ボイストレーニング

ホイッスルボイスについての考察|出し方・練習方法

投稿日:2018年8月6日 更新日:

今回は「ホイッスルボイス」というものについての内容です。

ホイッスルボイスとは超高音の声の出し方で、笛のような音が鳴ることからホイッスルボイスと呼ばれます。

有名なホイッスルボイスの使い手と言えば、マライア・キャリーさんなどですね。プロの歌手でさえ出せるのはほんの一握りの声です。

今回はそんなホイッスルボイスについて考察していきたいと思います。

『ホイッスルボイス』とは

ファルセットやヘッドボイス(芯のあるファルセット)の上の音域帯に存在する超高音です。高音好きの人は聞いたことがあるでしょうし、マライア・キャリーが好きという人も知っている言葉でしょう。

簡単に言うと声帯の『超閉鎖』による高音ですね。

定義は曖昧?

実は正確な線引きをするのが難しい言葉でもあります。というのも超高音をなんでもホイッスルと言ってしまう人もいますし、限られた綺麗な音色をホイッスルボイスと言う人もいます

どちらでもいいのですが、個人的には美しいホイッスルボイスは本当に笛のような音色ファルセットやヘッドボイスの音を高めた状態とは別物だと考えています。

超高音でヘッドボイスを出していたり、超高音でシャウト系の発声をしていたりするものをホイッスルボイスという人もいますが、それは音がすごく高いファルセットでホイッスルボイスと言えるのかどうか、、。まぁ正確にはわかりません。

単純な超高音をホイッスルという人もいるので、線引きするのは難しいです。

なんにせよ、超高音を生み出すホイッスルボイスは声帯(正確には声帯の周辺)を閉鎖させすぎるので、ファルセットの延長線上でもありますし、ミックスボイスの延長線上でもありますし・・・・閉鎖が強すぎて何の延長線上かわからないくらいの閉鎖というわけです。

おそらく強い閉鎖状態のエッジボイスの延長線上と言うのが一番しっくりきますね。非常に強い閉鎖状態の声帯に息を通すような発声法です。

個人的には美しいホイッスルボイスと呼べるほどの音色はほんの限られたものだと思っています。綺麗な共鳴や倍音が乗っている、特に息の倍音が多く乗っている発声はまさに笛の音色そのものです。

口笛のような音色ですね。

ホイッスルボイスの声帯の状態

ホイッスルボイスの声帯の閉鎖状態は声帯のみならず声帯まわりもかなり収縮している状態と考えられます。

地声の声帯の状態は

裏声の声帯の状態は

ミックスボイスの声帯の状態

ホイッスルボイスの声帯の状態は

基本的にこのような状態であると考えられます。

声帯ではない部分、声帯周辺の部分も非常の強く閉鎖して上部から見ると仮声帯などがかなり閉鎖している動きをしています。

つまりこの超閉鎖を起こすことがホイッスルボイスの鍵ですね。

ホイッスルボイスの例

マライア・キャリーさん

これはまさにホイッスルボイスですね。かなり美しい音色のホイッスルボイスだと思っています。ホイッスルボイスの完成形でありお手本であると言っても過言ではないはず。

息の倍音が乗っているホイッスルボイスマライア特有の素晴らしい声です。↓

アダム・ロペスさん

ギネスに認定されたほどの超高音域です(現在は中国の人に抜かれているとかいないとか)。

僕は基本的に男性は出せないもの(魅力的な綺麗なホイッスルボイスは)と思っているのですが、綺麗なホイッスルボイスが出せています。

息の倍音がしっかりと感じられるまさにの音色。すごいの一言です。

ヴィタス

さて、結構これが問題だったりします。

これはホイッスルボイスと言えるのでしょうか?2分7秒あたりからです。ヘッドボイスから入っていって、そこから超高音域に入っています。まぁ広く言えばホイッスルボイスなのでしょう。ですがなんだか笛っぽくないですよね。息の倍音より閉鎖による倍音が大きいからですね。笛というよりは電子音のような感じですね。レーザーボイスとかの方がしっくりきそうです。

これをホイッスルボイスというかどうかはあなた次第ということで。

ホイッスルボイスの出し方・練習方法

ホイッスルボイスは実はファルセットからのアプローチも地声やミックスボイスからのアプローチも変わらないと考えています。

なぜかと言うと、どっちからでも関係ないくらい声帯を閉鎖させているからです。

どちらの声から辿っても、種類が判別できないくらいの超閉鎖(超高音)になるのです。

さらに言うと声帯のみの閉鎖だけでなく、外喉頭筋群を使って喉を締めた状態を作ります。つまり喉の空間自体もある程度締めるのです。普通は「喉を締めるな」とボイトレでは言いますが、ホイッスルボイスではひたすらに閉鎖させる意識が重要でしょう。

アプローチ方法

  • 高音のエッジボイスを出します
  • この状態からさらに喉を締めることを意識します
  • 音になるかならないくらいの範囲まで締めます
  • 口を思いっきり「あ」の形に開けます
  • この状態から息を声帯の閉鎖で止める意識をします
  • 思いっきり高い音を出す意識を持ちます
  • 声帯でせき止められた息を押しのけるように息を押し出して声にします
  • 「キュ」っと言う音の性質になると思います
  • ここに強い息を通すことがきればで笛の音色に近づくはず

これをコントロールできるようになった声がホイッスルボイスですね。

出せましたか?無理ですか?無理ですよね。息を通せないか、息を無理に通せば音の種はなるかもしれませんが、声帯を超閉鎖を維持できないかのどちらかになると思います。(僕も無理です。特にこの息を通すというのが難しい)

喉がかゆいような、痛いような感覚になると思います。

声帯の小さな隙間に息を通すのです。

にもかかわらず息の圧力はすごい圧力です。そして、その隙間にのみ圧力(負荷)がかかるので、その隙間が受ける負荷は相当なものになります。

その部分が少なからずダメージを受けるのです。これが痛がゆさの正体ですね。これは普段使わないために「かゆい」のです。さらにダメージを受けているので痛いのです。

とりあえずファルセットとかミックスボイスとかそういう考えではなく、喉を可能な限り締めた状態を作ってそこに声を通す感覚で練習しましょう。強いエッジボイスの閉鎖感覚が一番近いはずです。

また、かなりの練習量が必要になると思われます。普通出そうとすら思わない音域(日常生活でまず使うことがない音域)ですから。生まれつき出せる人がいるとしたら、かなりの才能の持ち主だと思います。

ちなみにですが、現代人はだいたい3オクターブくらいが出せる音域(現状がどうであれ誰もがこれくらいのポテンシャルを持っている)です。原始人など人がもっと猿に近かった頃は5オクターブ以上出せていたとかいう説もあります。長い時間をかけていらない音域は使えないように進化したのでしょうね。森で仲間を呼ぶときは超高音の方が通りそうですもんね。

ホイッスルボイスはなくてもいい?

高音大好きな人は極めたいところでしょうが、プロのシンガーでホイッスルボイスを出せる人が何人いるでしょうか?

そう多くはないですね。シンガーの数に対してのホイッスルボイスを出せる人の割合は1%以下ではないでしょうか。

これは限られた人しかできないものという理由だけでなく「必要ないもの」だからではないでしょうか?

ココがポイント

ホイッスルボイスが真に魅力的なものであるならば、その声をみんな練習するでしょうし、そういう方向へ音楽は進化していくはずです。プロのシンガーですから(同じ人間ですから)ひたすら練習すればそのうちできるでしょう。

ですが、そうしないのはホイッスルボイス出ない普通の声の方が人にとって魅力的に聞こえるからではないでしょうか。人が魅力的に感じる音域をホイッスルボイスは突き抜けてしまっているように感じます。

一歩間違えれば耳障りなほどの高音ですもんね。もちろん「すごい!」と思わせたりする力はありますが、その超高音に果たして音楽的感動があるでしょうか?

「すごい!」のと「良い!」のは違うような気がします。

例えるなら

サッカー選手がバク転できるみたいなものです。サッカーには必要ないけどゴールパフォーマンスには使える。みたいな。少し違いますが・・。

要はバク転なんてできなくてもサッカーの試合には何も影響しないどうでもいいものということです。バク転の練習に時間をかけるくらいならシュートの練習した方が断然良いってことです。

マライア・キャリーさんとかのクラスはドリブルしながらボールを足で挟んでバク転して相手を抜き去るみたいな技を完成させてしまったようなものです。バク転をサッカーに使えるものまで昇華させたすごい人なのです。

さらに、マライア・キャリーさんはホイッスル以外が尋常じゃない上手さだからこそ、ホイッスルも聴かせられるのです

何が言いたいかというと、ホイッスルボイスは基本的にいらないということです。驚かすには良いです。確かに憧れるものでもあります。が、出せるようになった時に気がつくでしょう。

「あれ、これ使えないかも」って(まぁ出せない僕が言っても説得力に欠けますが)。

ただ「ないよりはあった方がいいもの」であることは間違いないです。でも「なくてもいい」

練習したい人は練習すればできるようになるはずです。もちろん個人次第ですが、なかなか使えない技を磨くために膨大な時間を使うのかどうかは悩ましいですね。

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