今回は楽器と歌の上手さの関係性についての内容です。
この記事は
- 楽器が弾けることと歌の上手さの関係性→『すごく関係ある』
- 歌が上手くなるために始めるべき楽器→『ピアノかギターがおすすめ』
という内容です。
目次
楽器と歌の上手さの関係
結論から言うと
- 楽器を弾ける人は歌が上手くなりやすくなる
- 正確には『弾き語りを練習する』と歌が上手くなりやすくなる
もちろんあくまでも傾向のお話で、100%保証できるものではないのですが。
プロで活躍するシンガー達もほとんどの人が楽器を弾けますから説明されずとも感覚でわかるという人も多いでしょう。
なぜ楽器が弾けると歌が上手くなるのか?
歌の上手さというのは大きく分けると二つの要素で決まります。
- 喉・声をコントロールする能力(発声能力)
- 音感・リズム感などの音楽的完成
この2つの掛け算のような形で決まると考えられます。
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そして、楽器は二つ目の「音感・リズムなどの音楽的感性」が効率的に鍛えられる。
『楽器をすることがこの能力を一番鍛えやすい』と言っても過言ではないでしょう。
なぜなら普通に音楽を聴いたりするだけでは身につきにくい、
- コード感・・・楽曲のコード進行やキー(調)に乗る能力
- タイム感・・・自分でリズムを一定に刻む能力
が身につきやすいからです。
『音感』『リズム感』の中の特に『コード感・タイム感の成長を早める』という点においては楽器はとてもいいと考えられる。
例えば、コード感が身につくと「作曲」や「アドリブ・フェイク」「アカペラ」などができるようになるでしょうし、タイム感は歌により一層のグルーヴ感をつけたりするでしょう。
難しく考えたくない人は
- 楽器を練習することで『音感』と『リズム感』がつく
とシンプルに考えても問題ないでしょう。
歌のための演奏能力は”弾き語りができるくらい”でいい
歌が上手くなるための演奏能力は『弾き語りができるくらい』で十分でしょう。
”できるくらい”というと弾き語りを下に見ているような感じですがそういう意味ではなく、「高度な演奏能力まで身につける必要はない」「歌のための弾き語りができればいい」ということです。
例えば、ここまでする必要はなくて↓
これくらいでいい(悪い意味ではない)ということです↓
もちろん難しい弾き語りができる分には何も問題はないです。
ただ、『歌が上手くなるため』の目的で楽器を練習する場合はそこまで高度な演奏能力を身につける必要はないでしょう。
歌が上手くなりたい人におすすめの楽器は2つのどちらか
歌のためにオススメの楽器は
ピアノ
ギター
この二つの楽器ですね。
もちろん、絶対にどちらかでなければいけないということはないのですが、この二つの楽器は歌にとっていい面が多い。
なぜピアノかギターがいいのか?
単体で『コード(和音)が弾きやすい楽器』だからです。
要は弾き語りしやすい楽器ということ。
世の中の曲はほとんどコードでできていますから、コードが弾けると曲が成立します。
なのでシンガー達の弾き語りで、ピアノやギター以外で弾き語っていることはあまり見たことがないはず。
単体でコードを作れる楽器(一度に多数の音を混ぜられる楽器)はそう多くはないので、弾き語りはどうしてもこの二つの楽器になっていくのですね。
手に注目すると『コード(音の組み合わせ)』で弾いているがわかりやすい↓
このように複数の音を簡単に同時に混ぜることができるのでピアノとギターはいいということですね。
そしてコードを弾くことで『コード感(覚)』も身につきやすいのですね
もちろん、他の楽器がダメということではないです。
コードが弾けるのであれば、理論上は色々な楽器で弾き語りができます。
例えば、オートハープの弾き語り↓
このようにコードが作れる楽器であれば弾き語りはできる。
ただ、「広く普及している」「わかりやすい」「弾き語りしやすい」という面でピアノとギターがおすすめということです。
極論を言えば、コードが弾きにくい楽器であっても、弾き語りはできますし↓
弦一本あれば、弾き語りは成立します↓
なので、突き詰めると「コードなんて弾けなくてもいい」となるのですが、「やりやすさ」「取り組みやすさ」「弾き語りのしやすさ」などを考えるとやはりピアノやギターがいいと考えられます。
何より歌のための『コード感』『タイム感』の身につけやすさは抜群です。
ここからは「じゃあ、歌が上手くなるために始めるのはピアノとギターならどっちがいいの?」というテーマです。
ピアノの特徴
細かい楽器の特徴を挙げて言ったらきりがないので、「歌が上手くなりたいから楽器を始めてみようかな」と考えている人が考慮すべき特徴です。
ピアノの特徴
- 誰でも音を出すのが簡単
- コードを覚えにくいかも
という二つが考慮すべきポイントだと思います。
①誰でも音を出すのが簡単
ピアノは音を出すのがものすごく簡単です。
鍵盤を押せば音が鳴るのですから、誰でも簡単に音を出せます。
高度なテクニックは本当に高度ですが、音を出すという点では初心者でも始めやすいですし、はじめからある程度の楽しさを感じる楽器です。
②コードを覚えにくいかも
音は簡単に鳴るので、コードを弾くにも苦労はしないでしょう。3〜4つ鍵盤を押さえればいいだけですから。
「ド・ミ・ソを同時に弾け」と言われれば、誰でもすぐにできます。
ただそのコードを覚えるために、コード理論を勉強しないといけないということがあります。
「ド・ミ・ソ」が『C』で、「ド・ミ♭・ソ」が『Cm』で、、、、などのように。
もちろん手の形で覚えてもいいのですが、形が変わり映えしないので覚えにくいかもしれません。
ただ、コード理論がわかっていれば、どんな初心者でもある程度弾けちゃいます。
ギターの特徴
ギターの特徴
- 最初は音が出せない
- コードを覚えやすい
という二つです。
最初は音が出せない
ギターの初心者はどんなに上手いギタリスト、例えば世界に名を轟かすようなギタリストでさえ、最初から綺麗な音を出すことはできなかったはずです。
それくらいギターというのは、最初は音を出すのが困難です。
初心者は手の皮は全く発達してないので、指が痛すぎて耐えられないことが多いでしょう。
さらにギターには『コードFの壁』というものが存在するのですが、これを乗り越えるかどうかが鍵です。
ちなみに諦めなければ誰でも超えらはず。自転車に乗れるようになるみたいなものです。
難しいのは最初だけ。
コードを覚えやすい
ギターはコードをものすごく覚えやすいのが特徴です。
ほとんどのギター用の譜面にはコードの押さえ方が載っているので、コードの理論なんて何一つわかってなくても弾けてしまいます。
やっているうちにだんだんとわかってくるというメリットもあります。
指の抑え方は最初は難しいですが、必ず覚えます。結構すぐに覚えられますし、覚えるとなかなか忘れられないくらい身につきます。
コードの理論を勉強をしたくない人にはオススメ。
ギター・ピアノそれぞれが歌に及ぼす特徴があるかも
これは全員がそうだと言えるものではないですし、あくまでも『傾向』というのは大前提ですが、どちらを練習するかでボーカルのスタイルに一定の影響があると考えられます。
ピアノを弾くシンガーはピッチ感が良く綺麗な歌声になりやすい
これは常に正しく調律された音を聞いていることや、ベース音を動かしやすい(意識しやすい)のでベース音をしっかりと感じて歌うことができるということからだと思います。
また、コードの音の粒がしっかりしていて聞き取りやすい上に、声との調和がしやすい音なので、それに合わせて歌うと自分がズレているのかどうかが感じやすいです。ギターはその点に関して少しぼやけてしまいます(良くも悪くも)。
なので、ピアノが弾けるシンガーはピッチ良く綺麗で美しい歌声を聴かせてくれるタイプのシンガーが多いように感じます。
ギターを弾くシンガーはパワフルでダイナミクスのある歌声になりやすい
ギターは自分が抱え込んだそのボディーから比較的大きな音が鳴り、音量もコントロールしにくい(*アコギの場合)。
なので、ギターに負けないように大きな声を出して歌う傾向が生まれやすい。
また、ギターの音の性質はピアノよりも声と調和しにくい性質を持っています(*ギターの種類にもよる)。
つまり、声と一緒に出した時に音が「声と分離しやすい」ので、ピッチが少しくらい甘くてもいい感じに聴こえるという特性がある=ロックなどの荒い歌唱スタイルにも向いている。
ギターが弾けるシンガーは人の心を揺さぶるようなダイナミクスを表現してくれるタイプのシンガーが多いような気がします。