今回は、『歌うとすぐに声が枯れる原因』というテーマです。
この問題は
- 声帯が歌う状態に慣れていない
- 発声方法が悪い
- 弱い喉(声帯)を持っている
という3つの原因が考えられます。
①声帯が歌う状態に慣れていない
歌うとすぐに声が枯れる原因として、『声帯が歌う状態に慣れていない』というものが考えられます。
基本的に「歌」というものは、普段の話し声では使わない音程や複雑なリズム、大きな声量などを使います。
つまり、普段の声帯の使い方よりも過酷な声帯の使い方になるので、すぐに声が枯れてしまうのですね。
これは『能力不足』とも言えますし、『慣れの問題』とも言えます。
例えば、普段全くランニングをしない人が、急にランニングをすると、すぐに疲れてしまいますし、足を痛めたりして、あまり長くは走れないでしょう。これは、ランニングの状態に体が慣れていないからですね。
ところが、ランニングを習慣にしている人は、何も問題が起こりません。これは体が慣れているからですよね。
歌もこれと同じことが起こるということです。
例えば、「たまにカラオケに行くとすぐに声が枯れる」「長く歌を辞めていたが久しぶりに再開すると、すぐに声が枯れるようになっていた」などは、歌う時の声帯の状態に体が慣れていないということですね。
なので、この場合の解決策は『歌う状態を体に慣らすこと』になります。定期的にランニングを行うのと同じように、日々コツコツと歌い込んでいくことで歌っても枯れにくくなっていきます。
②発声方法が悪い
ある程度の期間歌のトレーニングをして、「歌う状態」には慣れているはずなのに声が枯れてしまうという場合には、『発声方法が悪い』というものが考えられます。
喉を痛めやすい発声をしていると、喉のダメージがすぐに蓄積して、声が枯れてしまうということ。
つまり、喉の耐久力に問題があるのではなく、悪い発声方法によって喉に与える負担が大きくなっていることが原因です。
どういう発声が「悪い発声」なのかというのは、一概には言えないものでもあるのですが、一般的には、
- 喉が過度に締まった発声
- 限界を超えた声量の発声
- 限界を超えた高音発声
- 変な癖のついた発声
などが当てはまることが多いでしょう。
とにかく、発声方法に問題があって声が枯れてしまうのであれば、発声方法を見直していくしかないです。
「負荷が大きくても慣れればいいのは?」と考えることもあるかもしれませんが、発声方法に問題がある場合はやはりそこを改善するべきだと考えられます。
人間的に適応できる範囲を超えた負荷を与え続けると体は壊れてしまいますから。
③枯れやすい喉(声帯)を持っている
歌い慣れているし、特に発声方法が悪いというわけでもないのに、すぐに枯れてしまうという場合は『枯れやすい喉(声帯)を持っている』という原因が考えられます。
これは、能力の問題ではなく『個性』のお話です。
人間の体には個性がありますから、声帯も人それぞれに違います。トレーニングによってたくさん鍛えたとしても、声帯が耐えられる負荷の量が少ない喉を持っている人も当然います。
これに関しては『個性』なので、受け入れるしか道はないでしょう。
気持ち的には受け入れがたい場合もあるでしょうが、どうしようもないこともあるのですね。
ただ、受け入れた上で攻略する道もあるとは思います。
例えば、「声帯の耐久度が弱く、強い声を出すとすぐに枯れてしまう」という人であれば、『弱い声・静かな発声を極める』という道があります。世界中にウィスパーボイスでささやくように歌うシンガーはいますが、実は喉が弱かったりもするのかもしれません。
他にも『すぐに枯れてしまうのなら、その枯れを活かす発声をする』などもあるでしょう。
このように、自分の体の個性によってそういう声帯になっているのなら、それは受け入れた上で、それを活かす道を見つける必要があるかもしれません。
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まとめ
【原因】
- 声帯が歌う状態に慣れていない: 普段使わない音域や声量を使うため、声帯に負担がかかる
- 発声方法が悪い: 喉に負担をかけるような発声方法をしている
- 弱い喉(声帯)を持っている: 生まれつき声帯が弱い
【解決策】
- 声帯を歌う状態に慣らす: 定期的に歌うことで、声帯を鍛える
- 発声方法を改善する: ボイストレーニングなどで、正しい発声方法を習得する
- 自分の声帯に合った歌い方を見つける: 弱い声や、声が枯れた状態を活かした歌い方をする