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歌唱力アップ

歌の練習の全体像|上手くなるための練習の進め方ガイドページ

更新日:

今回は、当サイトにおける基本的な考え方や方針をまとめたページです。

「歌の練習の全体像がわからない」といったときや、迷った時などに活用してみてください。あくまでも全体像を掴むための内容なので、なるべく簡単にまとめています。

まずは歌の能力の全体像を把握する

「歌が上手くなるためには何が必要なのか?」という部分をざっくりとでも把握しておきましょう。そうすることで、歌の成長がスムーズになります。

 

歌の上手さは、「発声能力」と「音楽的感性」という二つの大きな軸によって決まります。

  1. 発声能力:声を操る能力。『体の能力』。
  2. 音楽的感性:音に関する知識や判断能力。『脳の能力』。

 

数学の公式のように

  • 歌の上手さ=「発声能力」×「音楽的感性」

と考えておくと分かりやすいでしょう。

 

それぞれ掘り下げていくと、発声能力は「息」「声帯」「共鳴」「発音」の4つに分かれます。

 

音楽的感性は、「音感」「リズム感」「音色の質を判別する能力」に3つに分かれます。

何か困ったときや迷った時は、基本的にこの全体像を掘り下げていけば解決策が見つかるので、ざっくりとでも頭に入れておきましょう。

 

詳しくはこちら↓

歌が上手くなるために必要な能力とは?【音楽的感性×発声能力】

続きを見る

 

歌の練習は『総合練習』と『部分練習』の2軸で考える

歌が上手くなるための練習の大きな柱はシンプルな2軸です。

  1. 歌を歌う・・・総合練習
  2. ボイトレをする・・・部分練習・基礎練習

 

「歌を歌う」というのは、スポーツに例えると「試合」や「実戦練習」みたいなもので、目的そのものを直接練習すること。

 

「ボイトレ」は、スポーツで言えば「筋トレ」や「基礎練習」みたいなもので、部分的に能力を上げたりすることです。

 

この2つの軸を意識することで、スムーズに成長しやすくなります。

 

①歌を歌う【総合練習】

歌を歌う練習(総合練習)は、

  1. 原曲(お手本ボーカル)と一緒に歌う
  2. カラオケで歌う
  3. 弾き語りやバンド演奏などに合わせて歌う
  4. アカペラで歌う

などがありますが、自分に合ったやり方を選びましょう。

 

初心者のうちは、原曲に合わせて歌ったり、カラオケでたくさん歌うのがおすすめです。一番能力が上がりやすいのが③ですが、誰でもできることではないというのが弱点です。④は上級者向け。

 

とりあえす、あまり難しく考えずにたくさん歌い込めばいいのですが、必ず守った方が良いルールもあります

 

それが、

  1. 今の自分の能力で最も歌いやすい歌から順番に極めていく
  2. 定期的に録音する

という2つです(*特に①が重要)。

 

この二つのルールさえ守っていれば、大きな失敗がなくスムーズに成長できるだろうというくらいに重要です。逆に守らないと、上手く成長できる可能性がかなり低くなってしまいます。

 

特に①は『音域面』において結構な割合でやってしまう人がいるので注意。キーを最も歌いやすい音域に調整して練習するのがおすすめです。多くの人は、難しい曲や高音ばかりを追いかけて、基礎部分がおろそかになりやすいので注意しましょう。

 

また、②録音も重要。録音しなければ自分の問題点を客観視できないままになりやすい上、自分の声の認識がズレたままになりやすいです。

 

2つについて、詳しくはこちらの記事にまとめています↓

独学で歌が上手くなる方法についての考察

続きを見る

 

②ボイトレをする【基礎練習・部分練習】

ボイトレは基礎力を高めたり、総合練習で出た課題・苦手な事を部分的に克服したりすることが目的です。

 

ボイストレーニングは大きく分けると、以下のように分けられます。

  1. 息・呼吸のトレーニング
  2. 声区(地声と裏声)のトレーニング
  3. 声質(息と鳴り)のトレーニング
  4. 共鳴のトレーニング
  5. 音域のトレーニング
  6. 発音のトレーニング
  7. スケール練習【基礎練習】

 

①息・呼吸のトレーニング

「息」の能力は、発声能力の土台です。

 

息・呼吸の能力は、大きく分けると

  1. 息を吸う力・吐く力・強弱・長短をコントロールする力
  2. 横隔膜の柔軟性(=腹式呼吸)

という2軸で考えるといいでしょう。

 

両方とも繋がっているものでもあるのですが、①は息のコントロール能力そのもの、②は横隔膜という臓器自体の柔軟性です。

 

①に関しては、歌を歌っているだけでもそこそこ鍛えられますが、追加でトレーニングするとより鍛えやすいです。トレーニングに関してはこちら↓

歌のブレスを鍛える3つのトレーニング【基礎・持続力・瞬発力】

続きを見る

 

②横隔膜の柔軟性(=腹式呼吸)はかなり大事です。特に『横隔膜が無意識にスムーズに動くかどうか』は発声自体に影響するので重要。「とりあえずこれは押さえよう」と言えるほど大事な部分です。

『腹式呼吸』のやり方やメリットについて【横隔膜を上げる動きが大事】

続きを見る

 

②声区(地声と裏声)のトレーニング

声区とは「地声」「裏声」などの発声の種類を指す言葉です。

 

声の種類を表す言葉は色々ありますが、基本的に

  1. 地声
  2. 裏声

の2つだけを考えておけば十分です(*詳しくは『声区の種類について』の記事でまとめています)。

 

おそらく日常会話でも「地声」と「裏声」は使うでしょうから、難しく考えずに済むでしょう。

 

基本的に、ほぼ全ての人は日常会話では地声を使っています。つまり、地声の能力よりも裏声の能力が低い人がほとんどということになります。

 

ということは、声区のトレーニングは裏声を重点的に鍛えることが中心になります

 

ミックスボイス問題

『声区』の話になると必ず出てくるのが「ミックスボイス」という言葉ですが、これは人によって使っている意味が違う言葉なので、かなり迷いやすい部分でもあります。

なので、まずは

  1. 地声
  2. 裏声

の2つをしっかりと鍛えることを優先しておきましょう。

気になる方はこちらで↓

関連
ミックスボイスとは|声区として存在するのか?定義と考え方について

続きを見る

 

③声質(息と鳴り)のトレーニング

声帯は開けば開くほど息っぽく、声帯が閉じれば閉じるほどにくっきり鳴る声質になります。

この声帯の開閉の幅は、歌における『発声表現・声質表現』の幅になります。

*この幅は誰しもに存在しますが、全ての人が同じ音色になるとは限りません。なぜなら、もともとの声質(声帯)が人それぞれ異なるからです。

 

この声帯の開閉は、多くの人が日常会話の中で自然と身についている能力でもあるので、練習しなくてもいい人もいるかもしれません。

 

しかし、『歌においての』という条件ではコントロールが難しくなることもあるので、コントロールできない場合は、しっかりと練習しておきましょう。

 

息っぽい発声のトレーニングは

くっきりと鳴らす発声のトレーニングは

などがおすすめです。

 

④共鳴のトレーニング

歌の共鳴は主に以下の3つ。

  1. 鼻腔・・・鼻の奥の空間。主に声の抜け感に関わる。
  2. 口腔・・・口の中の空間。主に声の明るさ・暗さに関わる。
  3. 咽頭腔・・・声帯から口の中までの空間。主に声の太さ・細さ、大きさ・小ささに関わる。

 

共鳴は声の音色作りに関わります。

共鳴は良い音色を作るために大事な要素ではありますが、「①息」→「②声帯」→「③共鳴」という順番で音は作られるので、前段階の「息」や「声帯」の部分の音作りも大事ということを忘れないようにしておきましょう。

 

共鳴について、詳しくはこちらにて↓

発声における3種類の共鳴について

続きを見る

 

⑤音域のトレーニング

男性の魅力的に歌える音域帯

女性の魅力的に歌える音域帯

音域のトレーニングはまず最初に、『自分の声帯をしっかりと鍛えたら、音域の全体像はどれくらいになるのか』という予測をつけておきましょう。

 

完全に予測通りになるとは限らないのですが、ある程度イメージしておくことでトレーニングしやすくなりますし、無理なトレーニングをして『悪い発声の癖』などが身につくことを防ぐことができます。

 

音域タイプは、大きく分ければ6タイプ(男性:低・中・高、女性:低・中・高)に分かれます。音域の予測はこちらにて↓

『音域はどこまで鍛えられるのか』について【自分の音域を予測する方法】

続きを見る

 

ざっと予測したら、あとは音域をコツコツと鍛えるだけです。

地声に関しては、悪い発声になるのを防ぐために慎重に取り組んだ方がいいでしょう。裏声は結構ガツンとやっても問題ないことが多いです。

 

⑥発音のトレーニング

発音は、声を作るプロセスの最終段階です。発音は主に、「あご」「歯」「舌」によって作られます。

 

なので、これらを改善することが発音のトレーニングになるのですが、「あご」や「歯」に関しては、トレーニングでの改善が難しい部分もあります。

 

つまり、歌のトレーニングでは主に「舌」を鍛えることが中心になります。

舌の付け根(舌根)部分は、喉周辺を介して声帯と間接的に繋がっている部分でもありますので、発音だけでなく発声自体にも好影響を与えます

 

舌のトレーニングに関してはこちらにまとめています↓

舌根を柔らかくするトレーニング方法について

続きを見る

 

⑦スケール練習【基礎練習】

スケール練習とは、ピアノの音階に合わせて声を出すトレーニングです。

 

スケール練習は『簡略化した歌』なので、音感やリズム感などの基礎力向上に役立ちます。また、改善したい項目に適した発音でトレーニングすることで、他の目的も同時に進行させることができます

 

ボイトレに困ったときは、とにかくこのスケール練習をやっておけば無難でしょう。

歌の基礎練習について【「基礎」と「応用」の考え方】

続きを見る

 

練習の進め方(手順・割合・頻度)

①練習の手順

まずは簡単に

  • 初心者:音程やリズム、発声などの『歌の”質”』を安定させる
  • 中級者:高音や声量、テクニックなどの『歌の”幅”』を伸ばす
  • 上級者:表現やスタイルを磨く

と考えましょう。

 

歌において、

  1. 基礎とは”歌の3要素”に対しての、「質」「精度」「正確性」
  2. 応用とは”歌の3要素”に対しての、「幅」「速度」「変化」「組み合わせ」

です。

なので、まず音程やリズム、声の音色などの『質』を高めることを優先させる。そして、安定してきたら、高音や声量などの『幅』を広げていくという流れになります。

 

多くの人は高音や声量に真っ先に食いついてしまいますが、それは基礎ができていないまま応用をやっているようなものなのです。

 

とにかく『質』が先、『幅』が後で考えることが大事。

歌の基礎練習について【「基礎」と「応用」の考え方】

続きを見る

 

②練習の割合(歌を歌う・ボイトレ)

レベル 歌を歌う ボイトレ 重点ポイント
初心者 多め 軽め 音程・リズム・発声の質
中級者 バランス 比率アップ 高音・声量・テクニックの強化
上級者 曲中心 必要に応じて 表現・スタイルの構築

ざっくりとした目安ですが、

  • 初心者|歌7 :ボイトレ3
  • 中級者|歌5 : ボイトレ5
  • 上級者|歌8 :ボイトレ2

くらいの意識で取り組むと良いでしょう。

 

例えば、30分程度の練習を5:5の割合でやるとすれば、

  1. ウォーミングアップ[5〜10分]
  2. 曲を歌う[10~15分] 
  3. 曲の中での課題を克服するためのボイトレ[10~15分]

という感じの流れです。

ボイトレのルーティーンについて

続きを見る

 

③練習の頻度

最適な頻度には個人差があるのですが、一般的には

  • 一回15〜30分、長くて1時間の練習で
  • 週に3〜6日が最適
  • 最低ラインは週に1日

と考えるといいでしょう。

 

喉の故障や大きな疲労に繋がらない範囲で、最大限やるのが効果的です。食事や睡眠などの回復力によって、差が出てきます。

 

歌は筋トレやスポーツと同じように、数日で急成長するものではないので、長い目でコツコツと積み上げることが大切です。

ボイトレの頻度はどれくらい?週何回やれば効果が出るのか?

続きを見る

 

歌の成長速度を速める要素

歌の成長を加速させるために、重要なポイントを押さえておきましょう。

  1. 自分の声帯の個性(音域・声質)を把握し、その個性を活かす道を進む
  2. 録音した自分の声に、ほとんど違和感を感じない状態になる
  3. 『横隔膜』がしっかりと上がるようにする
  4. 「回復」と「栄養」に気を配る
  5. 楽器の簡単な弾き語りができるようになる

⑤は必ずやらなければいけないことではありませんが、①〜④は押さえておきましょう。

見落としがちだけど、地味に大事です。

 

詳しくはこちら↓

歌の成長を加速させる、見落とされがちな重要ポイント5つ

続きを見る

 

自分のスタイルを作り上げていく

一定の練習期間を積むと、自分の得意・不得意、できること・できないことがよりはっきりと理解できるようになっているはずです。

 

例えば、

  • 「〇〇な発声は簡単にできるが、△△な発声は上手くできない」
  • 「〇〇な音色を作ると良く聞こえるが、△△な音色を作っても良い感じに聞こえない」
  • 「自分の声の特徴は〇〇だと認識していたが、歌声は意外にも△△の方が適していた」
  • 「練習してみると、意外と〇〇な方向性に伸びた」
  • 「この音階はいくら練習しても出せない」
  • 「他人にはこの部分はよく褒められる」「逆に、この部分は向いてないと言われる」

など。

 

こういうものを経験していくうちに、自分の歌声における、

  • できること、できないこと
  • 得意なこと、不得意なこと
  • 良く聞こえるもの、悪く聞こえるもの

などが整理できるようになります。

 

すると、必然的に自分の歌い方が出来上がっていきます。

 

基本的には『できること・得意なこと・良く聞こえるもの・褒められたもの』というプラス面を中心にして作り上げていきます。

 

例えば、

  • 透き通る声が得意なので、クリーンな透明感のある歌い方をしよう
  • 力強い声が得意なので、パワフルに迫力ある歌い方をしよう
  • 裏声が得意なので、裏声をたくさん使う歌い方をしよう
  • 「オ」の母音の響きがいいので、全体的に「オ」に寄せた歌い方をしよう

などのように、色々な方向性の決め方があります。

 

もちろん、歌の全てを得意な領域に持っていくことは難しいですが、できるだけ得意な部分を活かすことを意識すれば、魅力的な歌声を作り上げることができるでしょう。

 

自分の歌い方を作り上げるためのチェック項目は、以下の記事で詳しくまとめています↓

自分に合った歌い方を見つける【ボーカルスタイルの決め方】

続きを見る

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