ボイストレーニング

【鼻歌・ハミング練習法】のやり方・効果・練習方法について

投稿日:2017年12月1日 更新日:

今回は歌が上手くなるトレーニングとして有名な『ハミング』というボイストレーニングについて書いていきたいと思います。ハミングといえば鼻歌ですね。でも鼻歌って口を閉じて歌うこと全てが鼻歌でしょうか?それは人によっては「YES」人によっては「NO」と答えると思います。ハミング練習も突き詰めると意外と奥が深いものと考えられます。

まぁ定義が正しいとか正しくないかということよりも、どんな練習方法があるのか?その練習どういう効果があるのか?とかそういうことの方が大事ですね。そういうハミング練習の効果や目的・練習方法(基本的なハミング練習や少し変則的なハミング練習)などについて考察していきます。

ハミング練習はこんな方におすすめ

  • 鼻腔共鳴を良くしたい
  • 軟口蓋への響きを良くしたい
  • 声の通りを良くしたい
  • 声帯のコントロール能力を鍛えたい

今回はそんな「ハミング」について書いていきたいと思います。

『ハミング』とは

参考

ウィキペディアによると「鼻歌や口を閉じて歌う行為」とあります。

グーグルの翻訳でも「口を閉じ、声を鼻に抜かしてメロディーだけを歌うこと」というふうに出てきます。

どれも『口を閉じて歌う』というように書かれています。まぁこれはそういう意味の言葉なので、文句のつけようがありませんね。しかし、ボイストレーニングにおいてはこういう疑問が浮かんできませんか?

疑問

ただ単に口を閉じればいいの?

正しいハミングのやり方は?

舌の位置は?

アゴの状態は?

どこに響いていれば正解なの?

といった疑問が浮かんでくる人もいるはずです。口を閉じても動かせるところはたくさんあるぞ、その部分はどうするのが正解なのか?と。ボイストレーニングにおいて、とりあえずハミングで歌が上手くなるなどいろいろな情報がありますが、そのハミングをどうやるかで効果は変わってくるはずなのです。

もちろん適当にやっても効果はあるでしょう。しかし、成果・目的がわかって練習は意味を成すものですよね。そして、できれば効果のある方法でやりたいと思いますよね。正しいハミングかどうかはなんとも言えませんが、ハミング練習法は大きく分けて2種類の練習方法があります。

これからその2種類を説明していきますが、その前にハミングの効果や目的を頭に入れておきましょう。

ハミング練習の効果

ハミングの効果として考えられるものは以下のようなものです。

ハミングの効果

声帯のコントロール能力(特に音階コントロール)の向上

鼻腔・軟口蓋など上方向への響きが身につく

大きくはこの二つの効果が考えられます。この二つの大きなメリットがあるから、「ハミングは重要」「ハミングは歌が上手くなる」と言われるのですね。ではこの二つの効果について説明していきます。

声帯のコントロール能力の向上

一つ目は声帯コントロールの向上です。声帯のコントロールとは主に「音階・声質」などのコントロールが考えられますが、ここでは主に音階コントロールの面で鍛えられます。

なぜ鍛えられるのか?それはハミングをしている時と普通に歌っている時の「声帯の状態」の差を考えるとわかります。簡潔に言うと、『ハミングしている時は他の部位の力を借りにくいので声帯部分を鍛えるアプローチがかかりやすい』ということです。

まずはここを理解

普通に歌っている時というのは知らず知らずのうちに口の開きの力やアゴの力や喉の力を借りて発声していることがほとんどです。例えば口をものすごく開くだけで、あまり開けない状態に比べて音階が少し高くなったりしますね。これは口の開きの力も借りているということになりますよね。

このように『声帯じゃない部分の動きが声帯に作用して音階変化の手助けをする』ことがあります。そして時には音階変化の邪魔をするときもあります。

上記のようなことがあるので、発音によって・フレーズによって得意なところ苦手なところが生まれたりするのですね。『このhiCの音「あ」の発音なら出せるのに「い」の発音では出せない』みたいなことがあるのは発音が声帯の手助け(もしくは邪魔)をしているからなのです。低い普段の話し声で使うような音ならばそんなことにはならないはずです。つまり低い音のような手助けがなくてもいい音『安定した発声』と言えますし、発音の手助けがないと出せない音『不安定な発声』と言えます。

そろそろ見えてきましたね。

ということは、

これがハミングだと口を閉じた状態でアゴの動きもなく、ほとんど声帯と声帯周りの動きだけになります。つまり発音による声帯への手助けがほとんどないのです。手助けがないということは『声帯部分のみの力で音階をコントロールしなければいけない=声帯部分へかかる負荷が大きい=その部分が鍛えられる』と言えますね。

つまり、『声帯コントロールが向上しやすいトレーニング』と言えますね。

ハミングがどれだけいい練習かというのは以下の相互関係を考えるとわかります。頭がこんがらがらないように気をつけてください。

ありえること

  • ハミングで出せる音←→普通に歌っても出せる
  • ハミングで出せない音←→普通に歌っても出せない
  • ハミングで出せない音←→普通に歌うと出せる*声帯以外の力を借りているから

基本的にありえないこと

  • ハミングで出せる音←→普通に歌ったら出せない

つまりここで一番言いたいのは『ハミングで出せる音は歌っても出せる』ということ。なぜなら「ハミングという発声が声帯をコントロールする上で手助けがない(少ない)状態だから」ということです。「すっぴん(ハミング)が綺麗なら化粧(歌う)しても確実に綺麗だろう」みたいな感じです。なのですっぴんを磨くことが重要なのですね。

ハミングは発音の手助けを借りないので、全ての発声の根源(基礎)のような状態です。そしてハミングを練習することでその根源を集中的に鍛えることができるのですね。

ポイント

ハミングは声帯コントロールのトレーニングになる

鼻腔・軟口蓋など上方向への響きが身につく

鼻腔共鳴や軟口蓋共鳴がよくわからないという方もいるかと思われます。そういう方はこちらにて詳しく書いているので参考にしてみてください。

歌に必要な共鳴について|鼻腔・軟口蓋・咽頭

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ハミング練習は『口を閉じながら声を出すトレーニング』です。そうすると当然声と息は鼻から抜けます。つまり声と息の通り道は鼻の方向へと向かいます。上方向へと声が向かうのですね。声を当てる方向性をコントロールするということは響きをコントロールしているということです。それが上方向なので鼻腔や軟口蓋などの響きのトレーニングになるということですね。ハミングをやってみると説明されずとも感覚的にわかるかもしれませんが。もちろんハミングの状態で響きを下に落とすこともできますが、それは不自然ですね。

ポイント

上方向への響きがつく

鼻腔・軟口蓋共鳴の効果

ハミングの練習方法を確認する前に、この上方向への共鳴についての効果を先に考えておきましょう。なんのために練習するのかがわかっていると取り組みやすいです。

鼻腔・軟口蓋共鳴の効果

声が上方向へ抜ける

通る声になる

詳しく解説していきます。

声が上方向へ抜ける

声が上方向へ抜けるメリット

声が上方向へ抜けるということ

  • 澄んだ音色になる
  • 軽やかな音色になる
  • 明るい音色になる
  • 高い音色の倍音を持つ

という効果があります。もちろん声色を作る要因は他にも様々な要因があるので一概には言えませんが。

特に重要なのが高い音色の倍音を持ちやすいということです。これにより人の耳によく通る声になるだけでなく、心地よく聞こえるというメリットもあります。

特にポップスではこの鼻腔共鳴を重視します。オペラやミュージカルのように深い響き(咽頭共鳴・胸腔共鳴)を多く作らない分、鼻腔共鳴が重要な響きを占めています。

英語圏の歌声が心地よく聞こえるのはこの鼻腔共鳴が強いことも大きな要因の一つです。

通る声になる

上記で書いたようなメリットを考えると、通る声になることがわかりますね。

よく通る声の人、例えば声優さんの声はほとんどの人が鼻腔や軟口蓋に綺麗に響いています。どんなに低音ボイスが素晴らしい人でも(低音は下方向へ響きやすい)、鼻腔・軟口蓋にも綺麗に響いていることが多いのです。

つまりいい声・よく通る声には鼻腔・軟口蓋共鳴というのが欠かせないということです。

カフェなんかで外国人が話している英語ってよく通りますよね。あれは共鳴があるからですね。江戸時代、海外からやってきた外国人の話し声の大きさに当時の日本人は驚いたという話があります。当時の日本人がどんな風に話していたかはわかりませんが、今と変わらないのであれば日本語は咽頭共鳴主体英語は鼻腔共鳴主体の言語です。

そういう点からも上方向の共鳴がいかに声の通りや響きに重要かを考えることができます。

ポイント

声が上方向へ抜けるのは大きなメリットがある

上方向への共鳴のお手本

男性お手本

女性お手本

2種類のハミング練習のやり方

効果や目的がわかったところで練習方法に移りましょう!ハミング練習方法は2種類あります。

ハミング『M』の発音

一つ目のハミングが「M」の発音のハミングです。

『M』つまり「マミムメモ」行の発音をする直前の状態です。

「M」の発音、具体的には

口を閉じる

アゴと歯はリラックスした状態

舌は自然な位置

口の中にある程度の空間ができる

というのがこの「M」のハミングでの発声ですね。

「M」のハミングでの効果

この『M』の発音でのハミングの効果は、鼻腔への響きを身につけること軟口蓋や上アゴへの響きを身につけること です。そしてこの「M」の発音が鼻腔と上アゴへの響きを2分して均等に響かせます。

つまり、上方向への響きをバランスよく響かせる練習になるのです。「鼻腔」「軟口蓋」両方の響きのトレーニングになると言うことです。

この「M」の発音は歌における上方向への響きをバランスよく響かせることができます。そして唇と鼻の両方が振動するはずです。

声の方向性としては真上〜斜め上前くらいの方向性になると思います。

ポイント

『M』の発音のハミングは鼻腔と軟口蓋の両方へバランスよく作用する

ハミング『N』の発音

もう一つのハミング「N』の発音でのハミングです。

『N』つまり「ナニヌネノ」行の発音をする直前の状態です。

「N」の発音、具体的には

口は閉じる

歯やアゴはリラックス

舌を上アゴにつける

口の中の空間はほとんどない

という風になります。どうでしょう?先ほどの「M」の発音のハミングと違いますよね。舌の位置とそれによる口の中の空間に大きな違いがあります。

「N」のハミングでの効果

この『N』の発音でのハミングの効果は、鼻腔への響きを身につけること特化しているということです。口の空間をなくしてしまう発音だからです。

つまり、「M」でのハミングと違って鼻腔にのみ響きがいくので、鼻腔共鳴のトレーニングに特化しています。当然ながら、鼻腔共鳴のみ重点的に強化できるという効果があります。

この「N」の発音の場合、嫌でも鼻腔に響きがいきます。鼻腔に響きがいくのが苦手な方もこの練習をしていくことで響きが身につくはずです。

声の方向性としては真上〜斜め後ろくらいの方向性になると思います。鼻にのみビリビリとした振動するはずです。

ポイント

『N』の発音のハミングは鼻腔にのみ重点的に作用する

練習したい項目によって使い分けよう

どちらが正しいというのもしかしたらあるかもしれませんが、目的に応じて使い分けるのがベストですね。

ポイント

  • 鼻腔と軟口蓋の両方へのバランスのある響きの練習をしたいなら『M』ハミング
  • 鼻腔に特化した響きの練習がしたいなら『N』ハミング

という感じでしょうか。自分の状況に合わせてトレーニングを使い分けましょう。

鼻腔共鳴の簡単な体感

「鼻腔共鳴」とは言いつつ、鼻腔共鳴とはどういう感覚かというのは人によってわかりにくかったり、難しかったりします。

鼻腔共鳴を体感する方法としては「逆ハミング練習がいいです。これは鼻腔共鳴できているかどうか・鼻腔共鳴が強いか弱いかがすぐにわかるトレーニングです。

逆ハミング練習とは

逆ハミング練習とは

「鼻をつまんで声を出す」練習方法

です。

全然逆でもなんでもないんですが、なんか鼻をつまむという行為が口を閉じるハミングの逆っぽいですよね!なので、「逆ハミング」と命名しておきます。*世間では通用しませんので、気をつけてください。

逆ハミング練習のやり方

逆ハミングのやり方

  • 鼻をつまみます
  • 鼻から息が抜けない状態を作ります(苦しい人は少し空間を作って抜いて調整してもいい。)
  • 口は開けた状態で声を出す
  • 鼻声になるように声を出す

これだけです。この鼻声が重要なのです。鼻をつまんで、鼻声の状態を作るのです。

練習方法

練習方法

いたってシンプルですが、

  • 鼻をつまんだ状態でいろいろなボイストレーニングをやってみる
  • 鼻をつまんだ状態で歌を歌ってみる

です。

単純に鼻をつまむだけでいいので簡単ですよね。

ココがポイント

ここで意識して欲しいのは鼻声になればなるほど、変な声になればなるほどに成功です。なぜなら鼻声になって変な声になるのはそれだけ、鼻腔に響きがいっている証拠だからです。

その状態(鼻声)で鼻をつまんでいるのを離すと、鼻腔共鳴のある声になるということです。

つまり、鼻をつまんで「鼻腔共鳴を確かめる」ということです。

注意点

ココに注意

鼻腔に声を通すイメージをしっかりともつ

しっかりと鼻声にすること

声を出す時に鼻に振動やビリビリとした感覚を感じるように

鼻をつまむ以外は普通に声を出す

ただ、鼻をつまむだけでも鼻声になるのですが、しっかりと目的を考えて鼻腔に響かせる意識(鼻声にする)ことが重要です。

ココがポイント

試しに、鼻をつまんだ状態で響きを下方向へ響かせてみましょう。なるべく下方向(咽頭共鳴)だけになるようにします。

すると意外と普段の声に近づくはずです。これは鼻腔への共鳴を塞いでも響きを下にやっていれば、響きが上にいかないため鼻を塞いでいる影響を受けにくいから普通に近い声で声を出せるのです。もちろん完全に影響を受けない訳ではないです(つまりどんな声の出し方をしても鼻腔への響きをゼロにすることはできないということ)

これを利用すれば、逆に咽頭共鳴の練習にもなります。つまりなるべく鼻をつまんだ状態で逆に鼻声にしないという練習法です。

逆ハミング練習のポイントとしては、「いかに変な鼻声にするか」ということが「どれだけ鼻腔共鳴しているか」を測る指標になるという点です。

ポイント

しっかりとした鼻声が鼻腔共鳴の体感につながる

逆ハミング練習の効果

逆ハミング練習の効果

鼻腔への響きが意識しやすい・わかりやすい

鼻腔への響きが身につく

練習方法次第では逆に咽頭共鳴の練習にもなる

というところですね。鼻腔共鳴や咽頭共鳴を確かめる指標になるというがこの練習のいいところですね。そして、どちらを練習するにしてもわかりやすい指標が「鼻声」なのです。

ポイント

逆ハミング練習は鼻声を指標に共鳴の練習ができる

息と鼻腔の「フン」トレーニング

次はハミング練習強化トレーニング「フン」トレーニングについて書いていきたいと思います。ハミング練習の派生系というか、ハミング練習の応用系のトレーニングです。

「フン」トレーニングで

  • 鼻腔に声を通すイメージが強まる(より鼻腔共鳴が意識できる)
  • 息のトレーニングにもなる

では「フン」トレーニングについて説明していきます。

「フン」トレーニングのやり方

「フン」という文字の表記で書いていますが、実際は「ん+h」という感じの音になります。

ハミングの「N」の発音のまま息の勢いをつけるようなニュアンスです。

やり方

  1. 口を閉じます
  2. 舌は力まず自然に上アゴにつけます
  3. 口の中の空間をあまり作りません
  4. そのまま声と一緒の鼻から息を吐きます
  5. 勢いよく「フン」

どうでしょうか?「フン・ん+h」と鳴ったはずです。鼻で笑う感じです。鼻にティッシュを詰めている状態から鼻で飛ばすような感じです。

このトレーニングは息と一緒にハミングで響きを鼻腔に通してしまおうというトレーニングです。

やり方

ピアノの音階に合わせて練習します。

「ド・ミ・ソ・ミ・ド」

に合わせて

「フン・フン・フン・フン・フン」

です。そのまま音階を上げていきましょう。

まぁ音階は実際なんでもいいです。単一で同じ音でもいいですし、最悪音階を意識せずに「フン」と発するだけでいいトレーニングになります。

「フン」トレーニングの効果

効果

鼻腔共鳴の強化

息の強化

息と声の連動の強化

ハミング練習の効果と同じ様なものですが、勢いがある分鼻腔共鳴が苦手な人にはいいトレーニングになるはずです。鼻から息を勢いよく吐くので鼻腔に通る息の流れを意識しやすいです。

ハミング練習の鼻腔と息の流れに特化したトレーニングです。合う合わないはあるかもしれませんが、試してみてください。

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