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発声方法

低い声の出し方について【低音発声の攻略】

投稿日:2018年8月2日 更新日:

今回は「低い声の仕組みなどの基礎知識」と「低い声の出し方」についての内容です。

低い声の基礎知識

低い声の出し方やトレーニングに入る前に、低い声についての基礎知識をまとめておきます。

  1. 音程が下がる仕組み
  2. 声帯の大きさや長さと音程の関係
  3. 低い声は鍛えても伸ばしにくい

という3点です。

 

①音程が下がる仕組み

声帯は、伸びたり縮んだりすることで音程をコントロールしています。

  • 声帯が伸びることで高い声
  • 声帯が縮むことで低い声

になります。

 

具体的には、こういうイメージです↓

 

つまり、低い声を出すには声帯を縮めることが必要ということです。

 

②声帯の大きさや長さと音程の関係

声帯は、個人個人持っている声帯の長さや大きさが違います。なので、話す声や歌うときの音域が人それぞれ違うのですね。

 

そして、

  • 声帯が長い人や大きい人ほど声が低い
  • 声帯が短い人・小さい人ほど声が高い

です。

 

これは、男性と女性の声の高さの違いをイメージすれば誰もがわかると思います。

ここですごく大事なポイントは

  • 声帯のニュートラルな状態(伸びも縮みもしていない楽な状態)の時の音程が人それぞれ違う

ということです。

 

例えば、何も力を入れず楽な声で「あーーー」と発した時、

  • ある人は「ミ」
  • ある人は「ファ#」
  • ある人は「ソ」

のように人それぞれ差が出るということ。

 

このニュートラルな状態の音程の違いが低音の出しやすさに関わってきます。

 

③低い声は鍛えても伸ばしにくい

これまでの「①縮む」「②声帯のニュートラルの音階」という二つのポイントから

  • 低い声は鍛えてもなかなか伸びない
  • 低い声は持っている声帯によってある程度限界が決まっている

ということが言えます。

 

まず音程を低くするには声帯を縮めなければいけませんが、声帯は縮めば縮むほど弛(たる)みます

 

伸ばした輪ゴムを縮めていくようなイメージをするとわかりやすいと思います。

*図はわかりやすく極端に表現しています。

 

ピンと張っているからこそ綺麗な音にできるのであって、弛めば弛むほどに綺麗な音にしにくくなり、最終的に音にできなくなります。

 

つまり、限界までたるむとそれ以上低い声を出せなくなるということ。

 

ここで、先ほどの声帯のニュートラルな状態が関係してきます。

 

例えば、声が低い人と比べると、高い声を持っている人はニュートラルな音程高いので、声帯が縮む音程も高い。ということは、弛んで音にできなくなる音程も高い。

なので、もともと声が低い人(声帯が長い人・ニュートラルが低い人)の方が、低い声が出しやすいということになります。

 

これが、「低い声は鍛えてもなかなか伸びない」「低い声は持っている声帯によってある程度限界が決まっている」と言われる理由です。

 

これらは大前提として頭に入れておかなければいけないものです。

 

世界一低い声が出せるシンガーも、やはりもともと声がすごく低いからこそ出せる↓

 

低い声の人ほど魅力的な低い声が出しやすいのですね。

 

特に『歌に使える声かどうか』を考えた場合は、よりシビアに考えなければいけないので、自分の持っている声帯には逆らえなくなることがほとんどでしょう。

 

ただし、熱心に訓練すれば低音域もある程度は伸ばせるとも考えられます。伸ばしたものが歌に使えるかどうかはまた別問題ですが。

 

例えば、女性でも超低音を出せる人はいます↓

 

これらは、低音で「いかに声帯を弛ませないか」「どれだけ音として成立させられるか」という点に集中することで超低音を実現させています。

 

低い声の出し方

低い声の出し方は、非常にシンプルです。

  • とにかく喉仏を下げる
  • 下げられないのなら下げられるように鍛える

これだけです。

 

そもそも誰もが低い声を出そうとすると、自然と「喉仏を下げる」という行動をとっているはずです。

 

これは理屈的には

  1. 声帯が弛みにくいように(音として成立させるために)喉仏を下げている
  2. 喉仏を下げることで共鳴空間(声帯〜声の出口までの距離)が広くなり、その結果低い周波数領域を強調させようとしている

などが考えられます。

 

頭で考えていなくても、誰もが自然とそういう行動を取るというのが人間の面白いところですね。

 

とにかく、喉仏を下げる(≒あくび喉)という動作で低い声は出しやすくなりますし、

  • 低い声を伸ばすには『喉仏をいかに下げられるか』『喉仏のコントロール』という部分を鍛えること

が一番ということになります。

 

つまり、低い声を鍛えるには喉仏を落とすような低音のトレーニングがおすすめということになります。

 

トレーニング方法は「ボイ」の発音でのトレーニングがおすすめです。

 

「ボイ」トレーニングのやり方

  • 「ボイ(BOY)」と発声してトレーニングします。
  • このとき喉仏が下へ下がるような意識をしっかりともつ
  • 出せる低音域から出せない低音域へと「ボイボイ」と発音しながら開発する

詳しくは『咽頭共鳴のトレーニング』の記事にも書いています。

 

これである程度は伸ばすことができるでしょうが、人それぞれの限界というものを考慮する必要はあります。

 

声帯そのものを低くすることはできないのか?

意識・動作によって単発的な低い声を出したいのではなく、「常時低い声を出したい」「会話で低い声を出したい」というような『低い声になりたい人』もいるでしょう。

 

しかし、これも基本的には厳しいと考えるべきでしょう。先ほど述べたように声帯の大きさが決まっている以上はどうしようもないこともあります。

 

ただ、『声帯そのものを低くする方法』が全くないとも言えないです。もちろん、あくまで「若干なら変化するかもしれない」という方法ですが、理論上は成立します。

 

その方法は

  • ひたすら『筋トレ』をする

です。

もっと正確に言えば、

  • テストステロン値を高める

ということ。

 

これによって、若干ずつ長期的に声そのものが低くなると考えられます。男性も女性も。

 

というのも、テストステロンは声帯そのものを長く成長させる性質があるので、声が低くなっていきます↓

これは女性の体・声を持った人のテストステロン(男性ホルモン)注射による変化なので、劇的に大きな変化になりますが、これをほんの些細にしたものが筋トレでも理論上は起こると考えられます。

 

例えば、女性アスリートが一般人と比較すると声が低い人が多い傾向にあるのも、この部分が関連してくるのかもしれません(*男性はそこまで差がない?)。

また、女性は年をとると声が低くなりますが、これもホルモンの比率変化が声帯に影響するからですね。

 

おそらく、筋トレや運動では期待できるほどの変化はないとも思いますし、変化したとしても長期的に緩やかな変化になるでしょうが、理屈的にはテストステロンを高めると声が低くなるということです。

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