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歌の雑学・研究・考察

歌の上手さと遺伝の関係性【重要なのはやはり”経験値”】

投稿日:2020年6月23日 更新日:

今回は、歌の上手さと遺伝の関係性についてです。

この記事は

  • 歌の上手さと遺伝はほとんど関係ないと考えられる
  • 重要なのは『経験値』
  • 上手さとは関係ないが、遺伝的要因もある

という内容です。

歌の上手さと遺伝の関係性について

「歌の上手さは遺伝では?」

と考えたことがある人もいるとは思いますが、個人的には”ほぼない”と考えています。

 

その理由は歌の上手さを構成する2大要素である

  1. 「発声能力」
  2. 「音楽的感性」

が遺伝で決まるとは考えにくいからです。

注意

*今回のお話はあくまで考察であって、科学的には未だはっきりとは解明されていない領域だと思われますので、その点は注意です。

もしかしたら、ショートスリーパーの遺伝子が発見されたように、近い将来『歌ウマ遺伝子』みたいなものが発見されるかもしれません。

ないとは思いますが。

 

話を続けます。

  • 発声能力とは、声帯の運動神経みたいなものです。
  • 音楽的感性とは、音感やリズム感などの音楽的な感覚のことです。

この二つは遺伝で決まるのでしょうか?

 

もしかしたら、遺伝で決まる要素が数%くらいはあるのかもしれませんね。

でもその大半は、『経験・習慣』によって決まるのではないでしょうか?

 

少し極端な例ですが、

  1. すごく歌が上手い音楽家の両親から生まれた子供
  2. すごく歌が苦手な両親から生まれた子供

がいたとして、この子供を入れ替えて育てたとします(*倫理的に気分を害すかもしれませんが、あくまで例のお話です。また、音楽に対する興味や熱量は同じものとします)。

 

この場合、どちらの方が歌が上手くなる可能性が高いように思えるかと言われると、『音楽家の家で育った子供』だと思いますよね?

 

これは、歌においては

  1. 『正しい経験や習慣』
  2. 『価値のある経験や習慣』

というものが、非常に重要だと考えられるからです。

 

遺伝的なポテンシャルがどうあれ、音楽は経験が占める割合が非常に大きいと言えるでしょう。

 

遺伝ではないが、歌が上手い人の子供が歌が上手いのは必然?

そうは言っても、歌が上手い人の子供は歌が上手いというのはプロのシンガーなどでも多く存在しますね。

しかし、これも遺伝というよりも経験や習慣の差で説明がつきます。

 

つまり、遺伝がどうこう以前に、

  • 『正しい経験』
  • 『価値のある経験』

が積めるから、言い換えると『質の良い経験・高い経験値』が積めるからだと考えられます。

 

具体的にどういうことか?

  • 質の高い歌を聴ける
  • 正しい発声を聴ける
  • 上手い歌が聴ける

という環境にいるということです。

それも、目の前で聴けるんです。

 

簡単に言い換えると、

上手い歌を目の前で聴いていると歌が上手くなる

と考えられるということです。

 

「そんな馬鹿な。」と思うかもしれませんが、上手い歌を

  • どういう風に歌っているのか?
  • どんな音色が鳴っているのか?

などを肌で感じることができるって、ものすごく良い勉強になりますよね。

 

どんなものなのか正確に肌で感じて理解できれば、それを真似することができるわけです。

少なくとも、練習する方向性を間違わずに済むということですね。

 

さらに言えば、

  • 練習方法
  • コツ・やり方

などを聞くことができるでしょうから、歌が上手い両親の子供が歌が上手い傾向になるのは必然ですね。

つまり、遺伝というよりも『正しい経験値』を積みやすい環境にあるということ。

 

上手いボーカルのいるバンドメンバーは、歌が上手い

全く同じ理由で、バンドのボーカル以外、つまり楽器陣も歌が上手くなりやすいのはこのためでしょう。

 

もちろん、ボーカルほどではないでしょうが、バンドメンバーも歌が上手いことって多いですよね。

コーラスに参加する人も多いですし、ソロでデビューする人もいますね。

 

上手い歌をいつもそばで聴いていれば、『何をどうすれば上手く歌える?上手い歌とはどんなものなのか?』という部分を肌で感じられるのですね。

 

こういうのは、肌で感じるのとCDで聴くのでは全然違います。

音源はわかりにくい

音源のボーカルはまず『マイクを通して』いますし、『オートメーション・EQ・コンプ・リバーブ・サチュレーターなどなど』様々な機器やプラグインを通って聴きやすく飾り付けられたものですし、それを『どんな機器で聴くか?』というのもまた人それぞれです。

 

例えるのなら、旅行パンフレットで見る風景写真と実際に見る風景は全然違う。みたいなものです。

 

ちなみに

最近は、スマホなどのカメラの前で弾き語りをしたりするシンガーが増えましたが、あれはCDで聴くよりも発声を捉えやすいですね。

 

何はともあれ、CD音源・ライブ音源を聴くよりも肌で感じる(目の前で聴く)ことは、何よりも歌の成長につながるものなのだと思います。

CD100回聴くよりも、1回目の前で生歌聴いた方が勉強になると言っても言い過ぎではないのかもしれません。

 

このことから言えるのは、

  • 『正しい経験』
  • 『価値のある経験』

が歌の成長において、重要であるということですね。

 

歌の上手さとは関係ないが、遺伝的要因もある可能性

上記のように、歌の上手さというものはほとんどは、後天的に決まるというものだと考えられるのですが、一点だけ遺伝に左右されると思われる点があります。

 

それが『声帯の特徴』です。

 

身体的特徴は遺伝するので声帯も同じだろう

例えば、両親の背が高ければ背が高くなる可能性が高いのと同じように、両親の声が高ければ高い声帯を持つ可能性が高いです。

もちろん、逆も同様です。

 

つまり、持っている声帯は遺伝の影響を受けやすいのではないかと考えられます。

ただ、必ずしも当てはまるものではなく、「背が高い両親・背が低い子」がいるように「高い声帯を持つ両親・低い声帯を持つ子」も当然ながらいるでしょうから、あくまで『そういう傾向にある』というくらいのものでしょう。

 

歌声が似る

家族で声の高さや声質が似ていることはよくありますね。一般的にもよくあることでしょう。

親子のプロのシンガーだと、

森進一さん・Takaさん・Hiroさん

倍音の乗り方が非常に似ていますね。

藤圭子さん・宇多田ヒカルさん

ジャンルはずいぶん違いますが、息の流れや下方向へ響かせた時などよく似ていますね。

松田聖子さん・神田沙也加さん

色々似ています。

などなど、時代や歌唱スタイル・音楽性・録音環境などはもちろん違いますが、似た声帯・似た声質の成分を持っていますね。

 

遺伝的に持っている声帯が同じようなものであれば、先ほどの『技術・テクニック・やり方・コツ』なども当然同じ道になるでしょうから、そういう点でも『正しい経験値』が積みやすいのかもしれませんね。

 

今回のまとめ

  1. 歌の上手さは遺伝的要因とは考えにくい
  2. 歌の上手さは『経験の質と正しい理解』に大きく左右されるものである
  3. 声質や音域などは遺伝の影響を受ける可能性は高い

ということです。

 

遺伝よりも大事なのは

  1. 『正しい経験』
  2. 『価値のある経験』

ということですね。

 

しかし、誰しもがそんな上手い人が周りにいるわけではないので、そんな経験できないですよね。

そういう場合はやはり、CDなどの音源を聴いて『正しい理解』みたいなものが大事になってくるのでしょう(さっき述べたように、iPhoneのカメラの前で歌っているようなものは理解しやすいです)。

 

若い頃から歌が上手い人も、ほとんどはこの「正しい理解」と、それによる「正しい努力の方向性」によって出現すると考えられます。

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