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発声方法

ロングトーンの出し方や練習方法について【息の消費量が鍵】

投稿日:2019年11月28日 更新日:

この記事は

  • ロングトーンの概要
  • 出し方・練習方法
  • 上手くいかない時
  • 高音のロングトーンについて

という内容です。

「ロングトーン」とは

ロングトーンとは、「音を長く伸ばすこと」を指します。

具体的にどれくらいの長さが必要かという定義はなく、人が主観的に「長い音」と感じるものがロングトーンとなります。

 

ちなみに、歌ではないですが、声における現時点での人類の限界は、2分1秒とされています↓

 

ロングトーンの理屈

ロングトーンを練習する前に、どうやって長い音を出すことができるかを理解することが重要です。

 

これは、実際に体感してみると分かりすいです。

 

まず、思いっきり息を吸って、

  1. ため息のような声で「はぁーーー」と声を伸ばせるところまで伸ばす
  2. 喉を少し締めるような意識で、声帯をしっかりと閉じ「あ”ーーー」と伸ばせるところまで伸ばす

と発声してみましょう。

 

おそらく、②の方がロングトーンできたはずです。

①のため息のような発声は声帯が閉じていないため、息の消費量が多く、すぐに息が尽きて音を伸ばせません。

声帯が息をせき止めていないので息をすぐに使い切ってしまう

 

一方、喉を少し締めるような発声は、声帯がしっかり閉じるため、息の消費量が少なく、より長い時間音を伸ばすことができます。

 

声帯がしっかりと閉じることで息をせき止める力が働き息の消費は少なくなる

もちろん、声帯がしっかりと閉じて入れば喉を締める必要は全くないのですが、これはわかりやすく体感するためのものです。

 

とにかく、息を早く使い切ってしまうとロングトーンはできないし、息を使い切らなければロングトーンはできるということです。

 

ということは、ロングトーンを実現するためには、

  1. 息の『総量』をどれだけ増やせるか
  2. 息の『消費量』をどれだけ減らせるか

という2つの要素が重要だと言えます。

 

このうち、『息の総量(肺活量)』を増やすことも、ロングトーンを成功させるためには一定の効果がありますが、それ以上に重要なのは『息の消費量(声帯部分)』を減らすことです。

息の消費量の方がロングトーンの鍵

この理由は、『息の総量』は鍛えて増やすには限度があるからです。また、声帯部分の『息の消費量』は調節の役割を担っており、ロングトーン に対するアプローチ効果が高いと考えられるからです。

 

つまり、

ロングトーンを作る上でのメインが『息の消費量の調節』、サブが『息の総量』というイメージを持つといいと思います。

 

ロングトーンの出し方・練習方法

上記のような原理から、ロングトーンのトレーニングは

  • 息の消費量が少ない発声方法をトレーニングする

ということになります。

 

練習方法

  1. まずは思いっきり息を吸って吐こうとしたところで、息を止めます。この時、喉や声帯が息をせき止めている感覚を持つ。
  2. その感覚を保ったまま、そのせき止めたものを”ほんの少しだけ”解いて声を出す。
  3. すると、エッジボイスのような尖った声になり、もう少し解くと強い鳴りの声になるはずです。こうなると、まずはロングトーンが可能な発声になっているはず。大事なのは息をせき止めた時の感覚をなるべく保ちながら発声することです。
  4. おそらく、歌に使える発声にするにはもう少しせき止めを解く必要があるでしょう。この解く度合いと音色を自分で上手く調節しながら、ロングトーンが可能でかついい音色が鳴る声帯の使い方を探っていき、体に慣らしていく。

 

このようにアプローチするといいと考えられます。

コツは声帯が息をせき止めている感覚・息を支えているような感覚をしっかりと感じることです。

 

例えば、「スーーーあーーー」とつなげて声を出してみてください(*この時前の発音「ス」の感覚を維持したままつなげてください)。

 

次に「ズーーーあーーー」とつなげて声を出してみてください。

 

そうすると、「ス」の方よりも「ズ」の後につなげた「あ」の方が、息がしっかりと喉付近で支えられている感覚があると思います。

 

これは、声帯が息をせき止めることでかかる圧力(=呼気圧)です。

呼気圧がしっかりとかかっている状態は息の消費が少ないので、呼気圧の高い発声はロングトーンが可能になります。

 

ロングトーンの高音はどうする?

おそらくロングトーンで一番注目を浴びやすいのが、高音のロングトーン発声です。

 

こんなイメージ↓

「ロングトーン」はできるけど、「高音のロングトーンができない」という人もいるでしょう。

 

これは「高音ロングトーン発声の方法は?」と合わせて考えるのではなく、「高音」と「ロングトーン」と分けて考えましょう。

セットにせず別々に考える

普段話す音域程度のロングトーンは、多くの人にとってそれほど難しいものではありません。

 

その音域における声帯のコントロールができている状態であることが、「ロングトーンができる」ということです。

 

つまり、高音域を自由にコントロールできる状態であれば自然とロングトーンもできます。逆に、その高音域でロングトーンができないということは、まだその音域自体をコントロールできていないとも言えます。

 

そのため、「出しやすい音域のロングトーンはできるけど、高音のロングトーンができない」という場合は、ロングトーンを考える前に、その音域自体をしっかりと鍛える方向で考えるといいでしょう。

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ロングトーンが震える・ヨレる

ロングトーンは、最初のうちは上手くできないことがあります。

例えば、震えたり、ヨレたりして一定の状態を保つことができない状態ですね。

 

この原因は、声帯の状態を一定に保つことができていないことによります。つまり、声帯の調節が上手くできていないということですね。

 

そのため、声帯を鍛えることが必要です。

「鍛える」とは言っても、基本的にやることは『何度も練習して体に慣らす』という感じになるでしょう。

 

まずは自分が一番出しやすい音階から、何度もロングトーンを発声すれば、問題点もだんだんと改善されてくるでしょう。

 

また、息の吸い方などに問題がある場合もあるでしょう。

ロングトーンの前にしっかりと息を吸わないと、どんな人でもロングトーンの精度に悪影響が出てしまいます。先ほどの世界一のロングトーンの人も、しっかりと息を吸っていましたね。

 

ブレスの面に問題がある場合は、そこをトレーニングすると、ロングトーンができるようになってくるでしょう。

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