(=舌根を固まりにくくする)ことで、結果的に喉に余計な力が入りにくくなります。
つまり、舌根をほぐして脱力を促すということです。
なぜ、「ナイ」じゃなくて「ネイ」が良いのかというのも、舌の奥が一番動きやすいからだと言えます。
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力まず強い高音を出すための「ネイ」「ヤイ」トレーニング
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また、「ネ」も「イ」も、声帯をしっかりと鳴らしやすい発音です。
この二つの発音を連続的に繰り返すことで、舌根をほぐしながらも鳴りの強い発声のトレーニングができるということです。
さらに、「ネイネイ」と連続で発声することで、あごの力みもほぐします。
顎が力むのは『高音』が原因になることが多いです。
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歌うとき下顎が力んでしまう原因について
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最後に、「ネイ」の発音は上方向へ響きを集めやすいという特徴があります(というより下方向へ響かせにくい。)
「ナニヌネノ」の中で「ネイ」である理由は、一番上方向へ声を集めやすいからというのも一つの理由になります。
音色が浅くなり、声が鼻にかかりやすい。これによって声をしっかりと前に出します。
「ヤイ」トレーニング
その名の通り「ヤイ」の発音で発声するトレーニングです。
「ヤイ」も「ネイ」と同じような理屈で舌根をほぐしてくれるので、脱力の効果があります。また、「ヤイ」の発音もアゴがしっかりと動くので、アゴをほぐしてくれる効果もあります。
「イヤ」と逆ですが、こんな感じ↓
「ヤイ」は「ネイ」と比べると、口を縦に開かなくてはならない発音です。なので、アゴの力みをほぐす効果はこちらの方が若干高いと言えます。
「ネイ」「ヤイ」トレーニングの効果
二つのトレーニングは若干の違いがあるのですが、大きな点でまとめればほとんど同じです。
- 舌根をほぐしながらのトレーニングなので、脱力を促す
- 顎を動かしながらのトレーニングなので、脱力を促す
- 上方向へ響きが通りやすい発音
- 鳴りが強い発音なので鳴りが強い声のトレーニングになる
このような効果が考えれらます。
特に、このトレーニングの大きな核の部分は『舌根』『あご』。
ここをしっかりと動かしながら発声することで、声帯の力みと切り離します。
強い鳴りの高音開発にもおすすめ
これらの特性から、強い高音発声のトレーニングにも役立つと考えられます。例えば、ハードロックなどでよく使われるような鋭く強い鳴りの高音発声などの練習には最適でしょう。
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「ネイ」「ヤイ」トレーニングのやり方・練習方法
ピアノなどの音階をたどって発声するのが一番いい練習法だと考えられます。
練習方法
ピアノの
- 「ドレミファソファミレド」
などに合わせて
- 「ネイネイネイネイネイネイネイネイネイ」
- 「ヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイ」
みたいな感じです。
- 「ネイヤイネイヤイネイヤイネイヤイネイ」
と混ぜてもいいですね。
音階は自分で工夫してみてください。
もちろん、ピアノなしで好きな音階でひたすらに練習してもいいです。ただ、ピアノがあった方がピッチ感も同時に鍛えられるので一石二鳥です。
練習音源
音源に困っている方は『「ネイ」「ヤイ」トレーニング用練習音源ページ』を活用してみてください。
注意点
しっかり「ネイ」「ヤイ」と発音しましょう。曖昧に発音していては、効果が半減してしまうかもしれません。
また、高音域の開発などでかなり力で押しやすいトレーニングなので、過度な高音発声をしてしまいやすいです。無理のしすぎには気をつけましょう。
練習量
全てのボイストレーニングに共通して言えますが、すぐに効果が出るものではないので、焦らずコツコツとした長期的な継続が必要です。
日々の練習量は負荷によって調節しましょう。高音域などの重めな負荷のトレーニングは、休息による回復とのバランスを考えながら取り組みましょう。
まとめ
「ネイ」「ヤイ」トレーニングは、「ネイネイネイネイ」や「ヤイヤイヤイヤ」と発音するトレーニング。
【効果】
- 舌根をほぐし、顎を動かすことで脱力を促す
- 上方向へ響きが通りやすい発音で、声を前に出す
- 鳴りの強い発声のトレーニングになる
- 高音発声のトレーニングにも役立つ
【注意点】
- しっかりと「ネイ」「ヤイ」と発音する
- 無理な高音発声は避ける
- 毎日少しずつでも継続することが大切
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