発声方法

スモーキーボイスについて

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この記事は

スモーキボイスの意味や特徴、出し方についての内容です。

スモーキーボイスとは

スモーキーボイスとは

  1. 性的魅力のある声, 低音でセクシーな声」のこと
  2. 「息っぽい声」や「ハスキーな声」など、くすんだイメージのある声のこと

です。

 

スモーキー(smoky)とは「煙たい」「煙ったような」「くすんだ」という意味の言葉ですが、「性的魅力のある、低音でセクシーな」という意味合いがあります。

<声・曲などが> 性的魅力のある, 低音でセクシーな
• a smoky voice
低音でセクシーな声

引用元:LONGMAN『SMOKY』より

和英辞典などでは出てきにくいですが、英英辞典などではこの意味が出てきます。

昔は「セクシー」などの言葉の表現を露骨に使うことができなかったため、俳優やジャズシンガーなどの「低くてセクシーな声」を”スモーキー”と呼ぶことが多かったようです。

 

この意味合いでのスモーキーボイスと称された有名なシンガーはビリー・ホリデイですね↓

しかし、現在では意味合いが少し変わって使われていることが多いと考えられます。

単に「セクシーな声」をわざわざスモーキーボイスと称することは少ないですから。

 

現在では意味が転じて、文字通り「煙っぽい印象」というところから「息っぽい・ハスキーっぽい歌声」を指す言葉としても使われます。厳密な定義はなく、結局個人の感覚次第の言葉でもあります。

 

今回はこちらの意味合いでのスモーキーボイスについて掘り下げます。

スモーキーボイスの例

おそらく多くの人にとってのスモーキーボイスとはこんな感じかと思われます↓

「スモーキー」と感じる要素を完璧に捉えているような歌声だと思いますし、世界中でスモーキーと称されているようなシンガーでしょう。

ではこのスモーキーの条件とはどこから来るのか?

スモーキーボイスの条件

スモーキーボイスは

  1. ハスキーボイスであること
  2. 高域成分を強く含みすぎない温かみのあるハスキーであること

という条件が揃うと生まれると考えられます。

 

まず「なぜハスキーボイスである必要があるのか」について。

例えば「息っぽい声・息が多く流れる声」というのがスモーキーさを感じるの要素の一つではあるのですが、それだけではスモーキーには何か足りないと感じるはずです↓

昔の意味で考えれば間違いなくスモーキー(低音でセクシー)ですが、現代的な意味合いではスモーキーというかは微妙なラインですね。

もちろんスモーキーと感じる人もいるとは思いますが、スモーキーというより単に綺麗な「ウィスパーボイス」「息が多く流れる声」という感じでは?

 

これは

ハスキーな成分(声帯の独特の擦れ感・息が漏れる特有のノイズ)が足りないからだと考えられます。

「ハスキーボイスはしっかりと鳴らそうとしても息が漏れる声」なので、「単に息が多い発声」とは音色の性質が違うのですね。

 

では、ハスキーボイスであればいいのか?

というのも、はっきりとしたハスキーボイスの人はスモーキーボイスではなく、シンプルに「ハスキーボイス」と称されるはず↓

感じ方は人それぞれでしょうから「スモーキー」と感じた方もいるかもしれませんし、だいぶスモーキーに近づいたとは思うのですが、こういう声質はそのまま「ハスキーボイス」と呼ばれそうな声質ですよね。

 

これはハスキーボイスの度合いが強い、特に高域の成分(かすれた音の成分)が強く出るようなハスキーボイスだからと考えられます。

なので鋭さ・冷たさのようなものを感じる音になります。

 

スモーキーは鈍さ・温かさが必要だと考えられます。

ということは、

  • 「くすんだような」「くぐもったような」印象を生み出すほんのりしたハスキーボイス
  • 高域の成分が”少ない”ハスキーボイス

である必要があるのですね。

高域のかすれた成分が少ない(全くないわけではない)ハスキーボイスがスモーキーを感じる↓

ハスキーボイスではあるが高域の成分が強く出過ぎず、くすんだような温かみを感じる声ですよね。おそらく多くの人にとってのスモーキーボイスだと思います。

 

つまり、

ハスキーボイスである必要があるが、高域の成分が出過ぎない温かみのある”ほんのりハスキーボイス”こそ『スモーキボイス』と言えると考えられます。

 

まぁ、周波数の問題なのでEQ(イコライザー)の調整によっても大きく変わってきそうですけど、結局声質ありきでしょう。

 

高域のハスキー成分が出過ぎない(スモーキーボイス)↓

高域のハスキー成分が強い(ハスキーボイス)↓

ほんのりとしたハスキー(スモーキーボイス)↓

わかりやすく声がかすれる(ハスキーボイス)↓

スモーキーボイスの出し方

上記から分かる通りスモーキーボイスはある意味声帯の条件に左右されやすい

そもそも一般的な声帯を持つ普通の声の人がハスキーボイスになることは基本的には不可能と考えられますし、ハスキーボイスの人がハスキーな成分を自分の意思で思い通りにコントロールするのも無理でしょう。

つまり、声帯のタイプによってできるかできないかはほぼほぼ決まっている。

 

基本的に、

  • 普通の声の人はずっとそのまま
  • 強いハスキーボイスの人もずっとそのまま
  • スモーキーボイス(ほんのりハスキーボイス)の人もずっとそのまま

と考えるのが普通でしょう(*あくまで基本的には)。

 

よって、スモーキーボイスは

『望んでできるものではない』ですし、『望まずとも手に入るもの』でもある。

『できる人は最初からできる』、『できない人はずっとできない』。

 

ただし、どんな人でもスモーキーっぽくすることならできると思います。擬似的にハスキーに似た倍音成分を出しつつ、高域成分を強調しすぎなければある程度は近づくと考えられます。

つまり、

  1. 息の倍音成分の多い息っぽい発声する
  2. 高域の周波数を強調しすぎないため咽頭共鳴(下方向の響き)を強める

という二つを意識すると、スモーキーっぽくなるでしょう。

あくまで「っぽく」です。

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