歌唱力アップ

独学ボイトレのやり方についての研究

投稿日:2020年9月9日 更新日:

「そもそも、独学ボイトレでも上手くなれるのか?」という疑問はよくあるでしょうが、これは独学で歌を勉強してプロとして活躍している人も多数いるので、「上手くなれる」と言えるでしょう。

 

世界的に偉大なシンガー達の中にも独学の人たちはたくさんいます。

歌も楽器も完全に独学のシンガー達↓

  • エルトン・ジョン
  • デイヴ・グロール(Foo Fighters)
  • ジャック・ホワイト
  • ナイル・ホーラン(One Direction)
  • プリンス
  • ノエル・ギャラガー(Oasis)
  • エリック・クラプトン
  • デヴィッド・ボウイ
  • ジミー・ヘンドリックス
  • ショーン・メンデス

引用元:10 Pop Stars Who Were Completely Self-Taught

他にも、皆さんご存知フレディ・マーキュリー(Queen)も歌は独学だと言われています。

なので、『独学でも歌は上手くなれる』と言い切ってもいいと思います。

 

結局「独学」か「習う」かが大事ではなく、「何をするか」の方が大事になるでしょう。

今回はそんな独学ボイトレにやり方についての研究です。

独学ボイトレのやり方

必ずしも全ての人に当てはまるわけではないというのは大前提ですが、歌の独学は

  1. 歌の基礎知識をざっくりと理解しておく
  2. ”今の自分”でも歌える音域の曲を歌い込んで極める
  3. 自分の歌声を録音して聴くことをひたすら繰り返す
  4. 迷ったら「息」と「声帯の連動」を鍛える

①は普通に、②③は必ず守る、道に悩んだら④」という感じで進めると大きく失敗することなく上手くいくのではないかと考えられます。

①歌の基礎知識をざっくりと理解しておく

まずはざっくりでいいので、歌の基礎知識だけ頭に入れておくべきでしょう。

 

どこまでを基礎知識とするかは難しいところですが、

  1. 歌の3要素(音程・リズム・音色の質)
  2. 声の4要素(息・声帯・共鳴・発音)
  3. 声区(地声・裏声)
  4. 発声表現・発声方法
  5. テクニック・スキル

をある程度頭に入れておくといいだろうと考えられます。

 

熱心に学ぶとどれも奥が深いので、まずは全体的に表面をさらっと理解しておけば問題ないかと。

知識は成長に応じてゆっくりと増やしていけばいいと思います。

 

これらの項目はこちらにまとめているのでここでは省略します。

ボイトレ初心者は「まず何をすればいいのか」ついての研究

続きを見る

 

ただ正直、独学においてはこの部分はそこまで重要ではないとも言えるのかもしれません。

例えば、

冒頭で出てきたジミー・ヘンドリックスは世界的に有名な伝説のギタリストですが、楽譜が読めなかったそうです。そういう人は世界中にたくさんいます。

 

音楽はあくまでも『耳』でするものであり『知識の中ではなく”音の中に正解がある”ので、「知識をたくさん学ぶ必要があるか」と言われると『必ずしも必要ではない』と言えるのかもしれません。

もちろん、学ぶに越したことはないのですが。

②”今の自分”でも歌える歌を極める【=無理な音域の曲を練習しない】

ここからは独学における練習に入っていくのですが、まずは『現状の自分の音域でも歌える歌をとにかく歌い込む』というのが重要だと考えられます。

 

つまり、これは「高い声が出せないと歌えない」など、

  • 音程がきつい曲の練習はしない
  • 無理な発声が必要になる曲は選ばない

ということにもなります。

 

この練習する『曲のチョイス』がかなり重要かと。

 

というのも、歌には色々な要素があり「ピッチの正確性」「リズム感」「音色の質」「表現」「テクニック」などなど無数の要素がありますが、「高音・音域」は”応用”の部分にあたり歌の”基礎”ではないと考えられるからです。

 

わかりやすく言えば、

  • 「高音・音域」を先にとると”基礎”という土台がガタガタになってしまう

ということです。

何事も重要なのは”基礎”ですね。

 

人は高音に惹かれやすい

しかしやはり、多くの人が特に注目しやすいのが「高音・音域」でしょう。

人は思うように歌えないからこそボイトレを始めますし、そこでまずネックになっているのはほとんどの場合「音域」であったりするでしょう。

 

なので『とにかく高い歌を歌い、高音のトレーニングをすることで歌えない音域の歌を歌えるようにしよう』と考えるのは普通の思考です。

 

しかし、これは「短期的に歌の苦手を克服したい」などの場合はOKなのですが、「長期的に魅力的な歌声を手に入れたい」などの場合は良くないだろうと考えられます。

 

何が悪いのか?

これは、

  • 高音を無理やり取りに行くと長期的な視点でコケる可能性がかなり高い

と考えられます(*もちろん可能性の話で、必ずではない)。

 

その理由は

  1. 高音以外のことに意識が向きにくくなるから
  2. 変な発声を身につけやすいから

という二つの理由が上手く噛み合うからだと考えられます。

 

例えば、今の自分に歌えない音域の曲を練習する頭の中が高音でいっぱいになり、それ以外のことに意識が向きにくくなる

しかし、今の自分でも歌える音域の曲であれば「ピッチ」「リズム」「音色の質」などの”基礎”の部分としっかりと向き合う余裕が生まれます

そもそも”基礎”の部分こそ最も集中して向き合わなければいけないのに、その上「高音」なんて考えている暇もないというわけですね。

 

もし、高音ばかりを考えすぎた場合、”基礎”を犠牲にして真っ先に高音を手に入れようとするでしょう。

要するに「とにかくまずは高音を出せるようにして、その後で他のものを取ろう」と。

この「まずは高音」がのちの命取りになる可能性が高くなるのですね。

 

要するに、これによって出来上がりやすいのが『変な高音発声』『どこか魅力のない高音発声』。

厄介なのが、こういう発声では基礎の部分を後から取ろうとしてもほぼほぼ上手くいかないので、結局振り出しに戻ったりすることがほとんどでしょう。

 

なので、

まずは『今の自分が歌える音域を徹底的に歌い込んで極めるべき』だと考えられます。

 

「ものすごい声が低くて歌える歌がないんだが?」という方もいるかもしれませんが、探せば大体あります。

曲がなくても「キーを変える」「男性なら女性曲のオクターブ下を歌う」「女性なら男性の曲を歌う」など色々手はあるはず。

 

「ある程度基礎が固まってきた」「このキーはある程度いい感じに歌える」と感じたら少しづつ音域を上げていけばいいと思います。

地声の高音域を広げる方法【結局、地道なトレーニングが一番いい】

続きを見る

 

まぁもっと言えば「歌は高音であればいい」というわけでもないですから。

自分の適正キーが『低め』という人もいるでしょう。その場合はその音域を極めるというのもアリでしょう↓

③自分の歌声を録音する

次に『自分の歌声を録音して、聴く』ということをひたすらに繰り返しましょう。

独学以外でもそうですが、独学において録音は必須でしょう。

 

録音がいい理由は

  • 自分の歌声を客観的に聴ける
  • マイク乗りがいい声を身につけやすくなる

などなどがあるのですが。

 

一番重要なのが、

  • 「自分に聞こえる自分の声」と「現実の自分の声」との誤差を修正すること

です。

おそらく多くの人はこの二つに誤差がある場合がほとんどなので、初めて自分の声の録音を聞いた時、自分の声にショックを受けたことがある人も多いはず。

 

これ自体は誰しもが通る道なので問題ないのですが、この誤差が大きいままでいては歌の練習が上手くいきません

誤差が大きければ、自分はいい声を出しているつもりでも悪い声を出しているなんてことも起こりうるわけです。

なので『自分の声の録音に違和感を感じない状態』にすることは必須でしょう。

 

もちろん、

人間なので違和感や誤差は0にはならないのですが、自分の録音を聞いても「うん、普段の自分の声だな」と感じる状態にならなければ理論上、歌を上手く歌うことはできないわけです。

 

自分の声を聴くのが嫌で苦痛な人もいるでしょうが、嫌な人ほど聴くべきでしょう。「自分の声が気持ち悪い。嫌だ。」と思う人ほど誤差が大きいということになります。

 

そして、この感覚の誤差を修正するには録音した自分の声をひたすらに聴くことが一番良い。

ずっと自分の声を聞いていれば、歌の上手さに関係なく慣れて自分の歌声に違和感を感じなくなります。

この『違和感を感じない状態になること』の重要性はこちらにもまとめています。

歌が上手くなりやすくなるための土台作り【地味に大事な重要項目】

続きを見る

 

録音トレーニングのやり方

やり方とは言っても基本的な方針は、

  • 自分の歌声を録音して聴いて、改善点を見つけて修正していく

これを繰り返すだけです。

 

スマホの録音で十分でしょう。

 

ただやり方を工夫すると効率的にいいトレーニングができます

『プロのシンガーの歌声と同じ状況を作って、自分の歌声と比較する』というやり方はおすすめです。

 

例えば、YOUTUBEなどでプロのシンガーの”生歌”の映像がたくさんあります↓

 

 

ココがポイント

こういう「プロの生歌の動画」と「自分の歌声の動画」を交互に比較します。

すると、プロのシンガーにあって自分の歌声に足りないものが明確に見えてくる

そしてその足りないものを埋めようとすると自然と『歌が上手くなる』ということに繋がる

 

このトレーニングのいいところは「プロのシンガーの音声」と「自分の歌声の音声」の状況がほぼ同じなので正確に比較できるということ。

 

やはり

普段聴くプロのシンガーの歌声はエンジニアによって綺麗にミキシングされたものがほとんどです。しかし、それは綺麗に飾り付けされた歌声なので、自分が同じ状況を作れることはほぼないでしょう。「自分の生歌」と「プロのミキシングされた歌声」では上手く比較できません。「普通の写真」と「おしゃれな雑誌の表紙」を比べているようなものです。

 

なので、先ほどの動画のようなリアルに近いものと比較することで必要なもの・足りないものが明確に見えてくるということです。

言い換えると『マイクを通っていない生歌を研究するといい』とも言えますね(*厳密には撮影機器のマイクを通っているのですが。)

 

プロのシンガーの歌声は、おそらく最初は誰もが「こいつ、同じ人間なのか・・?」「その声が出せる意味がわからん」という感想になるでしょう。笑

しかし、『プロの歌声』と『自分の歌声』の差を丁寧に根気よく分析すると必ず見えてくるものが必ずあるはず

 

注意点

一つ重要な注意点なのですが、

  1. 音域のタイプ
  2. 声質のタイプ

この二つは人それぞれの持っている声帯によってある程度特性が決まっていて、逆らうことが難しいです。

体・骨格・身長など人それぞれ違うように声帯も人それぞれ違います。

 

なので、例えば、

低い声帯を持つ人が高い声帯を持つ人のような声を研究して出そうとしてもいつまでたっても上手くいかないでしょうし、かなり息っぽい声質を持っている人が鳴りが強い鋭い声質を出そうとしても上手くいかないことが多いでしょう。

*あくまでも傾向のお話で例外はある。

 

なので、この『声帯の特性』という部分は上手く考慮してお手本と自分の差を考えることが重要です。

 

音域のタイプについてはこちら↓

『声帯のタイプ』と『魅力的な音域』の関係性について

続きを見る

声質のタイプについてはこちら↓

歌における声質のタイプについての研究

続きを見る

④迷ったら「息」と「声帯」の連動を鍛える

「②自分の歌える曲を歌い込む」「③自分の歌声を録音して聴く」というのを繰り返すうちにだんだんと成長してくるはずです。

 

基本の練習はこれだけでも十分で意外と”ボイトレらしいボイトレ”ってそこまで大事ではないと考えられるのですが、何かするなら『息のトレーニング』『息と声帯の連動性を高める』ということから取り組めばいいと思われます。

 

その理由の一つは「息のトレーニングは失敗がほぼない(間違ったトレーニングになりにくい)」こと。

 

そして、もう一つの理由が「歌において最も重要なものは何か?」という問いに対するシンガーたちの回答率が一番高いだろうと考えられるのが『』だということ↓

  • 「Important singing technique(重要な歌唱テクニックは?)」
  • 「All great singers have, first of all, breathing」「全ての偉大なシンガーたちはまず第一に息・呼吸を持っている(=息・呼吸の能力に長けている)」。

このように多くのシンガーが「息が大事」ということを述べます。

それくらい息というのは重要度が高い。

 

息は原点にして頂点』と言えるのかもしれません。

 

「①間違ったトレーニングになりにくい」「②息はとにかく重要性が高い」という二つの理由から、この部分を徹底的に鍛えればいいと考えられます。

 

トレーニングは

ドッグブレス」や「スーズートレーニング」がおすすめですし、「パワーブリーズ」を活用すればかなり効果的に鍛えられます。

 

また、息の力を鍛えるのと同時に

  • 息と声(声帯)との連動性を鍛える

ことが重要です。

この連動の部分を頭に入れておかないと、息のトレーニングは真に効果を発揮しないと考えられます↓

息に声を乗せる【”息の重要性”と声帯との連動性について】

続きを見る

 

また注意点として、短い期間で効果が出るものでもないのである程度長期的な視点が必要だということは頭に入れておきましょう。

独学で大事なのは「大きく道を外れないこと」

これまでの4つの項目、

  1. 歌の基礎知識をざっくりと理解しておく
  2. ”今の自分”でも歌える音域の曲を歌い込んで極める
  3. 自分の歌声を録音して聴くことをひたすら繰り返す
  4. 迷ったら「息」と「声帯の連動」を鍛える

は一言でまとめるのなら『道を踏み外さない練習方法』と言えるでしょう。

 

「当たりを引きにいく」というよりも「外れを引かないように気をつける」というイメージが大事かと。

 

独学は指導者がいないので、間違った方向性に行っても誰も指摘してくれる人がいません。

もちろん、言ってしまえば”独学でなくとも間違った方向性に行くことはある”でしょうが、独学はその可能性が高くなります。

 

なので、独学は間違った方向性へ行くことを排除することが重要で、そうすると先ほどの4つ、中でも②③は必ず捉えておくことが必要になるでしょう。

 

より高みを目指している方はこちらもどうぞ。

『本気で歌が上手くなりたい人が何をすべきか』についての研究【ガチ勢向け】

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