今回は『喉が締まる理由』についてのテーマです。
この記事は
- 歌うときに喉が締まる原因
- 喉締め発声の改善方法
についてです。
歌うときに喉が締まる原因
「歌うときに喉が締まる」という悩みを抱えている人もいると思います。
この喉が締まる状況は大きく分けると2つです。
- 『声量』
- 『高音』
この2つの状況・理由で喉が締まることがほとんどでしょう。
そしてこれは自分が持っている能力(声帯コントロール)の許容範囲を超えた『声量』や『高音』を出すときに起こります。
つまり、喉が締まるのは
- 『声帯コントロール能力』が足りないから
と言えます。
『声量』が原因で喉が締まる
これは主に自分の許容範囲を超えた声量を出そうとすると起こります。
声量を出そうとするということはつまり息を多く強く吐こうとするはずです。
人間は本能的にそういう風になっていると思います。大声を出そうとすると多くの息を使うのです。
声帯というのは息という風によって細かくなびく弁です。この弁が絶妙に閉じているからその細かい振動により音が鳴ります。
もし息が強すぎるとどうなるか?
思いっきり声を出すと、声は大抵割れて叫び声・シャウトのようになってしまうはずです。
これはその弁が息の圧力に耐えられずに、綺麗に振動させられなくなるために起こることです。声帯を綺麗に閉じた状態を維持できないのですね。
これは思い切り声を出した場合ですが、そこまで叫ばない場合でも同じようなことが起こりかけるのです。
この起こりかけるというのが原因を解明する大きな鍵です。
自分の許容範囲を超えた声量(声帯が支えきれない息の量)になった場合、それでも声帯をしっかりと閉じていよう(綺麗な声を出そう)とします。
この時、声帯をコントロールする力は目一杯使っているので、もう声帯だけで息を支えられる余力はありません。結果的に喉全体を使って締めようと(声帯が息を支えられるように)するのです。
喉を締めて声帯のサポートをしているので、割れた音色にはならないですが、それが起こるのを防ぐために喉が全体的に締まっている状態です。
これが声量が原因で喉が締まる理由です。
実はもう一つ、この息の強さで声が割れる際に本当なら『仮声帯』という部分の動きについても考えなければいけません。
この仮声帯は声帯が割れるの防ぐために勝手に閉鎖してくれます。
というより”割れる音”の正体はこいつです。これにより「がなり発声」が生まれます。
ただ話が複雑になってくるので、ここでは触れません。興味のある方はどうぞ。
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がなり声の出し方【仮声帯発声についての考察】
続きを見る
声量を大きく出そうとする→息の量を多く吐く→声帯が息を支えられない→喉全体を使って声帯を支えようとする=喉が締まる
『高音』が原因で喉が締まる
これも一つは先ほどの『声量』と同様に息の量が原因です。
高音を出すためにも息の量が多く必要です。
これも本能的に息を多く吐こうとするはずです。
息を多く吐こうとするので当然先ほど同様声帯が息の圧力に耐えられなくなります。その結果、声帯が割れないように支えようとして喉が締まるのです。
もう一つは『声帯コントロール能力』が欠けているのが原因ですね。
この『声帯伸展』と『声帯収縮』の二つの力についての詳細はこちら
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声の音程を調節する仕組みについて【声帯伸展と声帯収縮】
続きを見る
声帯のみをしっかりとコントロールできればいいのですが、声帯コントロールが不足している人は声帯の力だけでは高いピッチを鳴らせないので、喉全体を使って助けてあげようとします。
人によるので一概には言えませんが、主に「声帯伸展」声帯を引き延ばす方の能力(輪状甲状筋)が欠如していることが多いはずです。
その結果上手くコントロールできず喉の外側の力を借りて、締めるようにしてでも高音を出そうとします。
要は声帯だけを上手くコントロールできないので、喉が(勝手に)締まってくれるのですね。
高音を出そうとする→声帯をコントロールできない→喉全体(声帯の周り)を使って声帯をコントロールしようとする=喉が締まる
喉締め発声を改善する方法
喉締め発声を改善する方法は大きく二つ
- 脱力促進系のボイストレーニングをする
- 根本を解決する(=声帯コントロール能力を鍛える)
この二つです。
分けていますが、両方とも繋がっている項目でもあります。
脱力促進系のボイストレーニング
喉の脱力を促すようなボイストレーニングです。
方法はいろいろあるでしょうが、
オススメは
などですね。
これらのトレーニングは特殊な発声や発音で喉の脱力を促すことができます。
毎日コツコツと続けることで喉を力みが取れていくかもしれません。
これらのトレーニングは脱力を促しますが、同時に声帯コントロール能力をつけていることにもつながります。
根本を解決する(声帯コントロール)
声帯コントロール能力があれば
- 声量においても
- 高音においても
喉締め発声になる可能性は減るでしょう。
なので、声帯コントロールを鍛えることが重要なのです。
なので先ほど紹介したトレーニングなどで声帯を鍛えることが改善策になるのですね。
ただ、
なぜ項目を分けたのかと言うと、脱力系のトレーニングだけが声帯コントロールを鍛えるものではないからです。
声帯コントロールを鍛えるトレーニングは全てのボイストレーニングが関係しているとも言えるため、
- 『何をどうすれば声帯コントロールが鍛えられる』
と明確に言うことは難しいのですね。
場合によっては話すことだけでも声帯を鍛えることになるでしょう。
結局は『人による』のです。
なので、自分には何が足りなくて何が必要なのかを見極めてそのトレーニングをコツコツと積み上げることが声帯コントロール能力を高めることにつながるでしょう。
難しいですね。
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『声帯コントロール』の鍛え方について
続きを見る
個人的に一番いいと思う改善方法
一番いいのは
- 一度『喉締めにならない音域』まで戻って、その発声状態の音域をゆっくりコツコツと広げる
ということです。
結局多くの人が最初に頭で考えるであろう答えこそ、実は核心だと思っています。
おそらく、すべての音域が喉締めになるという人はほぼいないはず。
必ず喉締めにならない音域帯が存在するはずなので、”その音域帯の発声状態を維持したまま音域を広げる”練習をすることが結局全てを解決します。
しかし、この練習方法は地道・つまらない・大変・効果が短期間でわかりにくい、など人が嫌うデメリットを多く抱えています。
なので、楽な道や一気にジャンプできる道を探してしまいますが、一気にジャンプすると「喉締めではないし、高音も出るが、魅力的ではない発声」になったりすることが多いのかもしれません(*カラオケで自由に楽しみたいだけの人にはありなのかも。ニーズはそれぞれ。)
本当に喉締めを改善し、魅力的に歌いたい場合は結局コツコツとした練習に勝るものはない。
具体的なコツコツ練習はこちらをどうぞ。
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地声の高音域を広げる方法【結局、地道なトレーニングが一番いい】
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