今回は『声がこもる』というテーマです。
この記事は
- 声がこもるとは
- 声がこもる4つの原因とその改善トレーニングなどについて
という内容です。
なぜ声がこもるかは人それぞれの理由がある
声がこもるとは
- 声が明瞭に聞き取れない状態であること
です。
例えば、
- 発音がわかりにくい声
- はっきりと聞き取れない声
- 通らない声
- くぐもった声
などと同じような意味でしょう。
単純な話し声はもちろんのこと歌声などにおいても『声がこもる』という現象は起こります。
なぜ「声がこもるのか?」
これは突き詰めていくと10人10色の理由があるでしょう。
当然『これだ!』と確実に決めつけられる理由はないですし、こもった声をクリアにする改善方法やトレーニングも極論、個人個人の状態次第ということになります。
これを頭に入れておくことも改善する上で重要だと思います。
しかし、大枠4つくらいの理由に分けられるのではないかと考えられます。
声がこもる原因とそれぞれの改善方法
声がこもる原因は以下の4つが考えられます。
- 喉頭位置(声帯位置)が深い・共鳴位置の問題
- 口の開きが小さい
- 声帯の鳴りが弱い
- 息の力が弱い
これら4つの原因とその対策やトレーニング方法について書いていきます。
①喉頭位置・声帯位置が深い
「いきなりなんのこと?」と思うでしょうが、
- 「口」という音の出口から「声帯」という音の発信源までの距離が長い
ということです。
*喉頭とは簡単に言えば、喉仏や声帯がある部分です。
簡単に図で説明しますと、
この右側の状態のことです。
もちろん
同じ人間ですから大きな違いがあるというわけでもないですが、顔や体の形が人それぞれ違うように、この喉頭の位置・口までの距離(空間)も人それぞれ違いがある。
この喉頭位置が深いと「声が太く・深く響く」のですが、裏を返すと『声がこもりやすい』です。
正確には『母音の輪郭がぼやける』。
まぁ言われずともという感じでしょうが、音の発信源から音の出口までが遠いと、音はこもりますよね。
例えば
喉仏を思いっきり下げた状態で「アイウエオ」と声を出すと言葉がはっきりしなくなりますし、喉仏を軽く触って(無理せず)上げながら声を出すと変な声になるでしょうが、言葉自体ははっきりする(こもらない)と思います。
人によって深い声、浅い声などの違いがあるのはこのためですね。もちろん男性でも女性でも深い人は深いでしょう。
つまりこの喉頭の位置、口先までの距離は『声のこもり』に大きな影響があると考えられます。
ただこれは生まれ持った喉なので、この喉の位置そのものを変えることはできませんね。
つまりこれに関しては共鳴のコントロールから改善していくしかないでしょう。
共鳴位置と「こもり」
『こもりと共鳴』に関しては次のようなことが言えると思います。
- 咽頭腔共鳴は声が下方向へ響き声がこもりやすい
- 鼻腔・口腔共鳴は声が上方向へ響き声が通りやすい
声がこもらないようにするには上方向へ声を通すような意識が大切でしょう。
これは鼻をつまんだ状態と普通の状態どちらが声が通るかを考えればわかります。
つまり『上方向への響き』を身につける。
身につけると言っても、何か特殊な技術を習得するのではなく、声を上に通すような癖をつけそれが自然とできるようになればいいという感じでしょう。
上方向への響きを身につけるトレーニングは
などがオススメです。
コツコツとトレーニングを続けていくと上方向へ声を通すことに慣れてくるはずです。
②口の開きが小さい
先ほどの咽頭位置の話は音の発信源の話でしたが、これは音の出口の問題です。
「音の出口が大きいのと小さいのとではどちらが声がこもるか?」なんて言われずともわかりますよね。
当然音の出口が小さい方です。
アルミホイルの芯とメガホンに声を通せばどちらがはっきりと聞こえるかをイメージすればわかると思います。
つまり、口も音の出口をコントロールしている部分であるので、口を開いた方が声がこもらないのですね。
ただ、口の開きには個人差があるのはもちろん、どうしても開けられない人などもいると思います。
無理のない範囲で口を開けるようにトレーニングしましょう。
歯並びの問題?
歯並びによって声がこもるということも考えられますね。
「こもる」というとニュアンスが少し違うかもしれませんが、歯並びは発音・滑舌と密接に関わってくる部分です。
つまり上手く発音できなかったり、声が前に飛ばなかったりで声がこもる可能性も考えられます。
歯並びは歯医者でしか治せないので、こういう場合は舌を鍛えるアプローチになるでしょう。
舌を鍛えるトレーニング
③声帯の鳴りが弱い
『声帯の鳴りが弱い』ことも声がこもる原因になると考えられます。
この場合の声帯の鳴りは単純に声量・音量に関わってきます。
声帯は左右二枚のひだが打ち合うようにして鳴っています(正確には「ベルヌーイ」と呼ばれる力なのですが、難しく考えずに打ち合うと考えていいと思います)。
この打ち合う声帯が『しっかりと閉じていない(緩い)場合』と『しっかりと閉じている(緊張している)場合』、どちらが大きな音になるか?
当然、硬く緊張している・しっかりと閉鎖している場合ですよね。
強くしっかりと声帯が振動しますから、その分だけ大きな音になります。
大きな音になるということは「こもらない」ということにも繋がりますね。
声帯の鳴りを鍛えるトレーニング
④息の力が弱い
声がこもる要因は「声帯の鳴り」だけではなく、『息の量・息の力』も大切です。
というより、
- 「声帯の鳴り」
- 「息の力」
の両輪が大切ですし、両方が密接に関係しているとも言えます。
声帯を鳴らすための源である息の力が弱ければ声帯をしっかりと鳴らす力も弱まります。当然小さな声になる可能性が高いです。
つまり「声がこもる」ということは『息の力が弱い・息の量が少ない』ということも考えられます。
よって息の力を鍛えることでこもらず通る声になると考えられます。
息の力を鍛えるトレーニング