おそらく
- すごく歌が上手い人は『地声』と『裏声』という認識しかないのではないか?
という内容です。
世に溢れる声区や声の種類の名称
- 地声、チェストボイス、胸声
- ミックスボイス、ミドルボイス、中声
- 裏声、ファルセット、ヘッドボイス、頭声
ざっと適当に書き出してみましたが、世の中には色々な声区や声の名前があります。
本題はそこじゃないので書いてないですが、もっとたくさんの区切られた名称がありますよね。
たくさん分類したくなる気持ちもわかりますが、おそらく歌が上手い人はそんなにたくさんの声区を認識していないと考えられます。
おそらくこう↓
体感上は、地声・裏声だけでいい→『ミックスボイス』問題
声区問題で一番大きな問題は”ミックスボイス”ですが、このミックスボイスを「声区とするか・声区としないか、あるのか・ないのか」の議論は一旦置いておきましょう。
ただよくある話ですが、すごい歌が上手い人に限って、
- 「これミックスボイスって言うらしいんですよ。よくわからないんですけど。」
くらいのスタンスでいる人が非常に多いですよね。
この記事を読んでくれている方の中にも、「そもそもミックスボイスという感覚が理解できない」という人は、少なからずいると思います。
つまり、こういう方々にはミックスボイスという声区の認識がない。
少なくとも体感上、地声か裏声しか存在しないのでしょう。
実はこの
低音域から高音域まで「少なくとも”体感上は”地声か裏声しかない」というのは、歌が上手くなる上で非常に重要だと考えられます。
特に、歌が上手い人、少なくとも声帯の柔軟性がある人は、こういう感覚を持つ人が多い傾向にあると予想します。
下の動画、世界的シンガーの『ジェシー・J』さんがインスタライブで歌の練習の様子や質問に答えてくれるという贅沢で貴重な動画ですが、この動画の4:55〜にて↓
「チェストボイス(地声)」「ヘッドボイス(裏声)」という2種類の発声をしています。
チェストボイスは地声です。
結構張った強い高音を発していますが、「チェスト」と言っています。まぁ地声ですね。
このように声帯の柔軟性がある人たちは、『”地声の高音を出そうとして”地声の高音を出します。』
要は
『ここからミックスボイスだから声帯閉鎖が〜で、鼻腔共鳴を〜にして、上手く脱力して、地声っぽい音色の高音を出すぞー!』ってことをしないのですね。
ちなみに『ヘッドボイス』は日本では「芯のある裏声・息漏れのない裏声」と言われますが、動画ではいい意味で息ダダ漏れの美しい裏声です。
おそらく、ジェシーさんの中では
- 「ヘッドボイス=裏声=ファルセット」
という意味でしょう。
向こうでは「ヘッドボイス=ファルセット=裏声」という認識もあるみたいですし、もっと違う認識もあるみたいです。どちらにせよ「芯のある裏声」ではない。
-
ファルセットとヘッドボイスの違いについて【日本と海外で考え方が違う?】
続きを見る
話が飛びましたが、つまりジェシー・Jさんは声区を二つしか認識していない。
- 「チェストボイス」か「ヘッドボイス」
- 「地声」と「裏声」
ですね。
もちろん、ジェシー・Jさんがこう言っているから、上手い人がみんなそうだということでもないのは承知しています。
しかし、
- 「世界クラスの歌唱力を持っている人が歌声で認識している声区は二つだ」という一つの参考
にはなりますね。
それに歌が上手い人、プロのシンガーって日本人はもちろん海外の人も「これがミックスボイスで、、、、」みたいな、”ミックスボイス”というワードをほとんど言わないですよね(もちろん語る人もいますが、割合としては少ないでしょうし、語ってもいい意味でざっくりです)。
この現象って、単純に考えると、
- プロレベルの人はみんな天才
- 天才すぎて、いい意味で馬鹿になっている
- 何も学ばずに歌ってきた天才だから何もわかってない
とかいうような『天才は別枠』として考えてしまいそうですけど、
本当は、
- 『ミックスボイスを語ってない』という事実こそが確信をついた答えであるはず
なんです。
つまり、”認識しないほうがいい?”
しかし、「ミックスボイスという声区が世間一般的には語られ、普及している」のも事実。
これにはカラクリがあると思うんです。おそらく、歌が苦手な人ほど『認識する声区が増える』理由があるはず。だから、プロは語ることが少ない。
もちろん、あらゆる場合においてそう言えるものではないのですが、こう考えると辻褄が合います。
そういうカラクリの考察は別記事にまとめて書いているので、興味のある方は読んでみてください↓
-
「ミックスボイスとは」についての研究・考察【そもそも存在するのか?】
続きを見る