発声方法

ファルセットとヘッドボイスの違いについて【日本と海外で考え方が違う?】

投稿日:2020年12月26日 更新日:

今回はファルセットとヘッドボイスの区別についての内容です。

特にこの

  • 『ヘッドボイス』

という言葉。

これが、日本と海外で考え方が似ているようで全く違うという面白い現象が起きているようです。

今回はそういうお話。

ファルセットとヘッドボイスの定義の違い【日本編】

一般的な考え方として

  • ファルセットは『息が多い裏声』
  • ヘッドボイスは『芯のある裏声』

という表現で語られていますね。

 

特に深く考える必要もなく、息っぽい裏声であればファルセットで、しっかりと鳴っている裏声であればヘッドボイスなのでしょう。

 

個人的にはですが、この区分の必要性をほぼ感じないというか。

そのまま「息っぽい裏声」「鳴りの強い裏声」じゃダメなんですかね? だって、地声はこんな風に区別しないじゃないですか、、。笑

 

まぁ、グーグルで検索すれば大体こんな感じで出てくることが多いです(日本では・・・)。

 

別の切り口からこの表現を深く考えると、クラシックとポップスの考え方がごちゃごちゃになっているような気もしないでもないのですが、、、

これを考え出すと、キリがないので今回はポップスにおけるファルセットとヘッドボイスのお話です。

 

では、海外はどうなのか?

 

海外(の古い考え方?)では『ファルセット=ヘッドボイス』?

全部が全部というわけではないのはもちろんですが、海外のボイトレ界隈では

  • 「ファルセット=ヘッドボイス」

という風に同義語的に表現しているのを目にする機会もあります(もちろん、日本の方にもそう表現している人はいますね)。

 

割と「息が漏れる」とか「芯がある」とか関係なしにそういう表現をしているのをよく見かけます。

例えば、世界的シンガーのジェシー・Jさん(4:55〜)↓

  • 「head voice is ha〜〜〜

息漏れ漏れですよね。確実に「息っぽい」。

 

でも『head voice』と言ってますね。

 

こんな風にヘッドボイスとファルセットを音色的な区別もせずに同義語的に扱う人も多くいます(向こうの”古い”考え方?)。

 

特にそれで問題ないとは思います。

 

概念や語源的には

  • ヘッドボイス=head voice=頭声=地声(胸声)に対して頭に響く声=裏声
  • ファルセット=”false”tto(false=偽の)=仮声=地声に対しての偽りの声=裏声

という風に考え方が違うだけでたどり着く先は同じですね。

 

僕も個人的には「ファルセット=ヘッドボイス」と考える概念の方がしっくりきます。

ちなみに「息=ファルセット」「芯=ヘッドボイス」という考え方がしっくり来る人もいると思いますので、それはそれでいいとも思います。

 

ただ、そういう考え方の裏側に「犬ファルセット」と「猫ファルセット」という2種類の声帯の問題も絡んでいるのではないか?

と個人的には思っています。

正しい裏声について【犬ファルセットと猫ファルセット】

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海外(の最新の考え方?)にはもっと違う概念のヘッドボイスがある?

試しにグーグルで「head voice   falsetto  difference 」と検索してみると面白いですよ。

 

The breathy and relatively thin nature of a falsetto tone will become very evident as compared to head voice, which has a clearer and richer timbre at a louder tone.

Head voice has some of the buzzing element that most people know so well from chest voice. This is because when singing in head voice, the vocal folds close (adduct) more than when singing in falsetto.

引用元:What is the difference between head voice and falsetto?

訳)ファルセットの音色は大きくてクリアで豊かな音色を持つヘッドボイスに比べて息っぽさと比較的薄い性質になるのは明らかでしょう。

訳)ヘッドボイスは、地声のような鳴り(buzzing)の要素があります。これは、ヘッドボイスで歌うときは、ファルセットで歌うときよりも声帯が閉じる(付加する)ためです。

 

一見すると日本と言ってることは変わらないようにも思いますよね。

 

ところが、サイト内で例として示している部分(”I like you a little too much for that〜”*0:47〜)↓

 

おや?

これは日本だと割と地声かミックスボイス(ミドルボイス)と言われそうな発声、、。

 

少なくとも、『裏声ではない発声』ですね。

 

次の例。

While falsetto and head voice have been used interchangeably in the past, falsetto is understood to be a breathy version of high notes and head voice produces a richer and more balanced tone on the high pitches in a singer’s voice. Falsetto and head voice are two different modes for singing the same notes in the upper registers of the voice.

訳)ファルセットとヘッドボイスは以前は同じ意味で使用されていましたが、ファルセットは高音の息っぽい発声であると理解されており、ヘッドボイスは声の高いピッチでより豊かでバランスの取れたトーンを生み出します。

ファルセットとヘッドボイスは、声の高音域で同じ音符を歌うための2つの異なるモードです。

Singing with a full head voice (also called “singing with a mix” or “middle voice) is simply when you sing in your head voice register without going breathy.

訳)完全なヘッドボイスで歌うこと(「ミックスで歌う」または「ミドルボイス」とも呼ばれます)は、息っぽさのないヘッドボイスの声区で歌うときです。

Put another way, head voice is just a balanced or “flow phonation” at the top part of the voice, or head voice range.

訳)別の言い方をすると、ヘッドボイスはただ、声の上部、つまり頭の声の範囲のバランスの取れた「発声」です。

This means that Falsetto and Head Voice are simply two different ways of approaching the same note.

訳)ファルセットとヘッドボイスは、同じ音程にアプローチするための2つの異なる方法ということです。

One breathy (falsetto) and one with a balanced tone (“mix” or head voice).

引用元:Head Voice vs Falsetto: What’s the Difference?

訳)1つは息っぽい発声(ファルセット)で、もう1つはバランスの取れたトーン(「ミックス」またはヘッドボイス)です。

 

「昔はファルセットとヘッドボイスが一緒で〜」、みたいな記述もありますね。

そしてこちらもどうやら『日本のヘッドボイス』と随分とニュアンスが違いますね。

 

ミックスボイスorミドルボイス的な表現です。

 

このサイトの例では、これが『ヘッドボイス』らしい(”Money on My Mind〜”*0:54〜)↓

どう思います? 少なくとも裏声ではないですね。

これも(”Somebody to Love〜〜”1:35〜)↓

 

(“Let it Be”の“be” *1:32〜)↓

どれも日本だと地声かミックスボイスとか言われそうな感じです。

 

が、どうやらこれが

  • 『ヘッドボイス』

みたいですね。

 

つまり、

  • ファルセットではない発声で頭方向へ鳴らす発声

という”文字通りの表現(ヘッドボイス=頭の声)”として捉えている模様。

なんにせよ日本とは捉えている音が随分違うご様子。

 

このサイトだとこれはファルセットとしています。(1:13〜)↓

 

しかし、日本の一般的なニュアンスならこういう発声を『ヘッドボイス(芯がある裏声)』と言っていまいそうな気もします。

 

もちろん、グーグルの検索上位に出てきているものが正しいとは限りませんが、上位に出てきているものは多くの人の概念に影響を与えているはずです。

 

現に日本で「ファルセット ヘッドボイス 違い」で調べると

  • ヘッドボイス=芯のある裏声

で出てきますし、その定義が多くの人の概念に影響を与えていることでしょう。

しかし、海外では

  • ヘッドボイス=裏声ではない頭方向への芯のある発声=地声orミックスボイス

的なニュアンスになっているのですね。

 

最後にもう一つのサイト。

The head voice and falsetto can sound very similar. In fact some people may say they are one in the same. They both use a ‘head’ tone where the sound is felt in the head and not the chest.

訳)ヘッドボイスとファルセットは非常によく似た音になります。実際、一部の人々は同じものであると言うかもしれません。どちらも、胸ではなく頭で音が感じられる「頭」のトーンを使用します。

Falsetto is a thinner sound and is strictly in the ‘head’ and only uses the thin, leading edges of the vocal folds to vibrate. Head voice can be defined as a ‘mix’ of chest and head voice, which is generally a stronger sound than falsetto.

引用元:What’s the Difference Between Head Voice and Falsetto?

訳)ファルセットはより薄い音で、厳密には「頭」にあり、声帯の薄い前縁のみを使用して振動します。ヘッドボイスは胸と頭の声の「ミックス」として定義できます。これは通常、ファルセットよりも強い音です。

 

この3サイト、「head voice   falsetto  difference 」で上位に出てくるんですよ。

共通して、どちらかと言えば地声かミックス的なニュアンスで言っていますし、例として捉えている音もそうですね。

 

少なくとも裏声ではない。

 

日本と言ってることが同じようで全然違うという面白い現象ですね。

「ファルセット」と「ヘッドボイス」は日本的な考え方なら区別は必要ないですが、海外的に考えるのなら区別されるのもわかります。

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