発声方法

『ミックスボイスとは?』について徹底考察

投稿日:2018年5月24日 更新日:

この記事は『ミックスボイスとは?』というテーマについて深く研究・考察した記事です。

個人的に、『ミックスボイスなんて言葉が存在しなければ、多くの人が幸せになるのでは?』と思っています。笑

ミックスボイスとは

一般的には

ミックスボイスとは

  • 主に裏声ではない発声で高音域の声を出す発声方法
  • もしくはその『声区』

を指す言葉です。

また同じ意味として、『ミドルボイス』とも言われたりします。

 

主に

  1. 地声=胸声=チェストボイス(Chest)
  2. 中声=ミックスボイス/ミドルボイス(Mixed/Middle)
  3. 裏声=頭声=ファルセット/ヘッドボイス(Falsetto/Head)

このような声区の区分の真ん中の部分を指す言葉として『ミックスボイス』という言葉が使われるのが一般的です。

 

しかし、特に特定の音階や音色の特徴なども明確に決まっていないために非常に曖昧な言葉で多くの語り口があり、世界的にみても正式な定義が不明瞭なものとなっています。

 

本来の語源・由来

『ミックスボイス』という言葉の由来はフランス語を英語に変換した時に生まれたものとされています。

原語はフランス語のヴォワ・ミクスト(voix mixte)であり、英語の mixed voice もその訳語のようである。

引用元: Wikipedia『ミックスボイス』

このフランス語のヴォワ・ミクスト(voix mixte)というのは『声区融合』という意味なので、それを訳した英語のミックスボイス(mixed voice )も『声区融合』という意味になるのが本来は正しいのでしょうし、元々はそういう使い方の言葉だったのかもしれませんね。

 

声区融合とは

  • 『地声から裏声までを滑らかに移行すること』

を指すことが多い言葉です。

地声と裏声を融合させる・混ぜ合わせる(mixed)という意味合いなのでしょう。

勘違いしやすいのですが、声区融合とは『移行する境目の発声を指す言葉』ではなく、その『滑らかに移行するという発声様式全体を指す言葉です。

 

つまりミックスボイスとは本来、

  • 君は”ミックスボイス”だね
  • 君は”声区融合”してるね
  • 君は”地声から裏声まで滑らかに移行”してるね

という状態を指す言葉だったのかもしれませんね。

 

しかし、

その言葉の曖昧さのせいで多くの解釈を生んで、言葉だけが一人歩きした結果として、

  • 君は”ミックスボイス”だね
  • 君は”裏声ではない高音”を出してるね

という感じで使われるのが一般的になっていると思います。

 

まぁ言葉は時代の流れによって使い方が変わっていったりしますから、「本来は〜」とか「厳密には〜」とか言ったところで、、、結局はその流れに乗るのが一番なのかもしれませんね。

 

なぜ一般的に使われるミックスボイスは曖昧になるのか?

この理由は明白だと思っています。

『声区として明確に線が引けない』

からです。

 

簡単に言えば、「ここからここまでが〜」と範囲を決める時の「ここ」の場所をはっきりと示すことができないと考えられます。

特に「ここから」の部分。

 

地声・裏声はできる

地声と裏声ははっきりとそれができるんです。

かなり難しく長くなってしまうのでここでは詳しくは説明しませんが、

  • 地声=声帯筋(甲状披裂筋)が働く発声
  • 裏声=声帯筋(甲状披裂筋)が働かない発声

と明確に線が引けるのですね(中盤でざっくり説明します)。

 

ミックスボイスは曖昧

例えば、

ものすごい高い音を地声のように発声している場合、その発声は『地声』とは言い難い音色なので「ミックスボイスだよ」と言ってもいいのかもしれません。

 

ただ、その音を下げていったときに、

  • 「あれ?どこまでがミックスで、どこまでが地声?」

みたいな風なことが起こります。

 

ここでいろいろな説が生まれるのだと思います。

 

声区の考え方は人それぞれ

結果として、声区の区分は「厳密には〇〇」「正しくは〇〇」のように色々な意見があります。

 

ミックスボイスに関しては、

  • ミックスボイスは『地声だ』
  • ミックスボイスは『裏声だ』

という風にミックスボイスの存在そのものを地声か裏声に分類してしまうという考え方もあります。

 

結果、「ミックスボイスは存在する/存在しない」という論争を生み出します。

めんどくさいですね。笑

 

これらは結局一つのことを頭に入れておけば悩まずに済むと思います。

声区の考え方は

  • その人の「流派」
  • その人の「声帯」
  • その人の「感覚」
  • その人の「意識」

によって異なる。

つまり『人それぞれ』ということです。

 

これらは全ての人が完全に同じということはありえないので、その一つ一つの差が声区の捉え方にも差を生んでいると思います。

なので、これを頭に入れておけば、深く考えなくてもいいと思います。

 

大きく括ってもいい

声帯の構造上では、一番大きな分類は

  1. 地声(甲状披裂筋・声帯筋が使われる発声)
  2. 裏声(上記が働かず、声帯靭帯・声帯上皮での発声)

の2つの分類になるはずです。

 

しかし、人それぞれの色々な違いでどこまでをどう分類するかが変わってくるんですね。

 

難しく考えたくない人は一番大きな分類『地声・裏声』で考えておいてもいいのかもしれません、というかその方が歌が上手くなる人が多い?

 

ミックスボイスの一番お得な解釈

どう考えるにしても「ミックスボイス」という言葉自体は一般的に使われるので、めんどくさいですよね。

 

自分の中で解釈をある程度決めておくといいと思います。

 

ミックスボイスとは

『自然な換声点以上の音域の裏声ではない発声』

換声点・・・地声と裏声が切り替わる点。「自然な」という言葉がついているのは換声点は”一点”ではなく、いくらでもズラせるので、「一番楽で最適な」という意味で「自然な」と書いています。

くらいで考えるのが一番お得なように思います。

 

お得というのは

  • 使われるとしたらそういう場合を指すことが多いので、大枠の意味を捉えやすい
  • 定義に線引きできるとしたらこれしかないから考えやすい

という点でお得です。

 

こう考えると会話にもついていけますし、一般的に使われる意味を大枠捉えていると思っています。

個人的にもこのような意味で使っています(本当は使わない方が簡単で良いと思っていますが、みんなが使うから。笑)

 

そして

もし、

『ミックスボイス=自然な換声点以上の音域の裏声ではない発声』

とするのならば、

 

ミックスボイスとは

自然な換声点以上の音域で声帯筋が働いた発声

*声帯筋(甲状披裂筋)・・・地声で働いて、裏声では働かない部分。

と言い換えられます。

 

ということは『ミックスボイスは地声の仲間と考えることができるはず。

 

ミックスボイスの声帯の形や状態

声帯は人体なので筋肉や神経などと同様にまだまだ研究の余地が残されている分野です。

論文や文献を参考にこの記事を書いていますが、ここからは「ふーん。」くらいでお楽しみいただくのがいいと思います。

では早速ミックスボイスの声帯の状態や発声原理について考察していきたいと思います。

 

まずは先に簡単に図で説明します(図は簡略化しているのでご了承ください。)

 

このように地声は声帯全体を使った発声で、声帯を横から見ると分厚さを保ったような状態で打ち合って音を鳴らしています。

なのでしっかりとした音を鳴らすことができるのですね。

 

裏声は声帯が縦に伸びる力が働いて、声帯自体が薄くなります

なので音色として薄い音色、音程は高い音が鳴るのですね。

 

ミックスボイスは声帯の厚みを保った(地声の音色を保った)状態でなおかつ高音域を発声します

 

そのため一定の声帯の収縮や緊張を必要とする発声と考えられます。

 

 

地声と裏声の声帯の状態の違いをざっくりと理解しておくべき

ミックスボイスを理解するには地声と裏声の声帯の状態の違いをしっかりと理解しておかなければいけないでしょう。

 

地声と裏声の違い

声帯はこのように左右のひだが打ち合って振動します(正確にはベルヌーイというものですが、難しいので打ち合うと考えても損はないでしょう)。

 

この声帯の断面をクローズアップすると

 

このようになっています。細かい名前はどうでもよくて声帯筋(=甲状披裂筋)という『肉』があり、それ以外は『皮』みたいなものだと考えていいと思います。

 

そうするとこのように分けられます。

この二つの『肉』と『皮』のうち、『肉』の打ち合いが地声

「皮』だけが打ち合うのが、裏声です。

これを断面で見ると、

このようになっています。

 

これが

地声と裏声の明確な差(定義)

です。

 

つまり

地声のように聞こえるには『肉』が必要でああり、肉をなくせば『皮』だけになり裏声になるということです。

 

関連

声が裏返る仕組みについてのページにてもう少し詳しく書いているので、気になる人はぜひ読んでみてください。

 

ミックスボイスの声帯の状態

ここまでで、

  • 肉(声帯筋・甲状披裂筋)の打ち合いが地声
  • 皮(声帯靭帯・声帯上皮)の打ち合いが裏声

ということがわかりました。

 

ではミックスボイスはどちらに分類できるのか?

どちらかと言えば『肉』だと思います。

だって『裏声ではない』のですから。

 

しかし、同時にミックスボイスというのは綺麗に線引きできないものだと感じませんか?

 

 

声帯筋がどの程度打ち合えばミックスボイスと言えるのか、その線を引くのは難しいということです。

 

地声と裏声は完全な定義がありますが、その中間地点には線引きできない状態がいくつも存在します。

 

これが「それは地声だよ、ミックスボイスだよ」みたいな問題や、「〇〇なミックスボイス」というものを作り出していると思います。

  • 地声寄りなミックスボイス
  • 裏声寄りなミックスボイス
  • 柔らかいミックスボイス
  • パワフルなミックスボイス

などなど色々な表現がありますね。

 

なんにせよ

声帯筋という「肉」の部分を働かせずに声帯靭帯などの「皮」の部分だけで発声すると裏声になってしまうので、「肉」のある発声でなおかつ高音の発声が『ミックスボイス』と呼べるのだと思います。

 

ということは、もしミックスボイスを声区と捉えるのなら

「地声から裏声」と「地声からミックスボイス」の声帯の動き

地声→裏声

声帯は基本的に伸びることで音を高くします。

このように声帯が伸びれば伸びるほどに音が高くなっていきます。

これが輪状甲状筋による声帯の伸展です。

 

そのまま声帯を伸ばして音を高くすると、やがて声帯筋が働かなくなります。

 

地声→ミックス

ミックスボイスはこの「裏返る段階」に入っても地声のような状態を保つと考えられます。

声帯が伸びるにも関わらず声帯筋を保つ動きをするので、地声のような音色の高音になるのですね。

というか見かけ上はほとんど地声とも捉えられますね。

 

つまり

  • 裏声は『声帯が伸びるので声帯筋が働かない発声』
  • ミックスボイスは『声帯が伸びるのに声帯筋が働く発声』

です。

 

ということは声帯が「伸びる力」をそのままに「収縮・緊張する力」を加えて地声の状態(声帯筋が働く状態)を維持しなければいけない考えられますね。

 

 

つまり、

この「伸びる力」と「収縮する力」という二つの相反する力の共存こそが『裏声ではない高音発声=ミックスボイス』を可能にすると考えられます。

 

ちなみに

  • 伸びる力は声帯を開く作用
  • 縮む力は声帯を閉じる作用

に連結していると考えられています。

 

 

縦の動きが結果として左右への力にも直接ではないですが、間接的に関係しているのですね。

なので、ミックスボイスの出し方で『声帯閉鎖!声帯閉鎖!』と言いますが、表現はどうあれあながち間違ってはないのかもしれませんね。

 

ミックスボイスの発声原理

ここまででミックスボイスを可能にするには

『本来、高音域では働かなくなる声帯筋(甲状披裂筋)を高音域で働かせることが必要』

ということはイメージできたと思います。

 

「じゃあ、どういう原理でそれが働くの?」

というところが一番大事ですよね。

 

それを紐解いていきます。

ここからがミックスボイスの核心ですが、超マニアックゾーンです。笑

 

2種類の縦方向の収縮

ミックスボイスの発声においてかなり重要な部分のお話になりますが、かなりややこしいです。

 

実は声帯筋を働かせるこの縦方向の収縮の力。

まだ解明されていないことも多いらしいのですが、縦方向の収縮のうち『外側』と『内側』と『さらに内側』を分けて考えなければいけないのです。

青い部分(『一番外側』)は謎が多いらしいので無視してください。

オレンジと赤の2種類が『内側』と『さらに内側』です。

簡単に言うと地声で使う『肉』の部分をさらに2分割したものです。

 

内側・さらに内側などの表現がすごくややこしいので、

  1. オレンジ(2番目に内側)→外側
  2. 赤(1番内側)→内側

と表現します。

わかりにくかったらごめんなさい。

 

ここで重要なのが、

大抵の人はオレンジライン(外側)は収縮させることができるが、赤ライン(内側)を単体で収縮させることができるかは人による(声帯の柔軟性による)と考えられています。

 

つまり基本的にオレンジライン(外側)は誰もが使っていて、オレンジライン(外側)の動きにくっついて赤ライン(内側)も動いている人が多いということ。

しかし、声帯を上手く動かせる人は赤ライン(内側)だけを上手く動かせるというのです。

 

つまり

  • 声帯コントロールが苦手な人はオレンジと赤が同じ動きをする
  • 声帯コントロールに長けている人は赤だけを独立して動かせる

と考えられています。

 

これは例えば、

  • 耳だけを動かせる人と動かせない人
  • 胸筋をピクピクと動かせる人と動かせない人

のような神経や筋肉が開発されているかいないかの違いです。

 

これにより声帯を伸ばしても地声の状態を維持できる(裏声にならない)のですね。

 

 

このように

『高音域で赤ライン(声帯筋)を使えるようになること=ミックスボイスの発声原理』

と考えられています。

 

以下の引用(原文ママ)は大体同じことを言ってるはずです。

低音域から中音域においては、前筋・後筋による伸展作用がそこまで強くありません。声帯は内筋と声帯筋(低音においては外側も)が全体で振動を起こします。しかし、音域が段々と高くなり、伸展作用が強くなると、声帯は外側から裏声モードに変化し、振動停止をし始めます。すると、ある高さのところで、内筋全体が裏声モードになり、振動停止状態になります。残されるは「声帯筋部分」のみ。

このとき、声帯筋が「内筋に依存しなければ機能できない状態」だと、結果、内筋とともに裏声モードになり振動ができなくなります。しかし、「独立して機能することができる状態」だと、声帯筋は内筋が裏声モードに侵食後も独自で振動のが可能となります。この状態で発せられる声こそ、高音域のミドルボイスとなります。

引用元:ボイス・リビルディング発声理論『声帯筋の働き』より

胸声は甲状被裂筋により声帯が収縮し、厚く閉じた状態で発せられる。

頭声は輪状甲状筋により声帯が薄く伸展され声帯の縁の靭帯が振動する。

中声においてこの甲状被裂筋と輪状甲状筋を仲介し、胸声と頭声の融合を可能にするのが甲状被裂筋の内側にある声帯筋である。声帯筋はその構造から緊張を自由に変えることができ、そのことによって胸声、頭声の橋渡し、あるいは、胸声を多く含んだ中声、頭声を多く含んだ中声等の様々な音色コントロールに対応することができるのである。

引用元:『声楽発声のメカニズム』より

 

ミックスボイスを出すためのアプローチ

ミックスボイスを出すため必要な条件は

  • 高音域で『声帯筋を働かせる』
  • 特に『内側の声帯筋』が重要

でしたね。

 

ということは

  • 高音域での声帯筋の働かせ方=ミックスボイスの出し方

と考えることができますね。

 

大きく分けると二つの考え方ができると思います。

  1. 『内側声帯筋』が独立して働くように開発する(理想?)
  2. 外側からの力を借りて声帯筋を働かせてしまう(無理矢理?)

という二つの考えです。

まぁこの二つのも完全に別物というものでもないでしょう。

 

1.内側声帯筋が独立して働くように開発する

理屈的には高音発声をするとき(声帯伸展するとき)に『内側の声帯筋』が綺麗に独立して働くように開発するというイメージです。

 

ただし、この内側の声帯筋の動きを知覚・認識するのはかなり難しいと思います。

多分ほぼ全ての人は認識できないと思います。もちろん魅力的なミックスボイスを出している人でさえ。

 

例えば、

歩いているときに「あー、前膝十字靭帯がしっかり動いてるわぁ」みたいな認識ができないのと同じです。

 

なので、高音域で声帯筋を働かせることができる人(声帯の柔軟性がある人)は

  • 地声のように高音を出そう
  • 裏声にしないで高音を出そう

などの意識のみで出していると考えられます。

いい意味で意識すれば勝手に働くのでしょう。

 

なので、「内側声帯筋を働かせるぞ〜!」と思って働かせることができる人はおらず、内側の声帯筋が独立して働くかどうかは結果論なのだと思われます。

 

つまり、

『地声のような高音を出そうとした結果として内側の声帯筋が働いている』

のですね。

 

じゃあ、どうやって開発する・鍛えるのか。

 

開発方法

この内側の声帯筋を開発するのに良いとされているのが『エッジボイス』です。

あまり力みなくエッジボイスをトレーニングすることで、この声帯筋の内側の部分を鍛えることができると考えられています。

 

この「鍛える」とは

筋肉を鍛えるようなものではなく、神経を鍛えるような意味合いが強いと考えられます。

 

例えば、足の指で「グーチョキパー」とずっと練習していると足の指を上手く動かせるようになるような感じでしょう。

あまり認識できない部分だけに鍛える難易度が高いですね。

日々コツコツと動かしてあげる・使ってあげることが大事だと思います。

 

個人的には

「魅力的なミックスボイス」はもちろんのこと、「魅力的な発声」をするためにこの一番内側の声帯筋は重要な役割を持っている

と思っています。

 

ただ、認識できないのが厄介すぎる、、、、笑

 

2.外側からの力を借りて声帯筋を働かせてしまう

声帯コントロールが上手い人は内側の力を上手く使うことができると考えられていますが、外側の力を使っても声帯筋を働かすことができるはずです。

 

これは比較的誰でもできやすいと思います。

 

俗に言う

  • 声帯閉鎖

というやつです。

*「俗に言う」というのは、本来「声帯閉鎖=声門閉鎖」と同義語でただ声帯が開くか閉じるかだけの意味なのですが、それとは違う声帯に一定の緊張や圧力を与えるような動きのことを『声帯閉鎖』と言ったりする使い方のニュアンスも多いからです。

 

つまり、

このように外側から締めてしまって声帯筋を働かせるという考え方です。

なんだか無理やり感もありますが、先ほどよりも意識・感覚的に捉えやすくわかりやすいと思います。

 

しかし、これだといわゆる『喉締め発声』です。

 

例えば、高音が苦手が苦手な人は「裏声ではない高音を発声しよう」とすると喉締め発声になる人は多いのではないでしょうか?

 

これは、

  • 地声のまま高音に登ろうとする=声帯筋を働かせたまま高音に登ろうとする
  • しかし内側の声帯筋を独立して上手く使えない=声帯の外側の力を使って声帯筋を無理やり働かせる=喉締め発声になる

と考えられます。

 

つまり、声帯筋を働かせるため(地声の音色にするため)に声帯周りの力を使ってしまう(使わざるをえない)のですね。

こういうものは基本的には『喉締め発声』と言われ悪いものとされています。

 

もちろん魅力的でないダメな発声も多いでしょう。しかし、一概にダメとは言えないはずです。

 

なぜならその周りから力を借りている度合いは場合によるからです。

  • 喉締めは力を借りすぎている状態は流石にダメなことが多い?
  • 中くらいだとどうなのか?
  • ではほんの少し借りている状態はどうなのか?

など様々な状態が考えられると思います。

 

なので、外側の力を借りるという考えも一概にダメとは言えないと思っています(でもダメな場合も当然ある。)

 

開発方法

こういう考え方で高音(ミックスボイス)を出した場合、ほとんどの人が外側の力が過剰に働いてしまうはずですね。

声帯筋を上手く動かせないから外側を使って無理やり働かせるのですから。

 

結果的に喉締めになる

 

ということは、

この場合、

『働いている外側の力をいかに減らしていくか』

というのがポイントになると思います。

 

言い換えると『力んでいる部分を脱力する』ということです。

力んだ発声状態で脱力を促すようなトレーニングをし、外側の力を減らしながらトレーニングする。

結果として内側の力が鍛えられるということも考えられます。

 

裏声からのアプローチ

ミックスボイスは裏声から開発しよう・アプローチしようという考え方も多いですね。

 

これってどうなんでしょう?

 

裏声からのアプローチ

裏声からのアプローチは

このように裏声から声帯筋を働かすイメージと考えられます。

が、、個人的にはこの裏声からのアプローチは考えにくい、、この動きはありえない、、、とも思っていますが、決めつけは良くない。笑

 

だって声帯は人それぞれだからです。

 

実は「裏声アプローチ」が語られるカラクリは自分の中ではほぼ確信していますが、長くなるのでここではやめておきます。笑

 

ミックスボイスを出す感覚について

ミックスボイスを出すときの感覚はどういう感覚なのか?

 

声帯や喉の感覚

  • 「声帯を締めるような感覚」
  • 「喉は締めずに声帯を絞る感覚」
  • 「地声から薄皮一枚剥ぐ感覚」
  • 「地声のまま声を頭の方向へ」
  • 「裏声にエッジを入れて締めるような感覚」
  • 「裏声から地声の成分を足していく感覚」
  • 「裏声から強い芯を作る感覚」

 

声帯や喉以外の感覚

  • 鼻腔に強く響く感覚
  • 頭の上に抜ける感覚
  • 舌は上げない
  • 顎は柔軟に
  • 喉以外はリラックス
  • お腹をしっかりと使う
  • 背筋を使う

大体こんな感じで語られることが多いですね。

もちろんその他にも色々あるでしょう。

 

「え。違うの?」と思われるでしょうが、そうではないんです。

ただ、正解とも限らないと思います。

 

先にこの章の結論を述べておきます。

  • ミックスボイス(裏声ではない中高音発声・地声のような中高音発声)を出す感覚は『人それぞれ
  • ミックスボイスを出す感覚などはない方がいい
  • ミックスボイスをミックスボイスと認識していない人であるほど上手い可能性がある

と考えられます。

 

感覚は『人それぞれ』なのであくまで『ヒント』として捉えるべき

これらの感覚は全て

『当てはまるかもしれないし、当てはまらないものかもしれない』

ということを頭に入れておかなければいけないと思います。

 

声帯・喉・骨格などは人それぞれですし、感覚・感性・意識も人それぞれです。

であれば、誰かが教えてくれる『感覚』が自分に合うものであるとは限らないですよね。

まぁミックスボイスに限らずあらゆることで他人の感覚が自分と同じになることは極めて少ないでしょう。

 

  • その人の身体+その人の感覚=その結果』

であり、

  • 自分の身体+その人の感覚=その結果になるとは限らない』

ですね。

 

なので、

感覚はあくまで『ヒント』としておくのがいいと思います。

その通りにやって自分が上手くいくとは限りません。だからと言って上手くいかないとも限らない。

なのであくまで参考程度にとどめて、それで上手くいくかどうかを自分で確かめることこそ一番重要だとおもいます。

 

感覚を自分で模索・探究する人の方が成長する?

ミックスボイスに限らずなんでもそうだと思うのですが、

ミックスボイスを出す(裏声ではない中高音を出す)ということに関しても、

『感覚を自分で掴もうとする人の方が成長する』

と思います。

 

例えば

次の二人はどちらの方が成長するでしょうか?

  1. ミックスボイスを出したいけど出せない→出せる人はどんな感覚なんだろう?→なるほどやってみよう
  2. ミックスボイスを出したいけど出せない→出すためにはどうすればいいんだろう?→こうか?それともこうか?

結構難しい問題ですね。

色々なパターンがあるので一概には言えないのでしょうが、個人的には②の人の方が成長しそうな気がします。

 

自分の感覚は自分の体と向き合った結果なので、正解も不正解も全部自分のものです。

自分で得たものなので全部自分に当てはまるんです。

 

つまり

『自分だけのミックスボイスの感覚を追い求めること』こそ「ミックスボイスの感覚の正解」なのでは?

 

歌が上手い人はもはや「ミックスボイスの感覚」は存在しない?

少し大げさな見出しかもしれませんが、「ミックスボイスの感覚」ってそもそもあるの?というお話です。

 

いや、もちろん

『”声を出す”感覚はある』んです。

ただ、『”ミックスボイスの”感覚』はないこともあるかもしれません。

 

いや、あえて感覚に困っている人に向けて言い切っておきましょう。

  • ミックスボイスを出す感覚は『ない
  • 少なくとも『ない方がいい』

しかも歌が上手ければ上手い人ほどその傾向があるように思います。

 

どういうことか?

例えば、

高音が出せるプロのシンガーや歌が上手い周りの人などでもそうだと思うのですが、

  • 「どうやってそんな高音出すの」

と尋ねると、

  • 「よくわからないけど、とにかく出そうとすれば出る」

という回答をする人は多くないですか?

特にプロのシンガーは「ミックスボイス」について語ることは非常に少ないです。

 

これは別にカッコつけてるとかいうわけでもないはずなんです。

 

おそらく「どうやって?」と聞かれても上手く答えられないんですよ。

だって、出そうとすれば出るのですから。

 

皆さんもおそらく、

  • 「どうやって歩くの?」
  • 「どうやって自転車に乗るの?」

と尋ねられると結構困ると思います。

 

歩くときに「右足・左足・右足・左足」とか考えてませんし、自転車に乗るときに「右足をこぐ・左足をこぐ、左右のバランスをハンドルでとって、、」とか考えませんよね。

ただ「前に進もうとして前に進んでいる」だけですね。

 

人は簡単にできることの感覚なんてほとんど薄れているんです。

 

高音が出せる人も同じです。

  • 『高音を出すときに高音を出そうとして高音が出る』

ただ、それだけですね。

 

声帯コントロールに長けていれば長けている人ほど、「声帯が〜」「共鳴が〜」などは全く考えてないことはないでしょうが、少なくとも高音を出すためにはほとんど考えてないでしょう。

考えなくても出せるんです。

 

あえて言えば、

  • 地声の高音を出そうとしている
  • 感覚的には地声と変わらない

はず。

 

これがミックスボイスの感覚の最終的な到達点

そしてたどり着いた時点で『ミックスボイス』というものの存在(分類)は消えてしまうのかもしれません。

 

ミックスボイスの判定

自分のミックスボイスを確認する

step
1
自分の換声点を見つける

自分の換声点を見つけましょう。

  1. 地声で楽に「あーーー」と発声しながら高音へ登っていく
  2. 何も無理をせずに自然に裏声に切り替わる点を探す

換声点は完全な点ではないのですが、大枠でいいので自然に裏声に切り替わる音階を見つけます。

 

step
換声点以上を地声で無理やり出す

換声点以上の音域を地声で無理やり出します。人によっては苦しいでしょうが、裏声にしないでください。

  • 喉締め
  • 張り上げ
  • その他変な声

になった人もいるでしょうが、発声の条件的には『ミックスボイス』ですよね?

 

「いやいや、求めているのはこれじゃないよ。全然変な声なんだけど。」ですか?

色々思うかもしれませんが、まずは考え方としてはこれでいいんですよ。

 

大事な考え方

ミックスボイスは

  • できる
  • できない

の2択ではなく、正確には

  • 質がいい
  • 質が悪い

という度合いだと思います。

 

「できる・できない」で考えていたら、どこまでを『できている』としてどこまでを『できていない』としましょう?

明確に線引きできないですよね。

 

つまりあるのは『質がいいミックスボイス』『質が悪いミックスボイス』かです。

そして質が悪いのであれば、どうすれば質が良くなるかを考えトレーニングすることの方が重要だと思います。

 

ミックスボイスを判定したい人は「その先に道があるか」が知りたい

これは僕もそうだったので気持ちはすごくわかるのですが、

自分のミックスボイスができているかできていないかを確認したい人は

『今、ミックスボイスっぽい発声なんだけど、あんまり質がいい発声ができていない感じがする。自分でも満足していないから練習が必要なのはわかってる。ただ、この先この発声を続けると質が良くなるの?』

が知りたいんですよね。

 

だって、自分の高音発声の質に満足している人・普通に高音を出せる人は

  • ミックスボイスなのか
  • ミックスボイスじゃないのか

判定なんてどうでもいいですからね。

 

「高音出せる。終わり。ミックスボイス?なにそれ?美味しいの?」ですよね。

 

つまり、ミックスボイスを判定したい人は

  • この発声の先に質のいい高音があるのか
  • この発声では目標の発声にはたどり着けないのか

が知りたいというのがほとんどだと思います。

 

その道は正しいのか?

正直、その『質』を良くしていく道に関しては正しい道間違った道など存在するでしょう。

  • このミックスボイスを練習した先にあの目標のミックスボイスがあるのか?
  • あの目標のミックスボイスは実は全然違う発声なのでは?

と考えることでしょう。

しかし、その道の正誤の判定こそ『人によって違う』というのがある意味核心をついた答えだと思います。

 

「おい!」と思うでしょうが、『声帯・喉・骨格を含む身体は人それぞれ』ですから。

 

身体が違うのに正解のルートが完全に同じなんてあり得ないですよね。

 

野球選手のピッチングフォームやバッティングフォームがみんな違うのと同じです。みんな自分の体にあった最適な道を長い試行錯誤を経て見つけているのでしょう。

プロのシンガーも同様にみんなそれぞれ歌い方が違いますよね?試行錯誤して自分にあった最適な道を見つけたのでしょう。

 

つまり、

  • この道が正しいのか正しくないのか

を考えるよりも

  • どうすれば質が良くなるのか

を自分自身で考え突き詰めていく方がいいと思います。

 

険しい道のりですね、、、、。

 

まぁでも大抵の場合、現状自分のミックスボイス(中高音発声)が変に感じるのであれば最初からやり直したほうが早い場合も多いのかもしれません(一概には言えない)。

 

『音程』にウェイトが寄りすぎて、『質』を失っているパターンでしょう。

 

こういう場合は一度リセットしてコツコツと質を積み上げる。

 

そして質を良くしていくには、

  • 『録音して自分で何度も聴いて修正する』

という試行錯誤が結構大事だったりすると思います。

 

長くなってしまいましたが、ミックスボイスの考察については以上になります。

 

次は

具体的にミックスボイスをどう練習していくのか、という部分ですがこれは難しい理屈は一旦頭の片隅に置いて、とにかく練習ですね。

具体的な練習方法を記事『3種類のミックスボイスの出し方と練習方法』(ごり押し系)にて書いてます。

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