この記事は
- 力強い声とは?
- 力強い声のポイント
- 力強い声の出し方・練習方法について
という内容です。
力強い声について
『力強い声とはどんな声?』というのをしっかりと定義するのは実は難しいです。
『力強い』という印象の感じ方が人それぞれなので、極論を言ってしまえば「人それぞれ」となります。
しかし、それだと話が進みませんので次のように定義して話を進めます。
- 仮声帯が鳴る発声(*がなり声)
- 声帯がしっかりと鳴る発声、声帯に息の圧力をしっかりとかけた発声
の片方、もしくは両方に当てはまる発声と考えます。
①仮声帯が鳴る発声
仮声帯って何?という方もいるでしょうからまずはこちらを確認(*再生位置4:24〜、喉がガラガラ・ゴロゴロ鳴る発声)↓
こういう声は日本語では「がなり声」「うなり声」などと言いますが、この「ガラガラ・ゴロゴロ」している成分を生み出している部分が「仮声帯」です。
この水色の部分を使うので、「仮声帯発声」と言われます。
力強い声に”必須ではない”とは思うのですが、これがあると十中八九『力強い』という印象を持つはずです。
なので、「仮声帯が鳴る発声」というのが力強い発声の一つの条件だと考えられます。
-
-
がなり声の出し方【仮声帯発声についての考察】
続きを見る
②声帯に強い息の圧力をかけた発声
こんなイメージ↓
これは強い息の『圧力』という部分が重要になってきます。
つまり、
- 声帯をしっかりと閉鎖する(*喉を締めるわけではない)
- 強い息を流す
という2つの力によって『声帯にかかる息の圧力=呼気圧』が生まれます。
声帯がしっかりと閉じ、かつそこに強い息の力が加わることで、声帯部分に強い圧力(呼気圧)がかかっている状態になります。
この強い圧力がかかっている状態の声は「強い音(大きい音)」が鳴ります。
つまり、強い鳴りの発声を生み出すことができるということです。
ちなみにこれはどちらか一方ではダメで、「声帯が息をせき止めている力」と「息が声帯を押す力」の両方をバランスよく成立させることで『声帯に強い息の圧力をかけた発声』を生み出します。
【おまけ】共鳴が「力強さ」に与える印象
以上2つの条件で「力強さ」という条件は満たせると思うのですが、共鳴の印象も力強さというものに何らかの影響を与えているとは思います。
つまり、同じくらいの力強い発声でも
- 上方向(鼻腔・口腔)への共鳴が強い発声
- 下方向(咽頭腔)への共鳴が強い発声
で力強く感じる感じ方が変わるかもしれないということ。
おそらく大抵の場合、「下方向への共鳴が強い発声」の方が力強さを感じるはず。
例えば、下方向への共鳴を強めるのは「喉仏を思いっきり下げて声を出す」とできます。上方向への共鳴を強めるのは逆に「喉仏を少し挙げ気味に声を出す」。
この時、喉仏を下げた方が力強い印象を生み出すはずです。
厳密には『力強さ』というよりも声の『太さ』と言った方が正確なのですが、太さと力強さというものはある程度の相関関係があるでしょう。
-
-
太い声の出し方について【声の太さは咽頭腔が作る】
続きを見る
力強い声の出し方
「仮声帯発声」に関しては先ほどの「がなり声の出し方」のリンク先にて詳しく書いているので、ここでは省略します。
普通の力強い声というものは
- 声帯をしっかりと閉鎖する
- 強い息を流す
という二つの条件により強い『息の圧力がかかった発声』というものが鍵でしたね。
ということはこの二つの条件を満たすように発声すれば「力強い声になる」と考えることができます。
なので、『強い息の力で強く声帯を鳴らす』。
出し方と言えるようなものは実はそれぐらいなのです。
力強い声の出し方
まずは余計に締め付けることなくいい具合に強めにエッジボイスの状態を作ります。
- 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”・・・」
今、声帯はしっかりと鳴っていると言える状態です。声帯はなるべくこの状態をキープして息を勢いをどんどん強くして声にしていきます。
- 「あ”ーーーーーー」
しっかりと声帯が鳴っている状態のままの発声を継続します。
ここから大事なのが声帯が息をせき止めている力(強めなエッジボイスの状態)があるにも関わらず、息を強めていかなければならないという矛盾を生み出さなけばいけないということです。
さらに息の勢いをどんどん強くしていくと理論上『力強い声になる』と思うのですが、どうでしょう?
「いや、できねぇよ。」という人もいるでしょう。
そもそもこれでできたら言われなくても力強い発声ができるはずです。
力強い発声ができる人は『力強い発声をしようと思って』力強い発声ができます。
そもそもこんな風に「声帯が、息が、圧力が、、、、」という思考回路ではなくてもできるということです。
逆にできない人は何かを工夫しようが意識しようが考えようがすぐにはできないはずです。
ココがポイント
ここで重要なのが「なぜできなかったか?」です。
『何が原因でできなかったか』を考えると練習方法が見えてきます。
おそらく息の勢いや息自体の力を強めることができなかったという人は少ないでしょう。
大抵の人は声帯が息の勢いを支えきれなくなって、
- 声が割れる
- 変な声になる
- 声にできなくなる
など、人それぞれなんらかの道を辿ったと思います。
どれも原因は『声帯が息の勢いを支えきれなくなった』ということに起因すると思います。
そしてこれは声帯のコントロール能力がないから起こるのですね。
なので「力強い声」を出すには『声帯が息の圧力を支えきれるように』なる練習をするべきと考えられます。
力強い声の練習方法
声帯が息の圧力を支えきれるようになる練習とは言っても、個々の声帯の状態は様々ですからこれをすればいいと断言できるものはないと考えられます。
などなど考えられる練習方法は無数にあります。
これは自分で色々と試行錯誤みてください。
重要
鍵は「声帯が息の圧力を綺麗に支えられる」ということ。これを目的にして、自分で試行錯誤して練習することが一番の近道ではあるはずです。
この目的をしっかりと押さえることが重要でしょう。