今回はリップロールとタングトリルを同時に行う”合わせ技”について。
リップロールやタングトリル(巻き舌)は、有名なボイストレーニングですが、この二つはコツを掴めば同時に行うことができます。
同時にすれば効果倍増!とはならないと考えられますが、
- 強力な脱力効果
- 息を多く吐いた発声のトレーニングになる
という効果が考えられます。
トレーニングの効果が少し極端なので、合わない人もいるとは思いますが、刺さる人には刺さるトレーニングかもしれません。
リップロールとタングトリルの合わせ技
まずは両方できることが前提ですが、リップロールとタングトリルを同時にします。
どちらが先でもいいのですが、
- リップロールをして、タングトリルを重ねる
- タングトリルをして、リップロールを重ねる
のどちらかやりやすい方で、やってみてください。
もちろん、声帯は鳴らします。
慣れるまでは意外と難しいですが、上手くできると、リップロールの「プルプル」と、タングトリルの「ルルルル」が合わさって、言葉で言い表せないようなすごい音になると思います。
①強力な脱力効果
脱力に関して、リップロールの脱力は「声帯にかかる圧力を軽減する」という仕組みで起こるのですが、これについてはこちらの記事↓
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リップロールの4つの効果とデメリットについて
続きを見る
にまとめているので、ここでは省略します。
また、タングトリルが「舌根を固定する」ことで脱力を促すというのは、こちらの記事↓
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タングトリル(タントリル)のやり方と効果について
続きを見る
にまとめているので、ここでは省略します。
では、この二つを同時にするとどうなるか?
当然、「整体の圧力を軽減する」「舌根を固定する」という両方の効果が得られますし、タングトリルもさらに微量の圧力を軽減する効果が発揮され、かなりの脱力を促す効果が生まれると考えられます。
実際、合わせ技をやってみた後、普通に声を出してみると、かなり声が軽く感じると思います。
ただ、この合わせ技の状態は、唇と舌によって、声帯にかかる圧力(呼気圧)が軽減されすぎている状態とも言えます。
簡単に言えば、脱力を促しすぎです。
脱力は、すればするほどいいというものではありませんから、注意が必要です。
なので、強力な脱力が必要な人には有効だが、そうではない人にとっては余計な脱力効果になってしまう可能性があるということです。
②息を多く吐いた発声のトレーニングになる
この合わせ技をやって、そのままそれを解いてみるとわかるのですが、かなり息をたくさん吐いた発声になると思います。
これは、唇と舌という二つを振動させるためには強い息の力が必要になるからです。
なので、息をしっかりと吐いた声を出すトレーニングになると考えられます。
ただこちらも、どちらかと言えば『息を吐きすぎた状態』になるので、息をしっかりと吐いた発声が苦手な人には刺さるかもしれませんが、そこまで苦手ではない人にとっては、あまりいいトレーニングにならないかもしれません。
この辺りが自分に刺さるかどうかはやってみなければわかりません。
「歌う」から遠い動作のトレーニングは、一長一短
まず、「リップロール」もしくは「タングトリル」という動作は、歌の中ではほぼ使わない動きです。まれにしているシンガーもいますが、ほぼ使わない動作と言っていいでしょう。
これらのトレーニングは、基本的にしない動作だからこそ、特化し、効果的にトレーニングができるとも言えるのですが、裏を返せば『目的を履き違えると歌に活かせない』可能性があるトレーニングでもあります。
つまり、「歌う」から遠い動作のトレーニングには、一長一短があるということです。
そして、リップロールとタングトリルを合わせれば、さらに「歌う」という動作から遠ざかります。ということは、さらに一長一短の度合いが高まるトレーニングになると言えます。
なので、この合わせ技のトレーニングは、刺さる人にはすごく刺さるトレーニングになるかもしれないが、絶対的にいいトレーニングとは言えないということに気をつけておきましょう。
- 過度に喉や声帯に力が入ってしまう人
- 声に息を流すのがすごく苦手な人
にはオススメかもしれません。